流産を経験した大切な人をどう支えるか
この記事は The Good Trade より翻訳されました。
私が20代後半のとき、親友のクリスティンが流産をしました。
彼女は妊娠12週目で、ずっと妊娠を望んでいたところでした。
私はどう対応したらいいのか分からず、何を言えばいいのか、どう言えばいいのか迷いました。
妊娠や出産を経験している友人も少なく、排卵検査薬や妊娠糖尿病、搾乳器のこともよく知らない私にとって、「流産」は未知のもので、ただただ無力感に包まれました。
何よりも、私がいつも支えてもらっていた大切な人に、今度は私が寄り添いたかったのです。
「どんな言葉や贈り物がふさわしいだろう?」
私は、以前同じような立場になった年上の友人にメッセージを送りました。
彼女は、「何か命を育てられるもの――たとえば植物――を贈るのはどう?」と提案してくれました。
その後、私はクリスティンに電話をかけ、心からのお悔やみを伝え、何が必要かを静かに尋ねました。
刺激になりそうな言葉を避けながら、もう1週間ほど経ったころ、小さなかわいらしい植物を贈りました。
「あなたは深く愛されている。赤ちゃんもあなたも大切な存在だった」――そんな想いを込めて。
これが正解だったのかどうかは分かりません。
それがこのテーマの難しさでもあります。
とても身近で、でもタブー視されがちな「流産」。
実際には、妊娠の30%以上が流産に至るという研究もあり、染色体異常や遺伝、母体の健康状態など、原因もさまざまです。
親しい人を支えたいと願うとき、どんな言葉が適切か考えることはとても大切です。
幸いなことに、クリスティン自身も、自らの経験と、流産を経験した人への支援のあり方について、シェアしてくれました。
何を「言うか」「するか」
流産後によく耳にする言葉に、「そのうちうまくいくよ」「そうは言っても…」というフレーズがあります。
たとえば、「そうは言っても妊娠できることがわかったじゃない」とか、「初期だったからまだ良かった」など。
悪気はなくとも、こうした言葉は悲しみを過小評価したり、無効化したりしてしまう危険があります。
クリスティンはこう語ります:
「私が一番つらかったのは、命があった赤ちゃんが、亡くなったという事実でした。
次の赤ちゃんを楽しみにしていることとは別の話なんです。
前の子も、今の子も、それぞれがかけがえのない存在なんです」
だからこそ、「あなたが大切な存在を失ったことを悲しんでいます」「ずっとあなたのことを想っています」――
そんなシンプルで真心のこもった言葉が、何よりの支えになります。
また、流産後は心だけでなく、体の回復も大変です。
クリスティンは子宮内容除去術のあと、「痛み、出血、発熱の中で、感情を整理する余裕なんてなかった」と振り返ります。
さらに、妊娠中の人の約45%が直面すると言われる産後うつも、状況をさらに厳しいものにします。
ですので、気持ちのケアだけでなく、実際のサポート―― 通院の付き添いや家事の手伝い、食事の差し入れなど――も、心に寄り添うかたちとなります。
何が必要か、何が「不要」かを尋ねる
数週間が経つと、どう接していいか分からなくなることもあるかもしれません。
でも、尋ねていいんです。「何ができる?」と聞くことで、正しい答えに近づけます。
とても親しい間柄なら、
「今、どんなふうに支えてほしい?」
「話したい? それとも静かにそっとしておいた方がいい?」
と聞いてみましょう。
特におすすめなのが、連絡するタイミングについても確認すること。
忙しいときや職場で突然連絡を受けると、それだけで心が乱れてしまうこともあります。
クリスティンは、こう言います:
「何人かの友人が、“話したいときはいつでも連絡してね。返せなくても大丈夫だから”とメッセージをくれた。
それが一番ありがたかった」
もし、最近はあまり親しくないけれど、SNSや共通の知人から流産を知ったという場合、直接メッセージを送るのは避けた方がいいかもしれません。
家族に連絡し、お悔やみのカードや贈り物をどこに送ればいいか確認するのもひとつの方法です。
また、あなたが妊娠中だったり、小さなお子さんがいる場合は、特に相手の気持ちや境界線に配慮する必要があります。
ただ「そばにいる」ことが力になる
大切なのは、完璧な言葉を探すことではなく、そばにいることそのものです。
「聞く」だけでも十分な支えになりますし、支援グループやカウンセラーの情報を共有するのも一つの方法です。
また、妊娠していた本人だけでなく、パートナーや子ども、家族も支えを必要としていることを忘れないでください。
小さな気遣いでも、大きな力になります。
偏見をなくすために
流産の話題には、まだ多くの偏見がつきまといます。
出産経験者の5人に1人が流産を経験すると言われていますが、それほど多くの話を耳にすることはありません。
「話さない自由」は尊重されるべきですが、「話したくても話せない」空気をつくってしまっているのも事実です。
クリスティンはソーシャルワーカーとしてこう言います:
「ほかの“喪失”については話すのに、なぜ流産だけはタブーになるのでしょう。
誰かに聞いてほしいのに、“話してはいけない”と感じるのはつらいことです」
社会としても、「12週までは公表しない」文化や、企業の弔意制度において流産が含まれていないといった課題があります。
こうした構造にも目を向け、政策の見直しや啓発活動を通じて支援の輪を広げることも、私たちにできる支援のひとつです。
長期的な支援も大切に
失った命のことを、記念日や年末年始など、ふと思い出すタイミングでそっと気にかけてください。
「ひとりじゃないよ」と伝え続けることが、何よりも心強い支えになります。
人生のどんな喪失も、深く心をえぐるものです。
そして、その悲しみのなかにいる誰もが、「支え」を必要としています。
あなたの大切な人が流産を経験したとき、このメッセージが少しでも支えになり、
「見守られている」「大切にされている」と感じてもらえるきっかけになりますように
