ふらりと立ち寄った書店で手に取った『ココ・シャネル99の言葉』。
そこに書かれていたのは
“女の人生。本番は40歳から。それまでは練習みたいなものよ。そして40歳からが、本当におもしろい”という言葉。
「私の人生はこれからが本番なのか」と思うと、なんだかワクワクしてきました。
歳を重ねるとはどういうことなのでしょう。これまでの人生とこれからについて、あらためて考えてみることにしました。
Contents
35歳からヒシヒシと感じる体の変化
20代の頃は、夜更かししても翌日は元気に活動できました。念入りなスキンケアをしなくても肌にはハリがあったし、日焼け止めを塗り忘れてもシミなんて気になりませんでした。
でも、35歳を過ぎた頃、鏡を見てギョッとしました。今まで気にならなかったシミや毛穴がどうしても気になるし、ハリのあったバストも、2人の子どもを母乳で育てた結果、すっかり萎んでしまった……。夜更かしした翌日の午前中は使い物になりません。
自分に時間とお金をかけられるように
一方で、歳を重ねることは、悪いことばかりではありません。35歳を過ぎた頃から、「自分のために時間とお金を使う」ことへの罪悪感が薄れていきました。
スキンケアに時間をかけたり、勇気を出してエステや美容クリニックに行ってみたり、気になっていた下着屋さんに行って、自分にぴったりの補正下着を買ってみたり。忙しい時でも、自分のための時間を確保して、一人で美術館や映画館に行ったり、週1回はヨガに通ったりできるようになりました。
不思議なことに、自分を大切にする時間が増えると、歳を重ねることへの抵抗感も和らいでいきました。身体の変化には逆らえないけれど、歳を重ねることを楽しむという選択肢があることに気がついたのです。
心のまぁるさという贈りもの
先日迎えた38歳の誕生日。「お誕生日おめでとう」とメッセージを送ってくれた友人に、「歳をとるのは身体的にはイヤだけど、心はすごく生きやすくなった気がしてる」と返信している自分がいました。
そう感じられるようになったのは、30代後半になって、少しずつ心がまぁるくなってきたからかもしれません。
人との出会いや、日々の経験を重ねるなかで、いつの間にか考え方が変わってきたように思います。
たとえば——
過去の辛い経験は、今の自分の優しさにつながっている。
他者の不機嫌は、自分のせいではなく、その人自身の問題。
失敗や挫折は、振り返れば最高のネタ。
誰かに好かれようと無理をするより、自分が大切にしたい人を大切にし、自分を大切にしてくれる人を大切にすればいい。
そんなふうに思えるようになったことで、心がふっと軽くなり、生きやすくなりました。
自分を大切にする方法を知ることが大切
でも、歳を重ねたからといって、自然と自分を大切にできるわけではありません。私が自分を愛おしく思えるようになったのは、これまでの経験だけでなく、自分と向き合う方法を他者から教えてもらったからです。
私は30代後半でWebマガジン『Humming』に出会いました。『Humming』を読んだり、編集長の話を聞いたりするうちに、少しずつ自分と向き合う大切さを実感していきました。
この世界には、人生の先輩がたくさんいます。本を読んだり、誰かの話を聞いたり、先輩たちの知恵をちょっと分けてもらうことで、人生はもっと潤うし、直感が研ぎ澄まされていくことを体感しています。
歳を重ねることは自分をより深く知ること
20代の頃は「歳をとりたくない」と思うことも多かったです。でも今は、歳を重ねることも悪くないと思っています。もちろん健康でいられるかな、仕事を続けていけるかな……など、未来への不安もあります。でも、自分がどんな人生をおくっていくのか、楽しみの方が大きいです。
というのも、最近の私は「明日死ぬかもしれない」と思って生きているからです。だったら、起きるかわからない未来のことを悩むのではなく、「今」を大切に、やりたいことはどんどんやって生きたいなって。
歳を重ねるということは、ただ老いていくことではなく、自分自身を深く理解して、より自分らしく、より自由に生きる術を身につけていくプロセスなのかもしれません。

ライター:プロフィール

1987年東京生まれ。
大学卒業後、損害保険会社の営業事務を6年間経験。
その後、夫の海外赴任に帯同するため退職し、1年間インド・ムンバイにて海外生活をおくる。
帰国後は、「おうちで働く」を一つの軸に、ベビーマッサージの先生、Webデザインの勉強、物販のお手伝い、ブログ運営、様々なことに挑戦しながら、最終的に「ライター」の仕事に巡り逢う。
興味のある分野は、人の働き方・生き方、マインドフルネス、教育。推しはBE:FIRST。プライベートでは2児の母。