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「内発的モチベーション」とは?

 

 

自分の中にある“本当のやる気”を見つける方法 

 

秋になると、周りの自然が私たちに“内側へ目を向ける季節だよ”と語りかけてきます。
太陽は低くなり、光はやわらかく、夕暮れが早まる。
夏の喧騒が静まり、花々が土へと戻る。
自然界は「今は見せびらかす季節じゃない」と教えてくれているのです。

 

けれど多くの人にとって、秋は“がんばりの季節”でもあります。
新しい服を買い、目標を立て、仕事もプライベートも成果を出したくなる。
年末のイベントシーズンも重なり、心を静める余裕がなくなりがちです。

 

今年こそは、そんな外向きのエネルギーを少し手放してみませんか。
自然と同じように、自分の内側に意識を向けて、“自分らしい動機”を取り戻す季節にしてみましょう。

 

 

モチベーションには2種類ある

 

心理学では、やる気の源を大きく2つに分けています。

 

  • 内発的モチベーション(Intrinsic Motivation)
    自分の好奇心・楽しさ・意義や充実感から生まれる“内側の動機”。
  • 外発的モチベーション(Extrinsic Motivation)
    報酬・評価・責任・周囲の期待など、“外側の刺激”によって動かされる動機。

 

臨床心理士のアラティ・パテル氏はこう語ります。

 

「内発的モチベーションとは、私たちに自然にエネルギーを与えてくれるものです。」

 

一方で外発的モチベーションも悪いものではありません。
適度なプレッシャーは私たちを成長させる“追い風”にもなります。
しかし、それが“唯一の原動力”になってしまうと、燃え尽きや無力感に陥ることもあるのです。

 

 

あなたのやる気は「内側」から?「外側」から?

 

見分けるのは意外と難しいものです。
社会的な期待や周囲の目が強いと、自分の欲求と他人の期待が混ざってしまいます。

 

モチベーションコーチのオーラ・マルティネス氏はこう言います。

 

「クライアントに“何をしたいか”だけでなく、“なぜそれをしたいのか”を尋ねます。
その“なぜ”の部分に、内発的か外発的かの違いが現れます。」

 

もし答えが「誰かに認められたい」「期待に応えたい」なら、それは外発的動機。
一方で「やってみたい」「心がワクワクする」と感じるなら、それは内発的動機のサインです。

 

 

内発的モチベーションを見つける方法

 

1. 「エネルギーの棚卸し」をしてみる
1週間、自分の行動を記録し、どんな活動がエネルギーを与え、どんな活動が奪うのかを書き出します。
心が軽くなる行動が、あなたの“本当のやる気”を示してくれます。

 

2. 「恐れ」ではなく「拡がり」で選ぶ
決断をするとき、「怖いから」「嫌われたくないから」ではなく、
“自分の世界が広がるかどうか”を基準に考えましょう。

 

3. 「誰も見ていなかったら何をするか」を問う
もし誰も評価しないなら、あなたは何をしていたいですか?
その答えの中に、あなたの内発的動機が隠れています。

 

4. 体の感覚に耳を傾ける
他人の期待で動いているとき、肩がこわばったり、呼吸が浅くなったりします。
反対に、自分の心からの選択は、体が軽くリラックスしているはずです。

 

 

外発的モチベーションを手放すために

 

  • “誰の期待なのか”を明確にする
    父親?上司?SNSの向こう側にいる他人? それを知るだけで一歩前進です。
  • 価値観チェックをする
    その目標は自分の価値観に合っているか? 「なんとなく」ならもう一度見直して。
  • 少しずつ距離を取る
    一気に手放さなくてOK。週1日だけ定時で帰る、SNSを1日見ないなど、小さな変化から。

 

 

内発的モチベーションを育てる秘訣

 

それは自己への思いやり(セルフコンパッション)です。
他人の期待を手放すとき、罪悪感や不安が出てくるのは自然なこと。

 

キャリアを変えること、生活スタイルを変えること、
「間違っているのでは」と感じても、あなたの感情はあなたのものです。

 

内発的モチベーションに従うことは、“自分を信じる練習”でもあります。

 

 

秋は「手放す季節」

 

「自然が葉を落とすように、私たちももう必要のない動機を手放すことができます」
― オーラ・マルティネス

 

秋はリセットと再調整の季節。
ゆっくりと立ち止まり、今の自分に必要なもの・そうでないものを見つめ直す時間をつくりましょう。

 

やる気を他人の期待に委ねず、自分の“内なる羅針盤”に従うことで、
あなたの人生はもっと穏やかに、もっと自由に動き出します。


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