毎日がバタバタと過ぎていくなかで、「昔からの友達、元気にしてるかな…」なんてふと考えること、ありませんか?長い年月を経ても変わらず続く絆には、心が温かくなる力があります。
今回ご紹介するアメリカに住むふたりのおばあちゃんは、なんと81年間も、同じ誕生日カードを毎年送りあってきたのです。そんな心あたたまる物語に、きっとあなたも優しい気持ちになれるはずです。
“95歳になったメアリーさんとパットさんは、14歳の誕生日に交わした1枚のカードをきっかけに、81年間ずっと毎年交互に送り合い続けてる。”
学校も別々になり、大人になってからは住む場所も変わったふたりですが、カードのやりとりは決して欠かしませんでした。ある年には郵便事故でカードが行方不明になったものの、パットさんの夫が探し出してくれたほど。これまで世界130か国を旅したというパットさんでも、そのカードだけは手放しませんでした。
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カードの内側には恐竜の骨格が描かれており、ふたりはそこに年号を書き、相手の署名を線で消しては送り返す、という独自のルールを守り続けています。恐竜の骨もそろそろ埋まり、いまではカード本体や封筒の余白にも書き込みをするほどに。
そんな二人の長い長い伝統は、ギネス記録にも認められました。60年の節目には最長記録として認定されましたが、オーストラリアの別のペアが61年を記録してからは、一時的に記録が抜かれてしまいました。そこで昨年11月、ふたりの家族が再びギネスの記録申請をしたそうです。
ただし本人たちは、「名声のためではない」と話します。
「ただ、私たちがずっとやってきたことを、これからも続けているだけなの」とパットさん。
高齢になり移動が難しくなったため、ここ数年は直接会えていないふたりですが、カードは変わらず届き続けています。
「今年も届いたわ、とってもうれしいの」と語るパットさん。メアリーさんも、「私が送れなくなっても、子どもたちが引き継いでくれるはず」と語ります。
時を超えて届くたった一枚のカード。その中に詰まっているのは、人生の変化を超えて続く友情の記録です。
人間関係が移ろいやすい今の時代に、「変わらない何か」があることは、どこか希望になりますね。14歳で始まったふたりのおばあちゃんの心のやりとりは、人生の終わりが近づく今もなお、静かに続いています。
あなたにも、ふと手紙を書きたくなるような相手がいませんか?
参考記事:https://www.cbc.ca/radio/asithappens/best-friends-birthday-card-1.7501500

ライター:プロフィール

著者:堀江知子(ほりえともこ)|香港在住ライター
民放キー局にて、15年以上にわたりアメリカ文化や社会問題についての取材を行ってきた。
2025年からは香港に移住しフリーランスとして活動している。noteやTwitterのSNSや日本メディアを通じて、アフリカの情報や見解を独自の視点から発信中。
出版書籍:『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法 Kindle版』。
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