メディアを「丁寧に」ファクトチェックする方法
情報過多の時代に、自分の“情報消費”を整えるために

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情報の洪水が心を疲れさせるとき
SNSやニュースアプリを開くたび、次々と更新される「最新情報」。
便利なはずのこの仕組みが、いつのまにか心の負担になっている――そんな経験はありませんか?
近年の研究では、情報の過剰摂取(インフォメーション・オーバーロード)は不安やストレスを高め、集中力の低下や感情の疲弊を引き起こすと報告されています。
日本ファクトチェックセンター(JFC)も、誤情報や偏向報道が人々の心理的負担や社会的分断を深める要因になっていると指摘しています。
情報と健やかに付き合うには、ただ受け取るだけでなく、“自分で確かめる”姿勢が大切です。ここでは、日々のメディア消費を少し丁寧に見直す方法をご紹介します。
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まず“一次資料”/“発信元”をたどる
ニュースを見たとき、「~によれば」「~が報じた」といった表現をチェックし、最初に報じたメディアや当事者にアクセスする習慣を持ちましょう。
例えば、政治や選挙に関する報道では、候補者や政党が“直接”発表している声明や演説、記者会見の映像・全文が元情報となることが多いです。
また、日本では 日本ファクトチェックセンター(JFC)が「ファクトチェック」と「メディア情報リテラシー普及」を二本柱に活動しています。日本ファクトチェックセンター (JFC)+2日本ファクトチェックセンター (JFC)+2
情報の“中継報道”よりも、できるだけ“直接の発信”に近いソースを参照することで、中間フィルターによる歪みを少しでも減らせます。
事実を確認(そのうえで再確認)
メディアや政治家、SNS投稿で目にした「数字」「発言」「データ」などは、ただ読むだけでなく「本当にその通りか?」を確認しましょう。日本語の解説でも「ファクトチェック=公開されている情報の真偽を検証し、共有する行為」と定義されています。
具体的な手順例:
- 公的機関や信頼できる報道機関のデータと比較
- 一次資料(発表・声明・統計)と全文で照らし合わせ
- 情報が最新かどうか確認(古いデータのまま使われていないか)
- 情報源(出典/支援団体/資金源)に偏りや利害関係がないかチェック
日本では、偽・誤情報の拡散に対して「教育・啓発」「ファクトチェッカーの育成」が急務とされています。
ですから、自分自身が“受け手”として、こうした確認プロセスを意識することが、いま特に価値があります。

信頼できる意見を読む・ただしそれを“事実”と同義にしない
信頼できるジャーナリストや分析者の意見を読むことは有益ですが、その人の主張=確かな事実ではありません。
チェックすべきポイント:
- その人/メディアのこれまでのトーンや報道姿勢はどうか?
- 問題発言や利害関係の指摘がないか(名前+「論争」などで検索)
-
「ああ、これに賛成!」と感じたときこそ、反対意見・根拠を探してみる
多くの場合、自分の意見と「いつも同じ側」の情報ばかり消費していると、見えない偏りが育ってしまいます。自分自身の“偏り”を自覚することが、ファクトチェックの大きな第一歩です。
心の健康を守るメディア習慣を
ファクトチェックは“情報のため”だけでなく、“自分を守るため”でもあります。
- ニュースを確認する時間を一日2回程度に制限
- 信頼できる媒体を2~3社に絞る
- 夜寝る前はSNSではなく、読書やストレッチで心を整える
情報を手放す勇気も、ウェルネスの一部です。
最後にー
情報消費の世界では、私たちは“読み手”であると同時に“判断者”です。
国内でも 日本ファクトチェックセンター のように、誰でも学べるメディア情報リテラシー教育プログラムが出てきています。
だからこそ、情報をただ“受け入れる”だけでなく、少しでも“問い”そして“検証する”姿勢を持つことが、これからの時代には欠かせません。
ニュースを通じて世界を知ることができる一方で、誤情報や偏った報道に惑わされないよう、自分自身の“情報収集の筋力”を鍛えていきましょう。
Hummingでは、情報と心のバランスを取ることを“新しいウェルネス”の一形態として考えています。
真実を見極める力は、他人を否定するためのものではなく、自分の心を静めるためのもの。
今日読むニュースが、あなたの中に安心と明晰さを残しますように。