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【エッセイ】「69歳の自分の身体を受け入れられるようになるまで」

 

 

「痩せていなければ価値がない」

 

パトリス・ワーナーは、自分の身体は“完璧ではない”と信じて育ちました。

 

20代、服のサイズが0だった頃でさえ、彼女は「もっと痩せたい」と願っていました。

 

サンマルコス(テキサス州)に住む現在69歳のワーナーは、こう振り返ります。
「太ももや、ほかの少しでも大きいと思う部分を批判していました。自分より細いと思う女性を見ると、その体型ばかり気になって、『どうすればああなれるんだろう?』と考えてしまうんです。たとえ、その人が全く違う体質だったとしても。」

 

 

“ワーナーは若い頃から「痩せていなければ愛されず、認められない」と信じ込み続け、人生の節々で過度な減量を重ねてきた。”

 

 

ワーナーは「友達をつくるためにも、恋人を見つけるためにも、痩せている必要がある」と信じていました。
31歳のとき、博士論文を書き上げたタイミングで出産を経験しました。 「授乳しても勝手に“妊娠前の体重”に戻らなかったことに、すごく腹が立ったんです。」

 

ワーナーは職場のダイエットプログラムに参加し、産後に増えた体重以上に痩せました。4年後、二人目を出産した後も同じことを繰り返します。

 

「もう恋人のために痩せようとは思っていませんでしたが、当時は“細くて魅力的であること”が、男性管理職に認められる事や学生から“カッコいい”と思われるために必要だと思っていたんです。」

 

 

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人生の中で、身体イメージは揺れ動くもの

 

シカゴのセラピスト、サラ・アレン博士はこう説明します。 閉経に伴う体型の変化や体重増加、社会からの“若さと美しさへのプレッシャー”は、女性の身体イメージや自己肯定感に大きな影響を与える、と。

 

ニュージーランドの約1万5千人を対象とした大規模調査では、年齢を重ねるほど身体イメージは改善する傾向があることが示されました。 19歳より74歳のほうが、身体への満足度が高いという結果でした。

 

男性は人生を通して女性より身体満足度が高い傾向にあり、20代に少し落ち込むものの、30代以降は徐々に改善。女性はゆっくりではあるものの、60代以降で大きく上向くという結果でした。

 

 

更年期:「体重が増えると、また批判される気がしていた」

 

40代、ワーナーは仕事と子育てで忙しく、徐々に身体が「厚みを増して」いくのを感じ始めました。時間がなかったため、以前ほどの“痩せなきゃ”という強い執着は薄れていたものの、大きめの服を買うと「自分を責めずにはいられなかった」と言います。

 

極端なダイエットにも手を出しましたが、続かず、減った体重はいつも元に戻ってしまいました。「その失敗の恥ずかしさは、耐えがたいものでした。」

 

 

“40代以降のワーナーは忙しさや更年期の影響で体重の増減を繰り返し、そのたびに自分を責めながら苦しいダイエットのサイクルから抜け出せずにいた。”

 

 

50代で更年期を迎える頃、子育てがひと段落し、仕事はデスクワーク中心に。体重は増え続け、そのたびに彼女は自分を嫌いになりました。

 

ここから、体重増減を繰り返すサイクルが何年も続きます。
ダイエット → 痩せる → 停滞する → リバウンド → さらに体重増加
そしてまたダイエットへ…。

 

「60代まで、この体重と恥の悪循環は続きました。友達やキャリアのために痩せなきゃとは思わなくなったけれど、“太っている自分が判断されている”感覚はずっと残っていたんです。」

 

研究によると、更年期は多くの女性にとって身体イメージが揺れやすい時期。
体型の変化、睡眠トラブル、月経の乱れなどが自己イメージに影響します。

 

別の研究では、閉経後の女性のほうが、閉経前の女性より身体満足度は高いという結果もあります。

 

ニューヨークの臨床ソーシャルワーカー、キャサリン・フェリセッタはこう説明します。
「更年期は、多くの女性が“もう到達できない社会的理想”を手放し、自分の身体を受け入れ始める時期でもあります。」

 

 

 

“体重の科学”を学び、セラピーを受けたことが転機に

 

65歳の誕生日を控えて、ワーナーは“最後のダイエット”に挑戦。処方薬を使って約16kgも痩せましたが、ひどいめまいが続くようになり、体重はまた戻りました。

 

その後、彼女は医師を変える決断をします。 前の医師は、副作用があっても薬の継続を強く求め、体重が増えると彼女を責めたためです。

 

新しい医師と面談し、過食とダイエットの歴史を打ち明けると、セラピーをすすめられました。
彼女は『Health at Every Size』と『Intuitive Eating(直感的食事法)』という本を読み、考え方が一変します。

 

ダイエットが身体に“飢餓”として認識され、ホルモンが変化して体重を維持しようとする——この仕組みを知ったとき、本当に解放された気持ちでした。」

 

痩せていなくても、健康でいることはできる。
痩せていなくても、価値のある存在でいられる。

 

初めてそう理解できたと言います。

 

 

“65歳の挫折をきっかけに医師と向き合い直したワーナーは、直感的食事法や「どんなサイズでも健康になれる」という考えに出会い、長年のダイエット思考から解放され自分の価値を再認識した。”

 

 

“セルフコンパッション(自分への思いやり)”を学ぶ

 

現在、ワーナーの身体イメージは人生で最も安定していると言いますが、それでも“道の途中”。セラピーを通じて、身体を批判する内なる声に気づき、自分をやさしく扱う方法を練習しています。

 

フェリセッタは言います。「セルフコンパッションは、身体イメージを癒すためには欠かせない考え方です。」

 

また、彼女は“ボディポジティブ”ではなく“ボディニュートラル”を勧めています。

 

「“自分の身体の全部を好きでいなければならない”というプレッシャーはよくありません。身体への感謝や中立的な見方で十分なんです。」

 

 

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「69歳の身体を完全に愛している?」

 

ワーナーはこう答えます。「いいえ。まだ、痩せられたらいいのにと思うことはあります。」

 

それでも今の彼女は、これまでで最も身体を受け入れられています。
彼女は言います。

 

「経済的にも時間的にも、助けを求めて回復できる環境があるのは幸運です。支えてくれる夫がいて、インスタグラムで直感的食事法の専門家たちから励ましをもらえることにも、本当に感謝しています。」

 

 

 

これはhttps://www.everydayhealth.com/emotional-health/how-i-learned-to-accept-my-69-year-old-body/から翻訳したものです


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