タンザニアの生理事情から考えた生理の過ごし方
月1でくる生理に悩まされる女性は多いですよね。
アフリカでのある体験をした著者は、生理が来るのが待ちどおしくなり、生理中は普段よりも感謝の気持ちでいっぱいになれる特別な期間へと変わりました。
そのヒミツをお伝えします。
生理への向き合い方を変えた、アフリカでのショッキングな体験
毎月、女性に訪れる生理。みなさんは、どういう気持ちで生理を受け入れてますか?
生理は、痛くてゆううつなもの?日々の生活に支障をきたすもの?
または、女性であることを実感できる特別なもの?
そして、この生理をやさしく受け止めてくれるナプキン、このナプキンが、もし手に入らなかったら、そんなことを考えたことはありますか?
タンザニアで目にした光景は、日本の女性がいかに清潔な環境で恵まれているかを改めて感じ、生理と向き合うきっかけとなりました。
タンザニアのナプキン事情を知らずにいた私に、衝撃的な出来事が起こりました。
ある日、自宅の床に血がぽとぽとと滴っているのを発見した私は驚いて、お手伝いさんとしてきてもらっているタンザニア人女性に何があったのか、たずねました。
彼女は、「あら、ごめんなさい。今わたし、生理中なの。」と、苦笑しながら、床をふき始めました。
タンザニアでは、市販の生理用ナプキンは高価なため、(月給平均25,000円、ナプキン30枚入りは約500円 (2022年12月現在))一般のタンザニア人女性は、使い古した布を使ったり、村では木の葉で対応することもあるのが現状です。
適切なナプキンが入手しづらく、トイレ事情も整っていないタンザニアで、このナプキン問題は衛生面だけではなく、教育面でも女性に試練となっています。
生理がきても、ナプキンがない女子学生たちは学校を休むことになり、彼女たちの勉強の遅れが懸念されているのです。
タンザニア水衛生ネットワークのデータによれば、ほとんどのタンザニア人女学生は、生理が理由で月に1~3日は学校を休んでいます。
女性による女性のための布ナプキン支援の活発な取り組み
こうした驚きの事実を目の当たりにした外国人たちは、アフリカで様々な支援活動を行っています。
私も、タンザニア在住の外国人女性たちに交じって、あるボランティアに参加しました。
ミシンで布ナプキンをつくり、タンザニアの女性たちに無料で配る活動です。
また、「アフリクラフト」というタンザニアのNGO団体は、タンザニア人女性たちに布ナプキンを提供したり、自身でナプキンを手作りできるスキルを教えるなど幅広くこの問題に取り組んでいます。
こういった取り組みを支援したい場合、日本からでも寄付の形で応援することができます。
日本では浸透していない布ナプキンを見直してみる
筆者は、清潔なナプキンへのアクセスが当たり前ではないタンザニアで、女性たちの救世主ともなっている、この布ナプキンについて考えてみました。
日本では、市販の紙ナプキンを使用する女性が圧倒的に多く、布ナプキンの使用率はわずか2%というデータもあります。
布ナプキンの使用には「洗濯が手間」「多い日は漏れが心配」などのデメリットがあり、忙しい日本人女性の間では普及しないのもうなずけます。
市販の紙ナプキンと布ナプキンを3か月使った後の比較実験も行われています。
参加者からのアンケートでは、布の感触とナプキン洗濯時の月経血の観察をすることで、生理が「やっかい」なものから「自然」なものへと変化した、生理時の不快感の改善につながったとの結果も出ています。
また、昨今のSDGsの流れで、からだにも環境にもやさしく、「生理痛が軽くなった」「経血量が減った」「肌さわりが気持ちいい」「かぶれにくい」などのメリットがある布ナプキンが注目されはじめています。
筆者自身は、10年ほど前から、布ナプキンを常用しています。
手洗いの手間はありますが、経血量を自分で把握することで無意識に自分の体に向き合うことになり、自分のからだに対して、がんばってくれてありがとう、という感謝の気持ちがうまれます。
タンザニアでの体験から、毎月活躍してくれる布ナプキンに対しても感謝するようになりました。
生理時期を「自分にやさしくする特別ウィーク」に指定してみる
生理の週は、家族や周りの人に甘えさせてもらい「じぶんにおもいっきりやさしくして、いつもより少しだけ手間をかけてあげる月に1回の特別な期間」と位置づけてみるのはいかがでしょう。
そうしたら、からだにもやさしい布ナプキンを使ってみようかなという心の余裕が生まれるかもしれません。
生理に限らず、日々の生活の中で、ゆううつと感じることでも、見方を少し変えることで、生き方が楽になったり、普段あたりまえに思っていることへの感謝の気持ちに気づいたり、知らない間にがんばっていた自分に優しくなれるのではないでしょうか。
次にくる生理とは、「自分にやさしくなれる絶好のチャンス」として、今までとは違う気持ちで向き合ってみるのはいかがでしょうか。
著者:堀江知子(ほりえともこ)
タンザニア在住ライター。民放キー局のアメリカ支局にてインタビューや番組制作のプロデューサー業に15年間携わる。
現在は、日本に知られていないアフリカの魅力や生活の様子について日本メディアへの発信や執筆活動をしている。
参考文献
タンザニアの給与データ:https://ilostat.ilo.org/data/country-profiles/
日本の生理用品データ: https://femtech.tv/news65/
紙ナプキンと布ナプキン比較調査:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspehss/67/0/67_127_1/_article/-char/ja/
未来を創るコミュニティの場に。サステナブルな視点で描く建築の可能性【建築家デザイナー ファラ・タライエのIt’s My Story】
サステナビリティをコンセプトに建築デザインを手掛ける、ファラ・タライエさんが描くのは、レボリューションが起こるコミュニティの場。ただ建築や空間をデザインするだけではない、そこを人々が集う場所にデザインする。そんなスポットが10月1日、東京・日本橋にオープンします。細部までこだわった彼女のデザインフィロソフィーとは?
多様性がテーマ。大人も読みたい、小学生による小学生のための絵本
自分と違う境遇や価値観を持っているひとたちがいることを知り理解して、お互いが認め合うことーーSDGs達成のためにも重要視されているのがダイバーシティの実現、つまり多様性のある社会です。その多様性をテーマにした、ある絵本が注目されています。独自の視点と質問力が話題になり、発売前から増刷が決定していたという絵本『みんな えがおになれますように ~ちがうって すてきなこと~』。作家は、小学校6年生の女の子です。
子どもだけでなく、大人にも学びのある一冊

