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サステナブルとはどんな考え方?SDGsとの違いや具体的な取り組みを紹介

 

様々な製品に記載されていたり、CMなどで耳にしたりすることの多い「サステナブル」という言葉。

 

何となく地球環境に良さそうなイメージがありますが、具体的にどのような取り組みをすべきなのか分からずにいる方も多いのではないでしょうか。

 

今回はそんな「サステナブル」について、詳しい概念から具体的な取り組みまでをまとめてご紹介します。

 

同じく耳にすることの増えた「SDGs」とは何が違うのかについても確認していきましょう。

 

サステナブルとは?

 

私たちが普段「サステナブル」と呼んでいるのは、「sustain(持続する)」と「~able(できる)」という言葉を組み合わせたワードです。

 

直訳すると「持続可能な」という意味を持ち、この地球上に生きる私たち一人ひとりに関係のある考え方の一つです。

 

子どもから大人まで全員がサステナブルについて正しく学ぶことで、誰もが生きやすい社会作りへと繋がるでしょう。

 

持続可能性の概念について

私たちが生活している地球は、今この瞬間も環境が破壊によるダメージを受けています。

 

この先も私たち人類や他の生き物が変わらずに暮らし続けるためには、今の環境を改善し、地球の寿命がより長く続くように工夫しなければなりません。

 

これは地球に暮らす私たちの使命であり、誰もが無視できない考え方といえます。

 

持続させるべき事柄には様々なものがありますが、もっとも分かりやすくイメージが容易なのが「地球温暖化」ではないでしょうか。

 

単に地球の気温が上がるだけでなく、台風や熱波・集中豪雨などの発生確率が上がり、日本でも各地で災害が発生しています。

 

私たちが毎日何の気なしに行っている行動一つひとつが原因となり、大きな災害へと発展していることを考えれば、自然と私たち全員が取り組まなければならない問題であることが分かるでしょう。

 

私たちが暮らす現代は「消費型社会」と呼ばれており、限りある資源を消費することで成り立っています。

 

これにより搾取され続けた地球は、いわば限界の状態であるといえるでしょう。

 

このまま人類の数が増え続け、なおかつ消費型社会が変わらずに続くのであれば、地球は私たちが住めない星へと変わる可能性が高いのです。

 

3つの柱とは

先ほど地球環境に関する内容に触れましたが、サステナブルには他にも様々な問題点があります。

 

全部で「3つの柱」を理解することで、サステナブルについて正しく学び、自分にできることを模索できるでしょう。

 

第1の柱は「環境保護」です。先ほども少し触れたように、地球上の資源には限りがあるため、使いすぎを防いだり再生を促したりする必要があります。

 

新たな資源を使わずに済むようリサイクルの考え方を取り入れたり、植樹活動を通して森林の破壊を防いだりする活動も有効です。

 

近年注目を浴びている電気自動車を積極的に利用することで、排気ガスによる環境破壊を防ぎ、地球温暖化の進行を防ぐのも良いでしょう。

 

個人でできることとしては、節電を通してエネルギーの無駄遣いをやめることや、本当に必要な物だけを購入しゴミを減らすことなどが挙げられます。

 

第2の柱は「社会開発」です。世界全体で見ると貧富の差は歴然であり、学校に通えず毎日働いている子どもたちがたくさんいます。

 

適切な医療を受けられず、日本ならば治るはずの病気で命を落とす人も少なくありません。

 

日本国内であっても性別の違いで労働環境に差があったり、残業時間に対して適切に賃金が払われなかったりといった社会問題も珍しくないでしょう。

 

こういった「人と人との間に起こる差」をなくし、誰もが同じく健康的な生活を送るための取り組みとしても、サステナブルが注目されているのです。

 

第3の柱は「経済発展」です。

 

これはサステナブルの考え方を取り入れている企業が、その事実を企業戦略の一種として考えることで、企業そのものの価値を上げられるのではないかといったものです。

 

同じものを提供している企業同士を比べるとき、サステナブルに配慮しているかどうかで、消費者にとって大きな違いとなるでしょう。

 

エネルギーを節約したり、ゴミ拾いなどのボランティア活動に従事したりする場合は、企業戦略として大々的にアピールすることが推奨されています。

 

