経験を積んでも自信がつかないのはなぜ?
Contents
女性リーダーが「自信」を取り戻すためにできること
「もっと経験を積めば、自信が持てるようになる」
そう思っていませんか?
「昇進したら」「スキルを身につけたら」「資格を取ったら」
きっと自信がつくはず——そう信じて頑張ってきた人は多いでしょう。
けれど実際には、経験を重ねても、思うように自信が育たないことがあります。
むしろ、経験を積むほど「自分にはまだ足りない」と感じてしまうことさえあるのです。
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「経験=自信」ではない現実
筆者自身も、トレーニングを受け、昇進し、外から見れば順風満帆なキャリアを築いてきました。
それでも心の中には常に「私で大丈夫だろうか」という不安がありました。
同じように、筆者のコーチングやメンタリングに訪れる多くの人も、
豊富なスキルや実績を持ちながら、自信が持てないことに悩んでいます。
特に、女性や有色人種、マイノリティの人々にとって、
「自信がない」と感じることは、個人の問題ではなく構造的な問題でもあります。
職場の“自信格差”が生まれる理由
多くの研究が示すように、職場では依然としてジェンダーや人種による不平等が存在します。
たとえば:
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男性には「特定のスキルにもっと自信を持て」と言われる一方で、
女性には「もっと自信を持ちなさい」と漠然とした助言が多い。 - 女性が積極的に意見を述べると「強すぎる」「でしゃばり」と見られてしまう。
- 昇進や評価が、「実力」ではなく「自信がありそうに見えるか」で決まることもある。
つまり、自信が求められる環境そのものが不公平なのです。
自信を持てないのは「あなたのせい」ではない
「もっと自信を持ちなさい」
「堂々としなさい」
そんな言葉を受け取るたび、私たちは「できない自分」を責めてしまいがちです。
でも、本当に変えるべきなのは“あなた”ではなく、“環境”の方です。
低賃金、不当な昇進格差、偏った評価制度。
こうした構造的な不平等が、私たちの自己肯定感や自信を奪っています。
自信がないのではなく、
自信を育てるための安心な土壌が与えられていないだけなのです。
自信を取り戻すための4つのステップ
① 自分の「見られ方」を知る
パフォーマンスレビューやフィードバックを通して、
他者の視点を知ることは有益です。
もしそれが理不尽な評価なら、それはあなたの問題ではなく、
職場の価値観とあなたの価値観が合っていないというサインかもしれません。
② 自分の限界と優先順位を理解する
どれだけ努力しても、構造的な問題は一人では変えられません。
「自信を持つために何を試したのか」「今どこまでエネルギーを使えるのか」
を整理し、自分を追い詰めない範囲で取り組みましょう。
③ 自分の実績を“見える化”する
自分が今まで成し遂げたことをリストアップしてみましょう。
達成したこと、もらった感謝の言葉、成功体験を記録することで、
落ち込んだときに「できている自分」を思い出す助けになります。
④ サポートネットワークを持つ
メンターやコーチ、応援してくれる仲間とのつながりが、
あなたの「支え」になります。
一人で自信をつけるのではなく、共に育てていくという意識を持ちましょう。
「なりきる」ことで自信を育てるという方法も
筆者自身、かつて「もっと自信を持て」と言われ続けてきました。
そのとき実践したのが、“自信に満ちた自分”を演じること。
たとえば、架空の人物「ジュリア」という自信満々なマネージャーを想定して、
会議中に「ジュリアならどうする?」と自問することで、
徐々に新しい行動や考え方が身についていきました。
やがて“演じていた自信”が“自分の中の自信”へと変わっていったのです。
本当の自信は「行動」と「つながり」から生まれる
自信は理論や本の中では育ちません。
行動し、挑戦し、失敗し、それでも立ち上がる——
その積み重ねが、やがて確かな自信になります。
そして、自信は一人で育てるものではなく、
共感し合える仲間との関係の中で育つもの。
完璧なリーダーではなく、
人として信頼されるリーダーであることを目指して。
あなたの中にすでにある“静かな自信”を、少しずつ育てていきましょう。
この記事をもとに執筆しました:
https://www.lenareinhard.com/articles/the-trouble-with-asking-women-to-be-more-confident-building-confidence-at-work