作 / うい 絵 / 早川世詩男 監修 / 松中権 ¥1,540(定価)/学研プラス
「トランスジェンダーの人が困っていることはなんですか?」・・・そんな小学生からの質問に、あなたならどのように答えますか?
小学生作家であるういさんが、一般の方からオードリー・タンさん、杉山文野さん、ロバート キャンベルさんまで幅広くインタビュー。その内容を、わかりやすくまとめた絵本がこちら。
テーマはズバリLGBTQ+、多様性について。センシティブで難しい題材ではありますが、小学生向けに丁寧につくられている絵本なので、とっても理解しやすいのが特長です。
にっこり笑顔が印象的な表紙をさっそくめくってみると・・・。
まずは、やさしい色合いの親しみやすいイラストが目にとびこんできます。こちらはイラストレーター早川世詩男さんによる作画です。
小さな子どもから大人まで、楽しく最後まで読み進められるつくりになっているのです。
「トランスジェンダーの人は、何にこまっているんですか」
「ふつう、あたりまえ、ということばは、いやに感じますか」
この絵本は、Q&A形式のシンプルな構成で出来ています。ページをめくるたびに、小学生ならではの鋭い視点に思わずハッとさせられることがたくさん。当事者に対して、ここまで率直に質問ができるのは子どもならではといえそうです。
社会にはさまざまな価値観があることに気付き始め、さらに深く知りたいという作者の思いが素直な質問に。そのストレートな言葉に、真摯な姿勢で答える当事者の面々。理解して受け入れ合うという多様性の第一歩となるコミュニケーションが、絵本のなかで繰り広げられていきます。
この本を手にした大人たちからも、「多くの気付きを得た」という感想が寄せられているそう。「(子どもからの質問に)大人としてどんな風に説明したり、疑問に寄り添っていけばいいのか。この本を読んで、ヒントをもらいました」という親世代からコメントも。
多様性について子どもと一緒に学ぶ、自分自身が抱えていたモヤモヤの解決の糸口になる、多様性社会のためにできることを考える・・・など、読者ぞれぞれに、新しいきっかけを生み出してくれそうな一冊といえそうです。
小学生作家「うい」さんとは?

ういさんの将来の夢は「俳優さんやパンケーキ屋さん」なのだそう。
ういさんは愛知県に住む、2010年生まれの小学6年生(2022年9月現在)。作家デビューは小学2年生のとき。小学校入学前の子どもたちに向けたアドバイス集『しょうがっこうがだいすき』を自費出版したことが始まり。ういさん自身の経験をもとにしており、リアルな内容と読みやすい文章で小学生作家として一躍話題に。その後、トランスジェンダーの方にインタビューを実行して1冊としてまとめた『小学生の私たちが知っているだけで、せかいをかえることができる。』を小学3年生で自費出版しました。
毎日の生活のなかで、価値観や趣味嗜好など自分とは違う人と出会うきっかけは多々あるはず。そんなときに“知っておくといいこと”を、この絵本が教えてくれます。他者との理解を深め、お互いを認め合い、受け入れ合うために。読書の秋、周りの人とこの本を読み合って、大切なテーマについて一緒に考えてみたいですね。
日本のソウルフード「おにぎり」でアクション!世界の子どもに学校給食を届けたい
食料品の値上げが続いています。私たちの暮らしへの影響はもちろん、世界的な食糧価格の高騰は深刻な食料問題にもつながっているのだとか。今回は、そんな社会問題を「おにぎり」で解決に導くユニークな取り組みをご紹介。その名も「おにぎりアクション2022」! 誰でも簡単にSNSで参加できます。
SDGs目標「飢餓をゼロに」解決に向けて
SDGsは17の目標が設定されていますが、そのなかの目標2として掲げられている「飢餓をゼロに」。実は、解決の遅れが心配されています。その理由は新型コロナウイルス感染症や気候変動、ウクライナ侵攻などによる世界的な食料価格高騰によるもの。日本でも食料品の値上げが相次ぎ、私たち消費者にとっても見過ごせない問題となっています。
日本発の取り組み「おにぎりアクション」