このように、サステナブルは一言で表せられるものではなく、様々な取り組みが組み合わさって成り立つものです。

 

あらゆる面から自分や企業にできることを考え、行動していくことが大切だといえます。

 

SDGsとの違い

サステナブルと同じような意味を持つ単語として、「SDGs」が挙げられます。

 

これは2030年をゴールとして、国連に加盟する193ヶ国が持続可能な世界を作るための目標のことです。

 

全部で17種類の指針が掲げられており、より私たちが何をすべきか分かるよう明確に言語化されているのが特徴です。

 

サステナブルが「より良い社会を作りたいとする概念」だとすれば、SDGsは「より良い社会を作るためにすべきこと」だといえるでしょう。

 

関連記事:日本におけるゴミ問題の現状は?環境への影響やわたしたちにもできることを紹介

 

サステナブルが注目されるようになった背景

 

近年サステナブルが注目されるようになったのは、私たち人類が様々な課題を抱え、これらが決して無視できないものになってきたためです。

 

およそ1980年頃から「サステナブル」という言葉が生まれ、2020年代に入るにつれて急速に広まりを見せました。

 

気候変動や資源の枯渇

サステナブルが注目され始めたのは、第一に気候変動による大規模災害の多発や、資源の枯渇が表面化するようになったためです。

 

元々日本は地震や台風などの自然災害が多発する地域でしたが、地球温暖化の影響で異常気象となった現在、より被害の大きな災害が起こりやすくなっています。

 

2024年でいえば、地震による被害を受けた北陸地方をさらなる豪雨が襲い、多くの被害者を出しました。

 

こういった気候変動を無視することなく、一人ひとりができる対策を行うべく、サステナブルな取り組みが各地で始まっています。

 

また、私たちの生活には様々な資源が使われており、中には有限なものも多く含まれています。

 

石油・石炭・天然ガスなどが代表的な資源として挙げられますが、これに代わるものをエネルギーとすることで、今の生活を維持しながら資源を守ろうとする取り組みが行われています。

 

さらには人口の増加や気候変動の影響などによって、私たちの生活に欠かせない水資源が不足していることも、無視できない大きな問題といえるでしょう。

 

まずは私たち一人ひとりが電気やガス・水などを無駄遣いしないことや、家庭から出るゴミを減らすなどの工夫を行うことが大切です。

 

貧困や不平等などの社会的な課題

日本に住んでいるとイメージしにくいかもしれませんが、世界では貧富の差が分かりやすく、私たちとはかけ離れた生活を送っている人たちがたくさんいます。

 

日本で当たり前に受けられている学習の機会や医療を受ける権利がなく、人としての尊厳が守られない生活が当たり前となっているのです。

 

こういった社会的不平等を改善し、地球上に生まれた誰もが安全な生活を送れるよう、サステナブルな活動を行う団体が増えています。

 

では日本の場合、こういった社会的課題がないかといえばそうではありません。

 

例えば身体的・精神的に障がいを抱えている方の場合、そうでない方に比べて就業の機会は大幅に減少してしまうでしょう。

 

言語のやり取りがスムーズに行えるにもかかわらず、外国人であるという理由だけで面接に通らず悩んでいる方もいます。

 

こういった人種・年齢・性別などによって不平等が生まれることがないよう、社会システムだけでなく、私たちの意識から変えていく必要があります。

 

社会全体の成長を促すためのビジネスや投資の広まり

環境や社会的不平等に関する問題点が浮き彫りになる中、こうした問題へ社会全体が一丸となって取り組めるよう、サステナブル関連の様々なビジネス・投資が広まりました。

 

これにより、サステナブルに関して知識のなかった層が注目するようになり、多くの人の目に触れるようになったといえます。

 

サステナブルな取り組みを積極的に行っている企業は、そうでない企業に比べて注目される機会が増えたことでしょう。

 

サステナブルやSDGsなどの考え方は、テレビ番組でも特集を組まれることが多く、一般市民にも浸透しつつあります。

 

世界全体の取り組みというと規模が大きく感じられますが、こういったメディアが私たち一人ひとりにできることを取り上げることで、より身近に感じられるようになったといえるでしょう。

