ホリデーブルーを防ぐためのポジティブアクション
心が沈みがちな季節に、自分をやさしく守る方法

情報も感情もあふれる季節に
街に灯がともり、人々が集い、笑顔でプレゼントを交換する。
それが本来のホリデーシーズンの姿かもしれません。
けれど現実は、華やかなイルミネーションの光の裏で、心が少し疲れてしまう人もいます。
周囲の「楽しそうな雰囲気」と、自分の中にある孤独感や焦りのギャップ。
これこそが “ホリデーブルー” と呼ばれる現象です。
日本でも最近では「季節性情動障害(SAD)」という言葉が知られるようになりました。
冬の日照時間の短さや生活リズムの乱れにより、気分の落ち込みや不安、無気力を感じやすくなるといわれています。
なぜホリデーブルーになるの?
冬は、朝起きても外がまだ暗く、仕事を終えて外に出てももう日が暮れている…。
そんな日々が続くと、脳内のセロトニン(幸せホルモン)やメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が乱れ、心のバランスを崩しやすくなります。
さらに、ホリデーシーズン特有のプレッシャーも大きな要因です。
- 「どんな服を着よう?」
- 「どんなプレゼントを贈ろう?」
- 「家族とどう過ごそう?」
といった細かなストレスが積み重なり、「楽しむための季節」がいつのまにか「我慢する季節」に変わってしまうのです。
心を整えるポジティブアクション
整理整頓で“見える世界”を整える
頭の中が散らかっているときは、まず“目に見える場所”を整えるのがおすすめです。
クローゼットを整理して、冬に使う服だけを手前に置く。
デスクの上を片づけて、お気に入りのキャンドルを灯す。
環境を整えることで「自分でコントロールできている」という安心感が生まれます。
小さな“お祭り気分”を取り入れる
部屋を少しだけ飾りつけて、好きな音楽を流してみましょう。
完璧である必要はありません。
誰かと比べず、自分のペースで「小さな祝い」を作ることで、孤独感がやわらぎます。
「悲しみ」や「寂しさ」があってもいい。
その感情を否定せず、“楽しさ”と“切なさ”が共にある季節として受け止めることが、心の柔軟さにつながります。

過去を手放し、今を味わう
昔のクリスマスや家族の記憶が胸を締めつけることもあります。
でも、今シーズンは新しい思い出をつくるチャンス。
お気に入りの香りのキャンドルを灯し、日記や感謝ノートを書いたり、
大切な人へ手書きのメッセージカードを送ってみたり。
あるいは、地域のボランティア活動に参加するのもおすすめです。
人を助けるとき、脳内でドーパミン(幸福ホルモン)が分泌され、気分が自然に上向きます。
無理なく人とつながる
仕事が忙しくてつい「予定がないから残業しよう」と思ってしまうとき、
思い切って友人と会う約束を入れてみましょう。
先に約束をしておくことで、人とつながるきっかけになります。
気の合う人と過ごす時間は、ホリデーシーズン最大の癒しです。
屋外に出て、太陽の光を浴びる
冬はどうしても室内にこもりがちですが、
1日15分でも外の光を浴びることで、体内時計と気分が整います。
太陽光は“天然のセラピー”のようなもの。
外の冷たい空気を感じながら歩くだけでも、心の滞りが軽くなります。
生活リズムを保つ
ホリデー中は特別な予定が続き、睡眠や食生活が乱れがち。
しかし、気分の安定には「いつも通りのリズム」が最も大切です。
- 運動を続ける(ウォーキングやストレッチでもOK)
- 睡眠時間を確保する
- 食事やお酒の量を意識的にコントロールする
運動は抗うつ薬と同じようにセロトニンとドーパミンを増やし、
気分を上向かせる効果があるといわれています。
感情をアルコールで紛らわせない
失恋や喪失の記憶が強く浮かぶ季節でもあります。
けれど、アルコールや薬物は一時的に気分を軽くしても、
脳のセロトニンを減らし、結果的にさらに気分を落ち込ませます。
つらいときは一人で抱えず、信頼できる友人やカウンセラーに話してください。
地域のメンタルヘルスセンターやいのちの電話(0570-783-556)などの相談窓口があります

もし心が苦しいときは
「やる気が出ない」「食欲がない」「何をしても楽しくない」
そんな日が続くときは、無理せず専門家に相談を。
心理士やカウンセラーとの会話は、心の整理にとても効果的です。
話すことで、自分の中の感情を“見える化”できるからです。
助けを求めることは弱さではなく、前に進むための第一歩です。
ホリデーを“整える季節”に
ホリデーシーズンは、がんばるための季節ではなく、“立ち止まり、整えるための季節”。
やることに追われるのではなく、心を整える行動を少しずつ増やすことで、
一年の終わりをやさしく締めくくることができます。
今日できることを、ひとつだけ選んでみましょう。
それが、あなたの冬を少し温かくしてくれるはずです。
最後にー
「楽しそうに見える季節ほど、人は孤独を感じやすいもの。」
Hummingでは、そんな心の揺らぎも含めて“人間らしさ”だと考えています。
ホリデーは、笑顔だけでなく、静かな時間や涙も包み込むもの。
そのどれもが、あなたの物語の一部です。
どうか、今年の冬は少し自分に優しく、
小さな幸せを見つけることから始めてみてください。
— Humming Team