2021年の投稿写真より。
食料品の値上げによる家計への負担や、輸入に頼る日本のフードシステムへの疑問・・・。さらには食料安全保障への不安も重なり、米食つまりお米を主食として食べる習慣の価値を見直す動きが高まっています。
そんな米消費の促進と、世界で増え続ける飢餓人口(十分な食料が手に入らず、栄養不良になっている人々の数)のために、手軽に参加できる取り組みがあります。それが、すでに8年目を迎えるプロジェクト「おにぎりアクション」。今年も10月6日からスタートします。

2021年の投稿写真より。
「おにぎりアクション」は日本を代表する食べもの「おにぎり」がシンボル。参加する方法はとっても簡単です。「おにぎり」の写真に#OnigiriActionを付けて、Facebookや Instagram、TwitterなどのSNSまたは「おにぎりアション」の特設サイトに投稿するだけでOK。
「おにぎりアクション2022」をサポートする、過去最高の35にも及ぶ企業や自治体が、1枚の写真投稿につき100円を寄付。その寄付金がTFT(特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International)を通じて、アフリカやアジアの子どもたちに給食として届けられるのです。100円は給食5食分に相当するそうですよ。私たちが「おにぎり」の写真を投稿するだけで、子どもたちに給食をプレゼントできるだなんて!
10月16日は「世界食料デー」

2021年の投稿写真より。
2021年までの7年間で、「おにぎりアクション」には累計約125万枚の写真が投稿されたそう。通算で約680万食の給食を飢餓で苦しむ子供たちに届けることが叶ったわけです。
10月16日は国連が定めた世界食料デー(World Food Day)。世界中の人が食べ物や食料問題について考える日です。この日を含めた1ヵ月間にわたって、今年も「おにぎりアクション2022」が実施されます。期間は2022年10月6日(木)~11月6日(日)まで。特設サイトは9月1日から開設されています。ぜひ興味を持った方はチェックしてください。
食料問題の解決に臨むTFTの取り組み
「おにぎりアクション」を立ち上げたのは、日本発の特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International(通称TFT)。“TABLE FOR TWO”は直訳すると「二人のための食卓」という意味。“先進国の私達と開発途上国の子どもたちが食事を分かち合う”というコンセプトのもと、世界の食料問題の解決に向けて活動を行っています。
今回ご紹介した「おにぎり」アクション以外にも、社員食堂や店舗でTFTヘルシーメニューを購入すると、代金の内20円が寄付となり飢えに苦しむ世界の子供に給食1食分をプレゼントするといった取り組みも行っているそう。これまでに、企業や官公庁、大学、病院など約700団体が参加。東アフリカと東南アジアの5ヵ国(ケニア 、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ、フィリピン)を中心に、学校給食の提供、そして菜園・生産性向上プログラムと幅広い支援を実施。累計支援給食数は9,000万食にものぼるのだとか。そのほか、食料問題の本質に迫る取り組みとして、自分たちの手で野菜を育てる「TFTファーム」(千葉県市川市)を立ち上げるなど、その活動は広がっています。
昨年、2021年の「おにぎりアクション」にはおおよそ1日平均8,500枚の投稿があったそう。米消費量に換算すると推定59トンにも! たくさんの人が世界の食料問題を身近に考え、そして米食を見直すきっかけになったといえそうです。おにぎり1つから始められるワールドワイドなアクションに、あなたもぜひ参加してみませんか?
おにぎりアクション2022
https://onigiri-action.com/
特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International
https://jp.tablefor2.org/
ウクライナの子どもたちにテディベアを届ける!スタージュエリーのエシカルアクション
日々危険にさらされ、不安のなかにいるウクライナの人々、そして幼い子どもたちのことを考える胸が痛みます。平和への願いを込めて、ウクライナの子どもたちにテディベアを届けたいーー「スタージュエリー」の取り組みをご紹介します。
ウクライナカラーのテディベアに想いを込めて
スタージュエリーが長年続けているプロジェクトの一つ、クリスマスチャリティ 「 BEAR FOR PEACE 」。対象商品の売上金額から20%をユニセフに寄付し、子どもたちのサポートに役立ててもらうというこのプロジェクトは、クリスマスシーズンにあわせて継続的に実施されてきました。
今回発表されたプロジェクト「BEAR FOR PEACE – STAND WITH UKRAINE –」も、根底にある想いは同じです。平和のシンボルであるテディベアをウクライナカラーで制作、スタージュエリーの社員全員による手書きのメッセージカードを添えてウクライナへと送る準備を進めているそう。
胸に大きなハートを抱いた可愛らしいベアは、1000体制作され、そのうち800 体がウクライナの慈善団体「TVOYA OPORA」を通して子どもたちに贈られます。このテディベアたちを確実にウクライナへ届けるために、ポーランドでウクライナへの支援を続けている「HELP UKRAINE CENTER」の協力も得て、10 月中の現地到着を計画しているそう。現地の状況次第で到着の時期は変動する可能性があるそうですが、早く子どもたちがこのテディベアを抱きしめることができますように・・・と願わずにはいられません。
そして、ウクライナから日本に避難している家族、子どもたちの存在も忘れてはいけません。スタージュエリーは、地元である横浜で暮らし始めた子どもたちにもテディベア 50体を贈る計画を発表。こちらは「横浜市国際交流協会( YOKE)」の協力を得て、今秋に実施される予定です。
プロジェクトの支援をクラウドファンディングで募集中
「BEAR FOR PEACE – STAND WITH UKRAINE –」プロジェクトの実現にあたって、ただ今、賛同者からの支援金をクラウドファンディングにて募っています。
集まった支援金は、オリジナルテディベアの制作費・輸送費などに、そしてウクライナ国内および周辺国に避難している子どもたちと家族を守るユニセフの活動を支える『ユニセフ ウクライナ緊急募金』への寄付に充てられます。
目標額を300万円に設定し、一口¥20,000、¥10,000、¥5,000で受け付け中。¥20,000を選択した先着150名に、ウクライナの子どもたちに贈るテディベアと同じアイテム(非売品)が返礼品として届きます。
※このプロジェクトはAll-in方式で実施され、目標金額に満たない場合も計画を実行し、支援協力された方にリターンが届きます。

