更年期に繰り返す膀胱炎(UTI)の原因と自分でできる予防法
Contents
更年期に膀胱炎が増えるのはなぜ?
ホルモン変化とエストロゲン低下の影響
更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく減少します。エストロゲンは膣や尿路の粘膜を守る役割を持っていますが、その分泌が減ることで粘膜が薄くなり、細菌感染に弱くなります。その結果、膀胱炎(UTI)が起こりやすくなるのです。
膣や尿路に起こる変化(乾燥・粘膜の弱まり)
膣の乾燥や弾力の低下は、更年期女性に多く見られる症状です。これにより、排尿時の違和感や性交痛が起こるだけでなく、細菌が侵入しやすい状態になり、膀胱炎が繰り返される原因になります。
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GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)とは?
GSM(Genitourinary Syndrome of Menopause)は、更年期から閉経にかけての女性に多くみられる症候群です。膣の乾燥、かゆみ、性交痛、頻尿や尿意切迫といった症状を含み、これが膀胱炎のリスクを高める大きな要因となります。
膀胱炎が繰り返しやすい年齢層とは
若年期(14〜24歳)に多い理由
若い世代では、活発な性生活により膀胱炎が増える傾向があります。性交時に細菌が尿道に侵入しやすいためです。
更年期前後から再び増える背景
加齢に伴うホルモン低下により、膀胱炎は更年期から再び増加します。セックスの有無にかかわらず、ホルモンバランスが乱れることで発症リスクが高まるのです。
閉経後に再発率が急増するデータ
研究によると、閉経前の膀胱炎再発率は19〜36%ですが、閉経後は55%に跳ね上がります。これはホルモン変化による粘膜の弱まりが大きく関係しています。
更年期に繰り返す膀胱炎の症状
頻尿・尿意切迫・排尿時の痛み
典型的な症状は「何度もトイレに行きたくなる」「排尿時に痛みを感じる」といったものです。
性交痛や膣の乾燥との関連
更年期の膣乾燥は性交痛を引き起こすだけでなく、細菌感染を助長し膀胱炎につながります。
生活に与える影響とQOLの低下
頻繁にトイレへ行く、性交を避けてしまうなど、日常生活やパートナーシップに大きな影響を与えることがあります。

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更年期の膀胱炎を予防する自分でできること
水分補給と排尿習慣の見直し
こまめに水を飲み、トイレにいくのを我慢しないことが大切です。尿と一緒に細菌を排出することで感染予防につながります。
膣の乾燥ケア(保湿ジェル・ローションなど)
膣専用の保湿ジェルやローションを使うことで、乾燥や粘膜の弱まりを防ぎ、細菌感染のリスクを軽減できます。
食生活と腸内環境の改善
発酵食品や食物繊維をとり、腸内環境を整えることも免疫力を高める鍵。ビタミンCやクランベリーなども膀胱炎の予防に役立つとされています。
膀胱炎を繰り返さないための生活習慣チェック
- 下着は通気性の良いコットン素材を選ぶ
- 性交後は排尿して菌を流す
- 体を冷やさないよう注意する
これらを意識するだけで、膀胱炎の繰り返しを大きく防げます。
医師に相談すべきサインと治療法
繰り返す膀胱炎は「放置しない」が鉄則
自己判断で市販薬だけに頼らず、再発を繰り返す場合は医師の診断が必要です。
婦人科・泌尿器科での治療オプション
抗生物質による治療のほか、症状に応じた膣の保湿ケア、レーザー治療などの選択肢があります。
ホルモン補充療法(HRT)やその他の治療
必要に応じて、医師がホルモン補充療法(HRT)を提案することもあります。症状が強い場合は、こうした専門的な治療が効果的です。
まとめ|更年期の膀胱炎は予防と早めのケアが大切
- 更年期のホルモン変化は膀胱炎のリスクを高める
- 水分補給や膣ケアなど「自分でできること」で予防可能
- 再発を繰り返す場合は必ず医師へ相談
膀胱炎は「仕方ない」と我慢するものではありません。正しい知識とケアで、更年期を快適に過ごすことができます。
