リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説
地球温暖化など様々な環境破壊が進んでいる現代では、私たち一人ひとりが環境へ意識を向け、できることをしていかなければなりません。
中でも「3R」や「5R」などの考え方を抑えておくと、子どもから大人まで多くの方が分かりやすく環境問題に取り組めるでしょう。
今回はその中でも詳しく意味を知らない方も多い「Refuse(リフューズ)」について、意味や具体例を挙げながらご紹介します。
リフューズの考え方をスムーズに取り入れるために、自身の生活をイメージしながらチェックしていきましょう。
Contents
リフューズ(Refuse)とは?意味と基本的な考え方
「Refuse(リフューズ)」という単語は、直訳すると「拒否する」といった意味になります。
環境問題におけるリフューズは、そもそもゴミになるようなものを購入したり受け取ったりせず、家の中に不要なものを持ち込まないといった意味を持ちます。
捨てるかどうか悩むのではなく、そもそもゴミになるものが少ないため、家の中を綺麗に保ちやすいといったメリットがあります。
そもそもリフューズを含む「5R」と呼ばれる考え方は、それぞれの方法を用いてゴミを減らすためのものです。
燃やせるゴミは燃やす際に出る温室効果ガスが地球温暖化を促進してしまうことが問題視されており、燃やせないゴミは埋立地の不足や土壌の汚染などがリスクとして挙げられます。
リフューズの考え方を生活に取り入れることで、これらのゴミ問題を軽減し、長い目で見れば地球を守ることに繋がるでしょう。
リフューズ(Refuse)以外の5Rとは
最初はリデュース・リユース・リサイクルの頭文字をとって「3R」と呼ばれていた環境問題における行動指針ですが、近年は先ほど触れたリフューズに加え、リペアを追加した「5R」が最適だといわれています。
企業や団体が取り入れるのはもちろん、私たち個人が積極的に行動しなければ、地球全体の環境を変えることはできないでしょう。
5Rそれぞれの意味と行動を知り、意識せずともできるよう工夫してみてはいかがでしょうか。
リデュース(Reduce)
「Reduce(リデュース)」とは、ゴミの量を減らして地球環境を守るための考え方です。
ゴミになるものを買ったりもらったりしない、といった意味のリフューズと似ていますが、リデュースは無駄なものを買うのを控えるだけでなく、今あるものを限りあるまで使ったり、同じものを買う場合でもゴミが出ないように工夫したりといった考え方も含まれます。
例えば、新しいコスメが出るとついすぐに購入してしまい、まだ使えるはずだった古いコスメがゴミになってしまうこともあるのではないでしょうか。
流行に左右されず今あるものを使いきってから新しい製品を購入することも、立派なリデュースの取り組みです。
また、私たちの身の回りには常に食べ物が溢れているため、つい食べられる分以上の食材を購入して腐らせてしまったり、食べきれなかった分を生ゴミとして出してしまったりしがちです。
買い物の際は必要なものをメモに書いてから行ったり、食材を小分けにして冷凍することで作りすぎを防いだりと、リデュースの考え方を取り入れてみると良いでしょう。
リユース(Reuse)
「Reuse(リユース)」とは、今あるものを寿命が来るまで長く使うことで、結果としてゴミを減らすといった考え方です。
リデュースの際に触れた内容と一部重複する部分がありますが、不要になったものをすぐに捨てるのではなくフリマアプリに出品してみたり、汚れを拭き取るためにティッシュペーパーではなく布巾を使ったりする行動も当てはまります。
やむを得ずものを購入する際は、繰り返し使える寿命の長いものを選び、愛着が湧くまで大切に使いましょう。
近年はリユースショップも多数登場しており、不要なものを売るだけでなく、その中でまだ使えそうなものを購入しながら過ごすこともできます。
特に衣類や食器などは不用品として売られていることも多いため、新品を購入する前に一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
リサイクル(Recycle)
5Rの中でもひときわ有名であり、子どもから大人まで多くの方が耳にしたことがあるであろう「Recycle(リサイクル」。
不要になったものを粉砕して別のものとして生まれ変わらせたり、ゴミを燃やす過程で出る熱を動力に発電したりといった行動が当てはまります。
ペットボトルや空き缶・空きビンなど、資源ゴミとして回収されるものはいずれも新たな姿に生まれ変わるために集められているのです。
私たちが出すゴミは燃えるゴミ・プラスチックゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミなどに分けられていますが、これらは全て行き先が異なるため、しっかりと分別しなければなりません。
プラスチックゴミや資源ゴミに異なるものが含まれていると、正しくリサイクルができなくなるほか、機械の破損や事故に繋がる可能性もあります。
リペア(Repair)
5Rの最後として挙げられる「Repair(リペア)」は、壊れてしまったものや古くなったものを修繕しながら、なるべく長く使う行動を指します。