「Bear For Peace」プロジェクトの歴代のテディベアたち。
1993年からユニセフへの支援活動をスタートしたスタージュエリー。今日に至るまで、さまざまな形でエシカルアクションを続けています。最新のプロジェクト「BEAR FOR PEACE – STAND WITH UKRAINE –」のクラウドファンディング募集期間は10月10日まで。支援の輪が広がりますように!
スタージュエリー公式サイト内特設ページ
https://www.star-jewelry.com/sj-StandWithUkraine.html
「BEAR FOR PEACE – STAND WITH UKRAINE –」クラウドファンディングページ
https://camp-fire.jp/projects/view/614580
美しさのその先へ。ukaが伝えたい世界観【トップネイリスト渡邉季穂のIt’s My Story】
よい香りに包まれ、爪先を日常的にケアする。そんな画期的なネイルオイルを生み出し、次々とみんながときめくビューティアイテムを世に送りだしているuka(ウカ)。そんな唯一無二のブランドを率い、みずからもネイリストとして活動する渡邉季穂さんの想いとこだわりとは?
ブルーサージが教えてくれる、サステナブルなワードローブという選択
着なくなってしまった服を捨てるときの罪悪感、きっと誰もが感じているはず。もうモノを無駄にしたくない、だから必要なモノしか要らない。とはいえおしゃれはしたいから、新しい服は欲しい。せっかく買うなら、ずっと長く着ることのできる服がいい。ーーそんな想いを抱えるエシカルピープルに知ってほしいブランドがあります。
地球の未来を見据えた生産背景
2020年11月に誕生した「blueserge(ブルーサージ)」は、SDGsに沿ったモノづくりを掲げて一枚一枚の服づくりに真剣に取り組んでいるブランド。オンラインショップと、定期的に開催するポップアップイベントで、ファンを増やしています。
服自体が持つ魅力はもちろん、その服の背景にあるモノづくりへの真摯な取り組みも知られるようになり、ブランドへの信頼感がさらに支持を高めている様子。
大量廃棄を生む大量生産をストップするために、細やかな工夫とアップデートを重ねているブルーサージのトピックスを幾つかご紹介するとーー。
TOPICS1:ボーダーレスなアイテムづくり
例えば写真のトレンチコート。2サイズで展開していますが、デザインは同じで“女性用” “男性用”の区別はなくジェンダーレス。背の高い女性も、背の低い男性もいますし、背は低いけれどオーバーシルエットで着たい人、彼女と彼とで共有して着たい人・・・ニーズはさまざま。自分が好きなものを選べばいいのです。

ベージュのトレンチコート¥19,910/ブルーサージ 高密度に織られたコットンツイルデッドストック素材で、一年のなかでロングシーズン着用可能です。
ブルーサージには、季節を問わず着られるシーズンレスなアイテム、世代を問わず着られるエイジレスなアイテムも多く、まさにボーダーレス。つまり、ずっと長く、サステナブルに着られる服がそろっています。
TOPICS2:いいものを適正価格で
ブルーサージを手がけているのは、一般社団法人 繊維育英会。2018年に設立された一般社団非営利法人で、「サプライチェーン全体を見直し、持続可能で、環境や社会に配慮した業界に改変していく」ことを目的として活動しています。

