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2022.09.15 秋を豊かにする草木染のススメ【現代美術家 山本愛子 / 植物と私が語るときvol.4】

エシカル情報山本愛子自分を高める

染色を中心に自然素材や廃材を使い、ものの持つ土着性や記憶の在り処をテーマとした作品を制作する現代美術家、山本愛子さんの連載 。第4回目は草木染の研究にいそしむ山本さんが、秋がいっそう楽しくなる季節の草木染をご紹介。


実り多き秋の楽しみ

まだ蒸し暑さが残りますが、風が涼しくなってきましたね。秋生まれだからか、四季のなかで秋が1番好きです。考えごとも、染色の制作も、一年のなかで1番よくはかどります。涼しくて快適なこれからの季節はじっくりと物事を考えたり、ものづくりをはじめてみるには絶好の季節。今回はそんな「芸術の秋」にぴったりな草木染の世界を、私の活動のなかから3つご紹介したいと思います。


1.キンモクセイ染め

秋の香りといえばキンモクセイ。キンモクセイには、昔から体内の酸化を防ぐ抗酸化作用があると言われ、食用花として愛されてきました。香りや食、薬用で重宝されているキンモクセイ、実は草木染めでも美しい色に染まります。

こちらは街の公園で剪定されたキンモクセイの葉っぱを区役所からいただいて、染色ワークショップをしたときの様子です。葉っぱを細かくちぎって、鍋でクツクツと煮込み、染料液をつくります。

キンモクセイの色素がたっぷりの染料液に布を入れて、30分ほど煮込みます。

参加者それぞれが持ち寄った古着などが、金木犀の花のように輝かしい黄色が染まりました! 剪定されて通常は捨てられてしまう枝葉が、染色を通して生活を彩ってくれるのです。

もしもご自身の街で捨てられてしまう植物を見かけたら「それください!」と言って草木染めに挑戦してみてはいかがでしょうか。私はよくそうやって植物をゲットしています(笑)!


2.タマネギ染め

涼しくなってきて、鍋やスープ料理の出番が増えてきます。家庭でよく使うタマネギの皮をコツコツためると、草木染が楽しめることをご存知でしょうか。

こちらの写真はタマネギの皮で染めたウールのマフラーです。草木染は動物繊維によく染まる性質を持っているので、ウールやシルクなどはとてもよく染まります。初心者の方は特にシルクが染めやすくてオススメです。


3.庭木をいろいろ染めてみる

庭や近所の植物で草木染をしてみたいと考えたことはあるでしょうか? どんな植物にも色素はあるので、庭木を剪定して草木染を楽しむことができます。
先日とある方から「大切な実家を手放すことになったので、引っ越す前に思い出の庭木で草木染をしたい」というご相談を受け、引っ越し直前のご自宅に伺うという機会がありました。

庭の枝をカットする様子。引っ越し直前なので段ボールがたくさん。(c)Yusuke Ono

記念樹として植えたキンモクセイ、家主の方が大好きなバラなど、思い出の詰まった植物を選んで草木染に挑戦。

煮込んでいる様子。(c)Yusuke Ono

モミジ、バラ、サクラ、ウメ、キンモクセイ・・・思い出がたくさん詰まった植物を煮込んで染めていきます。

染まった布で生まれたカーテン。(c)Yusuke Ono

最終的にはこんなに美しいカーテンが完成! 新居の窓のために染めた布をパッチワークしました。手放すことになった家の庭の草木が、新居を彩ってくれました。お引っ越しで庭は持っていけないけど、庭の思い出を見える形で持っていくことができたと喜んでくれました。


キンモクセイのふとした香りのように。キッチンで生まれるタマネギの皮のように。窓の外のお庭のように。草木染は人にとって身近なものだと私は思っています。これを読んでくれたあなたが、少しでも草木染って面白いなと思ってくれて、植物を見つめる視点がちょっと増えて、この秋をより味わえますように。

Profile
山本愛子
(やまもとあいこ)
現代美術家。1991年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院先端芸術表現科修了。平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員として中国で研修。国内外のレジデンスや展覧会に参加。自身が畑で育てた植物や、国内外から収集した植物を用いて染料をつくり、土着性や記憶の在り処を主題とした作品を制作している。主な展示に2021年「Under 35 2021」BankART KAIKO(横浜)、2019年「Pathos of Things」宝蔵巌国際芸術村(台北)、「交叉域」蘇州金鶏湖美術館(蘇州)など。
https://www.aikoyamamoto.net/
Instagram @aiko.yamamoto_


PHOTO = 山本愛子
TEXT = 山本愛子

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