親は子どもと「性」についてどう話せばいい?
年齢に合った、正直で安心できる対話のガイド

子どもに性の話をすることに、不安や戸惑いを感じる親はとても多いものです。
「まだ早いのでは?」「間違ったことを言ってしまったらどうしよう」「どこまで話すべき?」
こうした悩みは自然なものですが、年齢に合ったオープンな性の対話は、子どもの将来にとってとても重要です。
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研究では、誠実で発達段階に合った性教育を受けた子どもは、大人になってからも 健全な人間関係・自己肯定感・親との信頼関係 を築きやすいことがわかっています。
シカゴで活動するセックスセラピストとして、私は「自信があり、情報に基づいて判断でき、心の健康を大切にできる子どもを育てたい」と願う多くの親御さんをサポートしてきました。
性の話は、1回きりの「大きな話し合い」である必要はありません。
日常の中で少しずつ重ねていく対話でいいのです。
この記事では、親がよく抱く疑問――
「いつ始める?」「何をどう話す?」「不安なときは?」――にお答えします。
いつから性の話を始めるべき?
性の話は、ある日突然「さあ話そう」と切り出すものではありません。
むしろ、もっと静かで、もっと日常的なところから始まっています。
たとえば、
- 自分の身体に名前があること
- 触られたくないときに「いや」と言っていいこと
- 家族のかたちはひとつじゃないこと
こうしたことを伝えるだけでも、それは立派な性教育です。
性の話=性交渉の説明、ではありません。
「自分の身体をどう扱っていいか」「人との距離感をどう感じていいか」
その土台を育てることが、性について話すということなのだと思います。

Contents
答えがわからない質問をされたら?
子どもは、思いがけないタイミングで、思いがけない質問を投げかけてきます。
その瞬間、言葉に詰まることもあるでしょう。
でも、答えを知らない自分を責めなくていい。
「わからない」は、失敗ではありません。
「いい質問だね」
「一緒に考えてみようか」
そう言って立ち止まることは、子どもにとって“考えることを許される体験”になります。
完璧な説明よりも、誠実な姿勢のほうが、ずっと心に残ります。
性の話をすると、性行動が早まる?
これはよくある誤解です。
実際には、包括的な性教育を受けた子どもほど、より慎重で責任ある選択をする傾向があります。
研究によると:
- 性行動の開始が遅くなる
- 避妊の使用率が高まる
- 健全なパートナーシップを築きやすい
- 望まない妊娠のリスクが下がる
オープンな対話は「危険」ではなく、「安心と判断力」を育てます。
年齢に合った話し方とは?
性の話は一度きりではなく、成長に合わせて重ねていくものです。
年齢別の例:
幼児期
- 身体の名前
- 触れていい・よくないの感覚
- 同意と境界線
- 家族の多様性
学童期〜プレティーン
- 思春期と身体の変化
- 月経
- 健全な人間関係
- 性の多様性
- 妊娠・出産の基礎
- メディアリテラシー
ティーン
- 合意とコミュニケーション
- 安全なセックス
- 快感と尊重
- デジタル上の同意
- 暴力のない関係性

気まずい質問をされたときの対処法
正直に言えば、どれだけ準備しても、気まずさがゼロになることはありません。
でも、その戸惑いを隠す必要もない。
深呼吸して、少し間を置いて、「聞いてくれてありがとう」と伝えるだけでいい。
大人が落ち着いている姿は、 子どもにとって「この話題は危険じゃない」という合図になります。
同意(コンセント)と健全な関係の教え方
同意は、性の話以前から教えられます。
- ハグの前に聞く
- 「NO」を尊重する
- 「あなたの身体はあなたのもの」
こうした日常の積み重ねが、子どもの安全と主体性を守ります。
ティーンには、積極的な同意やデジタル上の同意についても話していきましょう。
友だちやネットから誤った情報を得ていたら?
今の子どもたちは、早い段階で性情報に触れます。
大切なのは、叱ることではなく、
- 何を見聞きしたかを聞く
- 判断せずに耳を傾ける
- 正しい情報を穏やかに伝える
ことです。
価値観を伝えつつ、恥を与えないには?
家族の価値観は伝えていいものです。
ただし、否定や恐れからではなく、思いやりから伝えましょう。
- 「私たちはこう考えている」
- 「これは私の大切にしている価値」
というメッセージが効果的です。

子どもから聞かれるのを待つべき?
多くの子どもは、親の反応を見て質問を控えます。
だからこそ、親から自然に話題を出すことが大切です。
本や映画、日常の出来事がきっかけになります。
親の性生活について聞かれたら?
好奇心からの質問です。
境界線を教えるチャンスでもあります。
例:
「それは大人のプライベートなことだけど、愛や尊重については話せるよ」
誠実さと適切な距離感の両立が大切です。
正解よりも、関係性を
性の話に、完璧な言い回しはありません。
でも、話そうとする姿勢そのものが、 子どもにとっては何よりのメッセージになります。
間違えてもいい。
言い直してもいい。
沈黙があってもいい。
大切なのは、 「あなたの話を聞く準備がある」という姿勢。
それが、子どもが自分の身体や心を信頼できる未来につながっていくのだと思います。
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