SUVIN フーデッドプルオーバー¥20,460/ブルーサージ オールシーズン着回せる、コットン100%のベーシックデザイン。気持ちのいい肌触りは、一度袖を通したらヤミツキに。
そんなミッションを持つ組織のものづくりは、地球環境に配慮した生産プロセスで作られた生地の使用、労働環境の改善に取り組む工場の採用などにもつながっています。そして上質なファブリックと高い縫製技術を駆使して生み出されるアイテムを、可能な限り買いやすいプライスにして消費者に届けるーーというのも、ブランドのこだわり。
TOPICS3:服を買うことが、イイコトにつながっている
ブルーサージの服にも付いている、こちらのタグにご注目。「APPA-WELL-」は、APPAREL(アパレル)とWELLNESS(ウェルネス)を組み合わせた造語で、「繊維・アパレル業界を元気に!」という想いを表現したネーミング。一般社団法人 繊維育英会が取り組むプロジェクト名です。
このタグが付いたアイテムが一枚売れるごとに、その金額の一部が社会的なサポートを必要とする団体や人々の支援金になります。このタグは“基金証明タグ”の役割を果たしていて、プロジェクトに賛同している作り手は商品価格に応じて¥100~500タグを商品に付けることで、プロジェクトに参加していることを伝え、この服を購入することで消費者もこの金額を支援できるのだと知ることができるのです。

ハイカウントツイルギャザースカート¥9,900/ブルーサージ ちなみにこのスカートに付いている「APPA-WELL-」は¥100。デッドストック素材を使用したエシカルアイテムで、独特のハリとツヤがあり、ボリューム感のあるシルエットも魅力。
支援先は、インドのコットン農家や内モンゴルのカシミア農場、日本国内の障がい者の方々への就学・復学・インフラ準備金、貧困や飢餓を無くすための支援金として、などに活用されているそう。タグに記載されたQRコードから、実際の基金の積立額、支援先への支払い証明を繊維育英会のホームページで確認できます。
TOPICS4:服を黒に染めて、新しいプレゼンテーション

スタンダードロングTシャツ各¥6,900、トレンチコート¥19,910/すべてブラックサージ
捨てられた服、売れ残った服・・・その末路は、廃棄処分。日本では、なんと年間33億着もの服が廃棄されているそう。この途方もない数字に、ブルーサージはある方法で立ち向かっています。
適正な生産数を熟考した服づくりをしているブルーサージですが、それでも出てしまう在庫商品。それを“黒に染め直す”ことで、新しい魅力を生み出し、消費者にプレゼンテーションするという挑戦です。
環境に配慮した染料と設備を持つ優秀な染工所とタッグを組み、既存のアイテムにまるでブラックカラーの選択肢がもともともあったかのような自然な仕上がり。手をかけた分、コストもかかっているはずが、プライスは据え置きで設定しているそう。
その名も「blackserge(ブラックサージ)」と名付けられたこのライン。生地を染めるための染料に反応しないステッチ部分が残っているのも逆におしゃれだったり、ヴィンテージっぽさを感じる風合い、味のある染め上がりは、そんなサステナブルの背景も含めてこの服に惹かれる要素に。
TOPICS5:不要になった服を回収して循環させる
ブルーサージでは不要になった服を、ブランドを問わずに回収してリサイクルしています。リサイクルの方法は2つあり、1つは 再生糸にすること、そして2つめはファイバーボードにして店舗什器を作り再利用すること。 上の写真は、ファイバーボードを使ったリサイクル回収ボックスとハンガー。服が原料になっているとは思えない、生まれ変わった新しい姿です。
服を捨てない。服をつくる企業として、服の行く末まで見据えた取り組みを行っているのです。
おしゃれすることが好きな私たち。だからこそ服を大切に、服の未来を考えて、選ぶ、着る、着続けることを楽しむ。ブルーサージの服は、ワードローブにそろえたい、そろえるべきアイテムとは?の答えを、いろいろな形で教えてくれるのです。
子供を想うドーナツ作りを自分たちの手で。ママたちのフードロス救済プロジェクト
食べ残しや売れ残り、消費期限が近いなど、さまざまな理由でまだ食べられる食品が捨てられてしまうフードロス問題。食べ物の廃棄はもったいないだけでなく、地球環境にも悪影響をもたらしています。そんなフードロスを、ドーナツ作りで減らす取り組みをしているママたちがいるのをご存じでしょうか?
手作りの愛情たっぷりドーナツを届けたい
金沢にある工房兼ショップ。ここで日々、手作りされている愛情たっぷりのドーナツ。「体にやさしくて、美味しい手作りのドーナツを子供にたくさん食べさせたい」「子供がうれしい、ママも楽しいアイデアを『ウフフ』『アハハ』と出しあって、子供に食べさせたい」ー-「ウフフドーナチュ」というキュートなネーミングからも、そのドーナツをほおばる子供たちの笑顔が浮かんできます。
ここで働いているのは、全員が主婦。そしてオーナー、パティシエ、スタッフとそのほとんどが子育て中の現役ママさんたちだそう。
共働きの家庭が多くなり、かつてのようにママが手作りのおやつを準備することが難しくなっている昨今。そんななかでも、安心して口にできる美味しい手作りおやつを子供たちに届けたい、ママと子供の豊かな時間を作りたいー-そんな想いが軸になっています。ママ目線でのコンセプトを活かして、保存料無添加で毎日生地から手作り。そして、子育て中でもキャリアを活かして働きたいママたちに向けた、多様な働き方を応援する場所という側面もあります。
ウフフドーナチュが美味しい理由
女性、特にママが働きやすい職場を作りたい!という熱い想いを持つ一人のママが中心となり生まれたウフフドーナチュ。今では、そんな想いに共感するママたちが集まって、毎日たくさんのドーナツを作っています。
ドーナツ作りに使われる材料は農家の新鮮卵や地元産中心の国産野菜など。保存料は無添加です。何よりもママたちが愛情をこめて作っている、まさに自分の子供たちに食べさせたいドーナツ。それはもう、美味しいに違いありません。
フードロス問題もママのアイデアで解決したい!
ウフフドーナチュでは、ドーナツ作りを通してフードロス削減や地産地消にも積極的に取り組んでいるそう。これまでも、捨てられるはずの柚子の皮で作られたピール煮を使ったドーナツ、規格外のさつまいもなどを使ったドーナツを開発してきました。規格外の野菜や果物など、品質に問題はないにも関わらず廃棄されていた食材を積極的に商品化することで、捨てられる運命の野菜を救っているのです。
他にも地元食材を使った期間限定食堂の運営まで! ママたちのアイデアから生まれた『フードロスを減らそうプロジェクト』は、安心安全に暮らせる未来のためにー-そう、すべては子供たちへの愛情が原動力になっています。
軽井沢にも広がる、美味しくて楽しいドーナツの輪