 

関連記事:リフューズの意味は?具体例やメリットについて解説

 

社会全体で取り組まれているサステナブルな活動

 

近年は様々な活動を通じてサステナブルな考え方が広まりつつあるため、既に行われている活動を知り、理解を深めるのもおすすめです。

 

自分が知らない間に、サステナブルな活動に参加している場合もあるため、他人事と捉えることなくできることをしていきましょう。

 

サステナブルファッション

サステナブルファッションとは、洋服を作る際にサステナブルな素材を用いるなどして、限りある資源を大切にするための取り組みです。

 

ペットボトルをリサイクルして得られる「再生ポリエステル」を使った製品を中心に、様々なアパレルブランドからそれぞれ工夫を凝らした製品が登場しています。

 

素材に違いがある以外は変わりなく、他の製品同様にデザインの優れたアイテムも多数販売されているため、これまでと変わらずにオシャレを楽しめるでしょう。

 

アパレル業界で問題視されている「大量生産・大量消費」の考え方は、素材を無駄にしやすいだけでなく、労働力の浪費や化学薬品による環境汚染など様々な問題を引き起こしています。

 

リサイクル素材を使った製品を購入するだけでなく、今ある衣類を大切に着たり、毛皮や羽毛といった天然素材の物を選ばないようにしたりするだけでもサステナブルな取り組みの第一歩といえるでしょう。

 

サステナブルフード

環境問題に大きな影響を与えているといえる「フードロス」。飲食店はもちろん、一般家庭からもまだ食べられる食品がゴミとして廃棄され続けています。

 

こういった作りすぎや賞味期限切れの食材の廃棄は、ゴミ処理場でエネルギーを使って燃やされたり、焼却後の灰が不燃ゴミとして埋め立てられたりしながら地球環境の悪化を促進しています。

 

こういった環境悪化を食い止めるために、近年はサステナブルフードが広まりつつあります。

 

農薬や殺虫剤などを使わずに作られる「オーガニック食材」や「有機栽培食材」などは、最寄りのスーパーで見かけることも多いのではないでしょうか。

 

他にも、肉や魚を食べられるサイズに育てて出荷するためには、水や餌をはじめとする様々なエネルギーが使われています。

 

大豆を使って作られたソイミートや代替ツナ、海藻由来のエビやカニなど様々な種類が登場しており、既に料理として使われ始めています。

 

こういった製品を積極的に選ぶことも、サステナブルな取り組みとしてできる行動の一つです。

 

サステナブル都市計画

これまでの日本では、木造建築が主流であり、劣化した建物は取り壊され新たな建物へと生まれ変わっていました。

 

今もそのような建物が多数残っていますが、主要な建築物を中心に、100年単位で人が利用できるような建築方法へと変わりつつあります。

 

一般住宅であっても太陽光発電を取り入れるなど、エネルギーを効率的に利用する方法が用いられています。

 

また、昔から人の多く住む場所であればあるほど緑が少ないといった問題点が指摘されてきました。

 

日本はもちろん、世界各国が中心都市への植樹を集中的に行っており、今や見渡す限りビルしか見えない都市は減りつつあるでしょう。

 

それに伴いポイ捨てなどによるゴミの削減や治安の改善など、人々が安心して暮らせる都市計画が進んでいます。

 

私たちが日常生活でできるサステナブルな取り組み

 

サステナブルな活動が意味を成すためには、政府や企業などの大きな団体が努力するだけでは足りません。

 

世界に70億人もいる私たち一般人が、それぞれにできることを行って初めて、先ほどご紹介した3つの柱を実現できるでしょう。

 

節水の実践

飲み水や食事に使う水だけでなく、入浴・洗顔・清掃・排泄など様々な面で水を使う人類の生活。

 

そんななくてはならない水が、常に不足している状態だと知っている方はどのくらいいるでしょうか。

 

地球温暖化によって水の蒸発が進み、常に水不足に陥っている今、私たち個人が節水を実践することが大切です。

 

とはいえ、普段から飲む水を極端に減らすことはできません。

 

その分、洗顔や歯磨きの際に水を出しっぱなしにするのを止めたり、入浴した水を洗濯の洗いに使ったりしてみてはいかがでしょうか。

 

