リトリートとは?目的、方法、注意点を解説
私たちが生きている現代社会は、誰しもがしっかりと休息をとり、身体だけでなく心にも寄り添ってあげなければなりません。
常に忙しく目まぐるしい毎日を送っていると、徐々に疲労が溜まり、完全に回復できなくなってしまうでしょう。
そんな忙しい毎日を生きるすべての人に見てほしいのが、近年話題となっている「リトリート」です。
今回はそんなリトリートの意味や目的に加え、行うことでどんな利点があるのか詳しく見ていきましょう。
実際にリトリートを行うときの注意点についても確認し、正しく効果を得られるよう工夫してみてください。
Contents
リトリートの意味
日々忙しい毎日を送っている現代人の中には、当日溜まった疲れをその日中に癒せず、疲労を抱えながら頑張っている人もたくさんいます。
出勤日に頑張りすぎてしまうと、休日にいざ好きなことをやろうと思っても、なかなか重い腰が上がらないのではないでしょうか。
そんな現代人に必須ともいえるのが、今回ご紹介する「リトリート」。
「Retreat(退却)」、あるいは「Retreatment(再治療)」という単語から来ており、普段の毎日から一度退却して身体と心を癒そうといった取り組みです。
「そんなことをする時間があったら仕事をしたい」など、タスクに追われて休むことを考えられなくなっている方も少なくないでしょう。
しかし、リトリートをしないままどれだけ頑張っていても、疲れによってパフォーマンスが低下し、より良い仕事ができません。
脳・身体・精神の全てが適宜休息をとることこそ、効率的な仕事ができるようになるのです。
そんなリトリート、実は「これをするべき」といった具体的な行動が決まっているわけではありません。
ひとたび日常から離れ、深くリラックスできることならば、どんなことでもチャレンジできます。
今回ご紹介するのは、数あるリトリートの中でも比較的メジャーであり、誰しもが挑戦しやすい方法です。
自分が深くリラックスできる方法を見つけるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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リトリートの目的
これまでメンタルヘルス分野で重視されてきた「Rest・Relaxation・Recreation」の3つにリトリートが加わったことで、より一人ひとり異なる状況に対応し、全ての人が過ごしやすいよう変化しました。
- Rest(レスト):休息|身体や心を休め、疲れを癒す
- Relaxation(リラクゼーション):くつろぎ|のんびりとした時間の中、穏やかな気持ちで過ごす
- Recreation(レクレーション):余暇活動|疲労を癒すために気晴らしとして行う娯楽
- Retreatment(リトリートメント):再治療|普段と違う環境に身を置き心からリラックスする
これらは精神学上でも重要な行いとされ、働き盛りの世代はもちろん、全ての世代が定期的に取り入れるべきだとされています。
周りが見えないほど仕事に没頭しなければならなかったり、家事や育児に追われて少しずつ疲れや鬱憤が溜まってしまったりする前に、上記3つのRに加えてリトリートの考えも取り入れてみてはいかがでしょうか。
ストレス解消とリラックス
リトリートで得られる効果のうち、もっとも大きなものに「ストレス解消」があります。
私たちが抱えているストレスの内容はさまざまですが、大切なのはストレス源から一度距離を置き、余裕をもって対応することです。
人間関係であったり、忙しすぎる仕事内容であったりと、どんなストレスであっても対面し続けていては解決に至らないでしょう。
リトリートで日々の喧騒から離れ、ストレス源のことを考えずにゆったりとした気持ちで過ごすと、頭の中が整理され物事を正しく判断できるようになります。
心には十分なキャパシティが生まれ、ゆとりをもってストレス源と向き合えるでしょう。
自己成長
リトリートでゆったりとした時間を過ごしていると、頭はスッキリと冴え、さまざまな物事について深く考えられるようになります。
自分を取り巻く環境を見直すのはもちろん、自分自身の行いについても考えを巡らせ、より良い自分を目指せるでしょう。
改めるべき短所だけでなく、伸ばすべき長所についても考えることで、自分を認めながら成長へと繋がります。
心と体の健康促進
リトリートで充実した余暇を過ごすことで、身体的なストレスも解消されやすくなります。
特に頭痛や肩こり・腰痛など慢性化しやすい不調がある方は、悪化する前に休養をとり、身体を労わる時間を設けることが大切です。
さらにはストレスが溜まった状態を長く続けることで、精神的な不調を訴える方も少なくありません。
うつ病などで外出が難しくなる方もいれば、適応障害やパニック障害などストレスが身体の不調となって現れる方、原因が分かりにくいのが難点である自律神経失調症に悩まされる方などさまざまなケースが考えられます。
リトリートではこういった身体・精神の両方をケアし、さまざまな不調を防ぐためにも有効だとされています。
生活している環境によっては定期的にリトリートを行い、健康な身体を目指すことが大切です。
人間関係の改善
私たち人間が相手と良好な関係を築けるのは、適切なコミュニケーションと相手への思いやりがあるためです。
どんなに親しい間柄であっても、横柄な態度で接していれば心を開いてもらえなくなるでしょう。