ガラス窓を配して、来店者が工房を覗けるように工夫も。
石川県金沢市に本店を構えるウフフドーナチュが、2021年8月に初の支店としてオープンした『ウフフドーナチュ旧軽井沢』。このたび一周年を迎えました。
実はこの支店、軽井沢に住みながらリモートでウフフで働くスタッフの「私も軽井沢で 美味しいドーナツとママたちの活躍の場所を作りたい」という強い思いから実現したそう。

学校のような楽しい雰囲気のエントランススペース。
一周年を機に、より一層ウフフの世界観と商品を楽しんでもらいたいとショップのリニューアルも行われました。
規格外ケールを有効活用したお食事ドーナツ
フードロス削減に積極的なウフフドーナチュ。軽井沢店でも、ママの感性やスキルを活かしたドーナツを考案していますが、このたび発表された『フードロスを減らそうプロジェクト』第一弾にもご注目。
既定の品種でないために通常の流通には乗らないものの、美味しさや栄養価はまったく変わらないというケールを使った、オリジナルドーナツ!

軽井沢のケールドーナツ 各¥400(軽井沢店店頭価格)
長野県でケール農家を営むママから届いた「販売できないケールを無駄にしたくない」という声。ー-軽井沢店初めてのオリジナルのベジタブルドーナツは、そんな相談から生まれました。
季節限定「軽井沢のケールドーナツ」に使われるケールは、農家が大切に育てた栄養満点のもの。そのケールをドーナツにすることで、たくさんの子供たちの元に届き、フードロスを少しでも減らそうというチャレンジです。農家が手間暇かけて育てた野菜。たくさんの人に美味しく食べてもらいたいですよね。