元々の価格が安価であればあるほど、私たちは修繕よりも買い直しを選んでしまいがちです。
新しいものが手軽に手に入る環境であれば、使用する上で問題がないものでも、ゴミ箱行きとなってしまうことが多いでしょう。
例えば、シミができてしまった洋服がある場合は、無事な部分を切り取って別の衣類へと生まれ変わらせてみるのはいかがでしょうか。
専門のリペア職人がいる製品であれば良いですが、接着剤などを使って自力で直せるものもたくさんあります。
自分で直しながら使うことで愛着が湧きやすくなり、長年一つのものを大切に使うことに繋がります。
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リフューズ(Refuse)は断ること!断るためにできること
環境を守るために必要となる5Rの活動指針の中で、もっともスタートに適しているのがリフューズです。
「ゴミを減らす」という目的において、ゴミとなる可能性の高いものを手に取らず、「捨てる」という行為を減らすことができるでしょう。
まずはリフューズについてなかなかイメージができない方のために、具体的にできる対策を3種類ピックアップしてご紹介します。
1.必要のないものをもらわない・買わない
リフューズの考え方を生活に活かす際は、第一に「ものを増やさない」ことが大切です。
家族や友人などから使わなくなったものをもらう機会の多い方や、つい不要なものまで衝動買いしてしまう方は特に注意しましょう。
家に持ち込むものの数を減らすことで、結果としてゴミの数を減らすことに繋がります。
2.マイボトルを持ち歩く
気温の上がりやすい夏場はもちろん、冬であっても水分補給は欠かせません。
中には毎日のように使い捨て容器の飲料を購入している方も多いのではないでしょうか。
1年間毎日購入すると単純計算で365杯分のゴミが出ることとなります。
たった1人分のゴミだとはいえ、365個もの容器が積み重なっているのを想像すると、思ったよりも多いと感じるはずです。
リフューズの考え方を取り入れる際は、日々の水分補給をマイボトルに変え、1日に出るゴミを減らすことも大切です。
家でお茶を入れていくのはもちろん、コーヒーショップでドリンクをオーダーしても良いでしょう。
中にはマイボトルを持参するとポイントが貯まったり、数%引きになるなどのキャンペーンをやっていたりするショップも見られます。
3.マイバッグの持参
普段スーパーなどで買い物をする際、レジ袋の購入を断ってマイバッグへ入れるようになったという方も多いのではないでしょうか。
日本では2020年7月よりレジ袋が有料化され、プラスチック製品の削減に向けて大きな一歩を踏み出しました。
1枚あたり数円の費用が加算されるため、マイバッグを使うことで単純な節約にもなるでしょう。
近年は優れたマイバッグが多数登場しており、ワンタッチで畳めるものや抗菌作用のあるもの・買い物カゴに装着できるものなど様々な製品が見られます。
コンビニ用・スーパー用など、用途によって複数のマイバッグを用意しておくのもおすすめです。
リフューズ(Refuse)のメリット
従来の3Rに追加される形となったリフューズですが、まだまだ広く知れ渡っているとはいえません。
リフューズの考えを生活に活かすとどんなメリットがあるのか、メインとなる2つの点に絞ってご紹介します。
1.ごみの削減
私たちの生活は常に新たなものを入手し、使用してからゴミに出すといった繰り返しで成り立っています。
ものの種類によって、長く使えたり一瞬でゴミになったりと様々な運命を辿りますが、行きつく先はほぼ全てがゴミとなるでしょう。
リフューズの考え方を取り入れることで、使用する→ゴミになるといった繰り返しに加わるものの数が減り、結果としてゴミの削減に繋がります。
家の中がものでいっぱいになることがなく、整理整頓がしやすいのもメリットといえるでしょう。
近年話題の「ミニマリスト」なども、生活に必要なものを見極め、最低限のもので暮らすというリフューズを実現しているといえます。
2.節約につながる
リフューズは「人から不要なものをもらわない」といった行動だけでなく、自分で不要なものを購入しないといった意味も含んでいます。
買い物に出かける際は購入品リストを作るなど、目についたものをカゴに入れてしまわないように注意すると良いでしょう。
不要なものを購入することが減れば、余計な出費を抑えられ、家計の助けになるのもメリットの一つです。
近年は物価の高騰が留まるところを知らず、一般家庭にも大きな打撃となっています。
特に家計の多くを占める食費や日用品費を少しでも節約すべく、家族みんなでリフューズの考えを心に留めてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
地球全体のことだと広く考えるのではなく、私たち一人ひとりが意識をして変えていかなければならない環境問題。
近年5Rに加わった「リフューズ」もまた、私たちが長く地球で暮らすために必要な考え方だといえます。
無意識のうちに5Rの考えを生活に活かせるようになるためにも、まずはリフューズから意識していきましょう。