こういった人間関係を円滑に進めるためにも、定期的なリトリートが必要だといえます。
自分の考えを整理し心に余裕を作ることで、相手のことを考えるスペースが生まれ、正しく評価ができるでしょう。
余裕のなさから生まれるすれ違いが減れば、今まで以上に相手の良さにも気が付きやすくなるはずです。
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リトリートのメリット
上記で挙げたさまざまな目的を元に行われるリトリートですが、1人で行う場合は誰にも邪魔されることなく、自由な時間を思い切り楽しめるのがメリットといえます。
周りに気を遣う必要がないため、ポジティブなことはもちろん、ネガティブなことについても納得いくまで考えられるでしょう。
普段は文句を言えない相手であっても、リトリート中ならば思う存分嫌だったことを思い返し、今後の対策を練ることも可能です。
また、リトリートは必ず一人でやらなければならないわけではありません。
気の置ける友人や家族、同じ環境に身を置く人たちと一緒にリトリートを行い、問題解決に向けてゆっくりと考えてみるのもおすすめです。
普段過ごしている中ではなかなか伝えられないことも、環境が変わると言い出しやすくなることもあるでしょう。
リトリートの選び方のポイント
リトリートにはさまざまな方法があり、自分が無理なくできるものを選ぶ必要があります。
まずは代表的なリトリート方法を参考に、やりやすいものから試してみると良いでしょう。
ヨガ
ヨガは体幹を鍛えて適度な柔軟を行うことで、凝り固まった身体をほぐす効果が期待できます。
ヨガをしている最中は深くリラックスした状態となるため、余計なことを考えたくない方や、身体を動かすことに集中したい方にもおすすめです。
また、デスクワークをしている方などは特に、日頃汗をかく機会が少なく運動不足に陥っている場合があります。
激しい運動を集中的に頑張るのではなく、ヨガのように長く続けやすいものを選ぶことで、運動を習慣化し健康的な身体を目指すことにも繋がります。
デジタルデトックス
デジタルデトックスとは、一定期間インターネットを遮断するリトリート方法です。
スマートフォンやPCなどを見ていると、さまざまな情報が頭に入ってくるため、脳が疲れやすいのが特徴です。
さらには画面が発するブルーライトによって、ドライアイや眼精疲労が進む点にも注意しなければなりません。
暇さえあれば電子機器を触ってしまうという方は、1日1時間から無理のない程度でデジタルデトックスを始めてみましょう。
ぼんやりと過ごすも良し、紙の本を手に取って活字に触れてみるも良し、スマートフォンに触れないこと以外は何をしても大丈夫です。
数あるリトリート方法の中でも自宅で簡単にできるため、旅行に行っている時間がない方や、今すぐに始めてみたい方にもおすすめです。
温泉
温泉は自宅の湯船とは異なり、素敵な風景とさまざまな効能を楽しめる点が魅力です。
名湯といわれる温泉を巡るのはもちろん、隠れた秘湯を訪れてみるのもおすすめです。
親しい間柄の友達や家族と共に、温泉旅行を計画してみても良いでしょう。
単なる温泉旅行と異なるのは、温泉以外の予定を詰め込み過ぎず、あくまでもリラックスできる旅にする必要がある点です。
ついあれもこれもと行きたくなってしまいますが、緻密なスケジュールを立てるのはやめ、現地で目についたものを楽しむ程度に留めましょう。
肩の力を抜いて旅を楽しめば、普段目に留まらない現地の魅力に気が付けるかもしれません。
森林浴
森林のもたらすリラックス効果は、緑の少ない土地で暮らす人々にとってかけがえのないものです。
山に近い場所に住んでいても、木々の中でゆっくりと過ごす毎日を送っている方は少ないでしょう。
特別な持ち物も必要なく、単に木で囲まれた場所を訪れるだけでも、心がスッと鎮まるのを感じられるはずです。
森林浴がなぜ良いのかというと、木から発生している「フィトンチッド」という成分により、血圧が下がったり自律神経のバランスが整ったりするためです。
森林浴をした日の夜は、普段よりも眠りにつきやすく、良質な睡眠をとれるでしょう。
リトリートの注意点
さまざまな利点のあるリトリートですが、行う際はいくつかの注意点を抑えておく必要があります。
第一に、リトリートは無理なく続けることが大切です。ストレスが溜まって疲れを感じているからといって、「やらなければ」と自分を追い込むのはNGです。
忙しい毎日の中で旅行の時間を確保するために無理をしてしまい、結果として身体を壊してしまっては元も子もありません。
また、リトリートを行っている最中は、ストレス源について冷静に考えられる状態がベストです。
考えを巡らせているうちに気持ちが焦り、よりストレスが発生してしまっては意味がありません。
「リトリートに来ているのだからなるべく早く問題を解決しなければ」と考えるよりも、「束の間の休息だから何か楽しいことを考えよう」と、気楽な気持ちでチャレンジすることをおすすめします。
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まとめ
日々頑張っているすべての人へ、定期的に試してほしいリトリート。
手軽にデジタルデトックスを行ってみたり、思い切って遠方へ行って静養してみたりと、自分に合った方法を見つけましょう。
電池で動くおもちゃは定期的に電池の交換が必要であり、充電式の家電は使った分だけ電気を貯め込まなければ動きません。
人間も明日を頑張るため、適度な休息をとりながら生活することが大切です。