ケールは、浅間山の麓にある農園「トボリファーム」のもの。こちらの農園では、化学肥料や殺菌剤は極力使わず、納豆菌、乳酸菌、酵母菌を使用することで、野菜にも人にも環境にやさしい農業を行っているそう。
信州の自然豊かな畑で大切に育てられたケール。生地の約25%と、たっぷり練り込まれた「軽井沢のケールドーナツ」は生地に混ぜ込むケールの量など細かい調整を何度も繰り返し、風味と生地がバランスよく味わえる自慢のレシピに。
このやさしいグリーン。もちろん着色料を使っていないので、素材本来の自然な色です。ケールは、緑黄色野菜の王様といわれることもあるほど、高い栄養価で知られる食材。栄養たっぷりのまさにお食事系ドーナツ。おやつにはもちろん、朝食にもぴったりです。
こだわりのドーナツで子供たちに安心安全なおやつを。そして、規格外食材を積極的に使うことでフードロス問題の解決へもアプローチ。ドーナツ作りを通して、みんなが楽しく心地よく暮らせるアクションを起こしているママたちの活躍をご紹介しました。昔も今も、ママの手作りドーナツに込められた想いは同じですね。たくさんの愛情と子供たちを笑顔にするアイデアが詰まっています。
ウフフドーナチュ
https://ufufu-ufufu.com/
ウフフドーナチュ金沢本店
石川県金沢市久安2-463
ウフフドーナチュ旧軽井沢
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢813-1
写真だからできること。ポートレートに託されたメッセージとは?【写真家 宮本直孝のIt’s My Story】
多くの人が行き交う東京・表参道駅のコンコースを舞台に、社会的なメッセージを託した写真展をライフワークとして続けている写真家の宮本直孝さん。
ベネトンの広告シリーズなどで知られる世界的に著名な写真家、オリビエーロ・トスカーニに師事したのち帰国。
一流の写真とは何かーーを追い求めながら、たどり着いた今の想いとは?
圧倒的なパワーを放つポートレート写真を通して、独自の活動を続ける原動力について迫ります。
泣き出す瞬間をとらえた、心揺さぶられる撮影での一コマ
「STOP WAR」と手書きしたボードを掲げて泣き出しそうな表情の女性、平和の象徴である鳩の絵を持ち、静かに怒りを表す人ーー。
去る2022年4月、東京メトロ表参道駅のコンコースで、日本在住のウクライナ人23名のポートレート写真展『STAND WITH UKRAINE』を行った写真家、宮本直孝さん。
観る者の心に強く訴えかけてくる、被写体の内面をも切り取ったような写真に、多くの人が足を止め、目を奪われ、話題となりました。
「これまで何度かオープンスペースで写真展をしてきましたが、撮っていてここまで心が動かされるような体験は初めてでしたね」と語る、宮本さん。
一人の女性のことが特に印象に残っているそう。
「最初は怒った顔をしていたんだけど、『Think about your family』といった途端、泣き出しそうになって懸命に涙をこらえる表情に変わったんです。通常、セッションを通してそのままの姿を切り取ることに徹し、感情移入せず客観的に向き合うのですが、さすがに心を揺さぶられました」
今回は、“デモに行くつもりで自分の思いを表現して”とリクエストし、一人ひとりがそれぞれの想いを抱えて参加。
民族衣装をまとったりプラカードを持ったりと、カメラの前で感情を隠さずに今の気持ちを表現してくれたといいます。
>>感情の起伏が激しい人や少ない人の特徴|上手にコントロールする方法とは
写真展『STAND WITH UKRAINE』より。
大変だったのは人選で、なかなか協力してくれる人が見つからず、知り合いのNGO団体を介してウクライナ大使館につながり、SNSでの募集を経て何とか人数が集まったのが納品の10日前。
「何度かあきらめようと思いましたが、逃げるのは好きじゃない。あと数日頑張れば、と自分を鼓舞して続けました。展示スペースの管理会社から、納品の締め切り前夜にコンプライアンス上の理由で7点ほど展示NGと言われたときは、さすがに心が折れて、中止しようかと迷いました。でも協力してくれたウクライナ人の想いを届けなくては、という使命感もあり、レタッチで修正して何とか開催にこぎつけました。」
何度も立ちはだかった厳しい壁を乗り越え、奇跡的に実現したという舞台裏を教えてくれました。
>>自己肯定感が低い子供の特徴や言動とは|注意すべき親の発言や行動
社会問題に切り込む、オープンスペースで続けてきた数々の写真展
宮本さんの写真展はテーマ選定から、人選、交渉、会場費などの費用も含め、すべて彼が一人で手掛ける自主企画。
ロンドンパラリンピックに合わせ2012年に開催した『ロンドンパラリンピック選手写真展』に始まり、2017年『母の日』(ダウン症の子供とその母親のポートレート)、2019年『いい夫婦の日』(アザやアルビノなど顔や身体に外見でわかる症状を持つ人とパートナーの肖像)、コロナ禍に見舞われた2020年には『医療従事者21名のポートレート展』を開催するなど、これまでも表参道駅構内のオープンスペースで、マイノリティや社会的な問題に切り込む企画を精力的に展開してきました。
その原動力はどこからくるのでしょうか?
「そもそもオープンスペースでの写真展の魅力に気付いたのは、自分のプロモーションとして始めたモデルたちのポートレート写真展『Cover Girls』からなんです」
2010年、スパイラルで行った写真展『Cover Girls』より。
きっかけは、自身のプロモーションでの経験から
写真展『Cover Girls』は、杏さんや山田優さん、SHIHOさんなど32人のカバーガールたちの普段は見せない素顔を切り取ったもので、同時に発売した写真集は売上の全額を国連世界食糧計画(WFP)に寄付するプロジェクトでした。