皿洗いの際は桶に水を溜めながら行うことで汚れが落ちやすくなりますし、排泄時は「小」を積極的に使うことで1回の排水量を減らすことが可能です。

 

食品ロスを減らす

普段から食べきれない量の食材を購入し、使いきれなかった分や賞味期限が切れてしまったものを簡単に捨ててはいないでしょうか。

 

こういった食品ロスがゴミの量を圧迫し、処理場の負担を増やしているのが現状です。

 

大量生産・大量消費の考え方は生産者に負担をかけることにもなるため、一つひとつの食材を大切に、食べきれる分だけを購入することが大切です。

 

また、安価に購入できる外国産の食材は、船舶や航空輸送を用いて輸入されています。

 

これは道中で多量の二酸化炭素を排出しており、地球温暖化にとって無視できないポイントとなるでしょう。

 

値段が張っても国内産の食材を積極的に選ぶことで、日本の食料自給率を上げ、長期的に環境の改善に繋がるはずです。

 

再生可能エネルギーの利用

再生可能エネルギーとは、いわゆる化石燃料のように二酸化炭素を多量に排出するものではなく、太陽光や風力といった自然由来のエネルギーを指します。

 

これらは環境悪化を招くことなくエネルギーを得られるため、今後の地球環境に置いて必要不可欠となるでしょう。

 

日本でも様々な場所で再生可能エネルギーの生成が始まっており、私たち一般人も選択しやすくなっています。

 

例えば、家を建てる際は屋根にソーラーパネルを取り付けることで、太陽光発電による恩恵を受けることができます。

 

既に戸建てを所有している方が新たにパネルを導入したり、ソーラーパネル付きの賃貸物件を選んだりするのも良いでしょう。

 

太陽光発電は環境に良いだけでなく、普段から電力を貯蓄できるため、停電時や災害時にも慌てることなく対処できるといったメリットもあります。

 

ペーパーレス化

私たちの生活では様々な場面で紙を使いますが、そのほとんどがいずれゴミとなってしまうでしょう。

 

自分で購入しメモを取るなどして使っている紙はもちろん、チラシや請求書など自動で送られてくるものもゴミになりやすい紙の一つです。

 

こういった紙の1枚1枚を減らすことで、ゴミの量を減らし、環境汚染を防ぐことに繋がります。

 

日常で使う紙を減らすためには、メモを取る際にスマートフォンなどの電子機器を使用したり、請求書をオンラインで確認できるように登録したりするのがおすすめです。

 

新聞や雑誌を購読している方は、月額料金を支払うことで利用できるサブスクリプションサービスを選ぶのも良いでしょう。

 

フェアトレード認証の付いている商品を選ぶ

先ほど「国内産の食材を選んで購入する」とご紹介しましたが、フェアトレード製品については別のメリットがあるため、積極的に取り入れたいものの一つです。

 

フェアトレード=公平な貿易という意味の通り、輸入する側・輸出する側がいずれも損をしないような貿易をしていることが認証されており、誰も傷つかずに済むといったメリットがあります。

 

フェアトレード認証についてチェックしてほしい製品には、コーヒーやバナナ・チョコレートなどがあります。

 

これらの多くは発展途上国で作られており、労働者は劣悪な環境の中、日本よりもはるかに低賃金で働いています。

 

フェアトレード認証の付いた製品は、そうでない製品に比べて少々高価格である分、生産者の生活を支える重要な役割を担っているのです。

 

これは先ほどご紹介した第2の柱である「社会開発」を進めるために重要なポイントとなります。

 

貧富の差を無くし、誰もが健康的に働きながら生活を送れる社会を目指したいものです。

 

関連記事:リデュースとは?リユース・リサイクルとの違いやそれぞれができることを解説

 

まとめ

サステナブルな取り組みは徐々に広がりつつあるとはいえ、完全に浸透したとはいえません。

 

大切なのは私たち一人ひとりが社会の問題を正しく理解し、自分にできる対策を進めていくことにあります。

 

「自分は関係ない」と他人事のように捉えるのではなく、自分たちはもちろん子孫も含めて幸せになれる社会作りを進めていきましょう。

 


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