「なかなか自分に許可が出せない」
普段の生活の中で、こんな風に感じることって意外と多くないでしょうか。
「あのお化粧、私の歳にはあわないよね」
「あんなこと、私がやったら周りの人に笑われちゃうかな」
興味があっても、自分には無理だと無意識にブレーキをかけていることはありませんか?
でも、自分に「やってもいいよ」という小さな許可を出すだけで、それは自分が望む幸せに1歩近づいているのです。
なぜなら、自分を止めているブロックというのは、自分が心の奥で、本当はやりたいと思っていることだったり、ずっと気になっていることだったりするからです。
自分をとめているブロックは、自分の本質を映しだしていることが多いのです。
私はここタンザニアで、今まで自分になかなか出せなかった小さな許可を出したことで、長い間感じたことのない幸せな気持ちになりました。
この記事を読むと、あなたも日々の生活にちょっとした勇気をとりいれる方法がわかり、日常をさらに幸せにするヒントが見つかります。
「私にはムリ」と思ったアフリカ布との出会い
タンザニアに来て、まず私の目を引いたのは「キテンゲ」というアフリカ布を身にまとったタンザニア人女性の美しさ。
この「キテンゲ」は、赤、青、黄色などのカラフルな色と、動物やフルーツなどの大胆な柄が特徴的なデザインの布です。
タンザニア人女性の肌の色に、この明るい色が絶妙なコントラストでとても素敵なのです。
でも、日本人のわたしが着るには、キテンゲは派手すぎて無理だなあ、と考えていました。
その一方で、日本人を含む外国人の友達が、このキテンゲのワンピースを上手に着こなしている姿をみて「うらやましいな」「わたしもトライしてみたいな」とも感じていました。
そうはいっても、今まで黒、白、ネイビー色などの無難な色を着ていたわたし。
もう40代だしこんなカラフルな色を着たら周りからどう見られるだろう、とやはり抵抗がありました。
ある日、友達がアフリカ布を買いに行くということで私も一緒についていきました。
そこで出会ったキテンゲの美しさに改めて魅了されたわたし。
気付いた時には、買う予定のなかったキテンゲを自分用に購入していました。
そこからは、もう早かったのです。
すぐに仕立て屋さんに娘とわたしのおそろいのワンピースを作ってもらい、あこがれていたキテンゲのワンピースが出来上がりました。
はじめての娘とおそろいのワンピースを手にいれた私。
まるで宝物を手に入れたようにワクワクしていました。
娘からの「一緒に着ていこうよ」の一言にさらに勇気をもらい、早速このワンピースを着て出かけました。
友達に「とても似合うよ」とほめてもらったわたしは、服をほめてもらってくすぐったいような、でもほんわかと幸せな気持ちをかみしめる少女に戻っていました。
タンザニアの女性の味方
最初はハードルが高いと感じていたこのキテンゲのワンピースですが、少しの勇気で自分も着用してみたら、大きなときめきとワクワク感と予想しなかった幸せを感じることができました。
こんな外国人の私に幸せをもたらしてくれたキテンゲは、タンザニアでも女性の味方です。
キテンゲは、タンザニアではカバンや小物などにも使われている布ですが、圧倒的に女性のワンピースとして活躍しています。
男性優位のタンザニア社会で、このキテンゲはタンザニアの女性のエンパワメントにとても重要な役割を担っています。
例えばクリスマスのようなイベントでは、女性たちが同じ柄のキテンゲでおそろいのワンピースを着て女性たちの団結と強さを表現します。
また、自分の娘たちが5~6歳くらいになると、母親は初めてのキテンゲをプレゼントし娘の幸せを願います。
出産する女性たちの必需品にもキテンゲが含まれます。
赤ん坊が産まれた時に最初に新しい命を包む神聖な布がキテンゲなのです。
キテンゲは、タンザニア人女性が着用して自己表現をする手段であり、男性優位の社会で女性が強く自立していくための仲間のような存在なのです。
自分を解放するための「許可」
こんなキテンゲから、大きな幸せを得ることができた私は、「40代なんだから、こういう色の服を着るべき」という固定観念から解放され、自分に許可を出すことができました。
あなたも普段の生活の中で、ずっと気になっていたけど勇気がでないこと、こんなことしたら恥ずかしい、……と自分に許可を出せていないことはありませんか。
とっても小さな勇気で小さなステップを踏んでみることで、おもいもよらない大きな幸せを感じることができるものです。
ぜひ一度トライしてみてくださいね。
ライター:プロフィール
著者:堀江知子(ほりえともこ)|タンザニア在住ライター
民放キー局にて、15年以上にわたりアメリカ文化や社会問題についての取材を行ってきた。
2022年からはタンザニアに移住しフリーランスとして活動している。
noteやTwitterのSNSや日本メディアを通じて、アフリカの情報や見解を独自の視点から発信中。