女性は一人暮らしのほうが幸せ?結婚・同棲に縛られない生き方とは
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女性は一人で暮らすほうが幸せって本当?
「結婚した方がいいのは男性。でも女性は無理にする必要はない」――こんな言葉を残したのは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの行動科学教授であり、『Happy Ever After』の著者、ポール・ドラン氏です。
彼が引用する調査によると、未婚・既婚・離婚・死別などさまざまな人を比較した結果、もっとも幸福度が高かったのは「未婚で子どものいない女性」でした。
結婚や同棲にはもちろんメリットもあります。経済的な安心感や孤独の軽減などがその一例です。ですが同時に、自由や心の安らぎを制限してしまう可能性もあります。たとえばベッドの真ん中で気兼ねなく眠ること、自分の健康や趣味に十分な時間を使うこと――これらは「一人だからこそできる幸せ」なのです。
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なぜ一人暮らしの女性は幸せで健康でいられるのか?
テキサス州の心理学者キンバー・シェルトン博士は、「家事・育児の負担」を理由に挙げます。
彼女によれば、女性は外で働いていても、男性よりも家事や子育てを多く担い続けているとのこと。仕事を終えた後に料理・掃除・子どもの世話、さらにパートナーのケアまでこなす生活では、自分を労わる時間がほとんど残りません。
その結果、男性は結婚することで健康に長生きする一方、既婚女性は独身女性よりも寿命が短く、幸福度も低いという研究結果があるほどです。
つまり「自分の時間や空間を持てること」が、女性の健康や幸福に直結しているのです。
女性は一度は一人暮らしを経験すべき?
インドで行われた研究では、50〜65歳の中流上層階級の女性たちが一人暮らしをする中で、孤独の中にある自己実現や充実感を見いだしたと報告されています。
社会学者ベラ・デパオロ氏も、著書『Single at Heart』で「独身の喜び」について語り、一人暮らしを楽しむ人の強みとして以下を挙げています。
- 好きなことをひとりで楽しめる
- 他者とのつながりを保てる
- 孤独を「脅威」ではなく「回復の時間」として受け止められる
孤独と聞くとネガティブに思う人もいるかもしれませんが、博士は「lonely(孤独)」と「alone(独り)」は違うと指摘します。新しい趣味や旅行、運動、読書などを通じて、一人時間を楽しむ方法はいくらでもあるのです。
結婚・交際中でも「ひとりで暮らす」は可能?
「結婚しているから」「同棲しているから」一人暮らしができないわけではありません。
カップルでも、家を分けて住む・自宅を区切って別スペースを持つといった工夫で、自分の生活空間と役割を切り離すことができます。あるいは長期の一人旅も、自分のニーズや思考に向き合う方法のひとつです。
ただし、この選択には罪悪感が伴うこともあります。シェルトン博士はこう語ります。
「大事なのは住まいの形ではなく、信頼とコミュニケーション。お互いに合意して信頼を持てるなら、別々に暮らすことは関係を弱めるのではなく、むしろ強めることになります。」
一人暮らしを始めるときの実践ステップ
一人暮らしは、社会的な期待や慣習に逆らう部分があるため、最初は不安や葛藤を感じるかもしれません。そこで役立つステップを紹介します。
- 罪悪感を手放す:その感情の正体が「世間の常識」か「他人の期待」から来ていないかを見直す
- 意思を明確にする:独身や一人暮らしを望むなら、パートナーや相手に誠実に伝える
- サポートを得る:同じ価値観を持つ人や友人と時間を過ごし、孤独ではなく連帯感を感じる
- 専門家に相談する:必要に応じてセラピーを受け、自分の選択に安心感を持てるようにする
まとめ:一人暮らしは「わがまま」ではなく自己保存の選択
一人暮らしを選ぶ女性は、古い「結婚すべき」という価値観から離れ、自分の幸せを自分で選んでいます。
それは時に「わがまま」と呼ばれるかもしれませんが、実際には自分を守るための大切な自己保存のかたちです。
一人の時間を大切にできることは、孤独ではなく自由。
「女性は一人暮らしで幸せになれるのか?」という問いの答えは――YES。それは、自分を最優先できる幸せな選択なのです。