想定以上の評判となり、多くの人に観てもらったこともあり、それが『WFPチャリティ写真展 Fill the Cup with Hope』にもつながったのだそう。
「ただ、SNSで『きれいなだけじゃん』というつぶやきもあって。モデルではないいわゆる一般の人を素敵に撮ってやろうという気持ちになり、僕自身興味があったパラリンピックの選手に行きつきました」
そこから、メッセージ性を強めた宮本さんスタイルの写真展が出来上がっていったといいます。
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いい写真とは何か?について答えをもらえた、セバスチャン・サルガドの写真集『THE CHILDREN』。
師匠オリビエーロ・トスカーニから受け継いだもの、撮り続ける意味
ミニマルなポートレートでありながら、強烈なメッセージを伝えてくるインパクトある写真。
社会問題の提起は、宮本さんが渡伊し師事した写真家オリビエーロ・トスカーニから受け継いだスピリットを感じます。
「トスカーナの彼の家に住み込み、朝から晩まで一緒の濃厚な日々を過ごしましたが、本当にさまざまな経験をしました」
HIVや人種差別、戦争、死刑制度などの社会問題をテーマにした広告写真を撮り続けていた師匠と行動を共にした日々が、あっと目を引くような発想力や、ゼロから精力的に動く活力の源になっている様子。
そして、ここまで被写体と向き合い、写真展を続けてきた道のりは、宮本さんにとって「一流の写真とは何か?」その答えをずっと探し続けてきた葛藤の時間でもあるのです。
「世界トップ30人の写真家とその下のグループとの違いは何だろう?と、ずっと考えていて。ある日テレビで流れていたセバスチャン・サルガドの写真展の子供の写真を見て気付いたんです。これだ!って」
それは、難民キャンプやスラム街の子供たちのポートレートで、相当につらい経験をしてきた彼らから感じる“知的さ”に目が釘付けになったのだとか。
彼らと向き合い、その内面を覗き、見過ごさず、温かく、真剣に、真摯に。そうしてこそ見えてくる本質であり、真実。
「彼らの奥底にあるその部分を引き出し、すくい取るーー。これがいい写真なんだなと自分のなかで腑に落ちたんです」
>>【自己受容】弱くてダメな自分を認めて受け入れるトレーニング方法
自身が納得できる“一流の写真”を追い求めて、人と向き合いシャッターを切る宮本さん。
「歳を重ねたからか、こんなことやって何の意味があるんだろう、と正直むなしくこともあるんですが、一つだけやりたいテーマがあるんですよ」と教えてくれました。
それは、緩和ケアの患者さんと向き合うこと。
「仕事で知り合った代理店の女性に、死が近い父親を撮ってほしいと頼まれたことがあるんです。やはり苦しい表情をされていて、正直、うーん、撮れたかな、と思って最後に家族のために『笑顔をください』って言ったら、泣き出してしまったんです」
「笑顔をください」が引き金になって、あふれ出した彼の感情。
それは、表面からは見えないところに包み込まれていた、言葉にならない真実。
「コロナ禍でしばらくは難しそうだけど、必ず誰もが通る死というものについて、向き合ってみたい」という想いにつながりました。
「僕のやっていることは、全部思いつきですよ」と笑う宮本さんですが、その行動力は簡単に真似ることはできません。
これからも独自のテーマを見つけ、人と向き合い、その人だけが持つ真実を写真にという形にして人々に伝えていくー-宮本さんのライフワークは続きます。
リアリティのある美しいポートレート写真は、静謐でありながら雄弁。
いつかまた街のどこかで見かけたら、その前で立ち止まり、写真が語りかけてくる真実の物語に、どうぞ耳を澄ませてみてください。
profile
宮本直孝(みやもとなおたか)
写真家。ファッションフォトグラファーを目指し、1990~91年、イタリアの世界的な写真家、オリビエーロ・トスカーニに師事。帰国後、雑誌・広告等で活躍。
2010年スパイラルで開催した写真展『Cover Girls』をきっかけに、オープンスペースでの写真展を企画。
2012年『ロンドンパラリンピック選手写真展』 、2016年『Portraits of Refugees in Japan‐難民はここにいます。』 、2017年『母の日 – I’m a mother of a child with Down syndrome』、2019年『11月22日はいい夫婦の日』、2020年『医療従事者ポートレート』などを表参道のコンコースで開催する。
俳優・小林涼子さんが目指す明るい都市型農業。
サステナブルな食物生産の営みとは?
国内初の屋外型アクアポニックス栽培を行うAGRIKO FARM。俳優の小林涼子さんが生まれ育った東京・桜新町で開園した農福連携ファームです。農業を通して出合った新たな価値観や、今後の展望を聞きました。
いつでもリフレッシュできる癒しの場
魚が泳ぐ水槽の上で野菜が育つ循環型のアクアポニックス栽培。屋外だからこその良さと、栽培の難しさを感じているといいます。

アクアポニックス栽培の循環システム。
「ファームが完成したとき、青空の下、水が流れる音や魚が泳ぐ姿、心地よい風、美しい緑にとても癒されました。アクアポニックス栽培は主に閉鎖型の循環環境で行われるものなので、屋外で取り組むと一筋縄ではいきません。それでも自分が生まれ育った東京、世田谷区でファームを開園したかったこと、水族館であり植物園でもあるようなアクアポニックス栽培を行うこの場所を都会のオアシスにしたいという思いを優先しました」