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【ハミングが届けるポジティブニュース】失われた「自分の腕」を取り戻す未来。「動く!」と願うだけで、麻痺した腕が再び動き出す

Written by
堀江知子(ほりえ ともこ)

 

Credit:  Vilje Bionics

 

明日、家族のために夕飯を作ったり、子供と手をつないで歩いたり。 そんな日常のあたりまえの動作が、突然できなくなったら……。そう考えたら、少し怖くなってしまいますよね。

 

脳卒中は、4人に1人が生涯のうちに経験すると言われています。一命を取り留めても、体に麻痺が残ってしまうことが多く、多くの人が「もう前のような生活は送れない」と今までの生活をあきらめてきました。

 

 

“脳卒中による麻痺で日常生活をあきらめざるを得ない人が多い中、ノルウェーのスタートアップが、思い通りに腕を動かせる世界初の腕全体用エクソスケルトンを開発し、新たな希望を示している。”

 

 

でも、諦めるのはまだ早い、そう思わせてくれるニュースがノルウェーから届きました。

 

ノルウェーのスタートアップ企業が、麻痺して動けなくなった腕を、まるで自分の意思に従って動いてくれる「世界初の腕全体用エクソスケルトン(外部骨格)」を開発しました。これはただの機械ではありません。

 

 

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「思い」を、ロボットが読んでくれる

 

この画期的な装置「Vilpower(ヴィルパワー)」を開発したのは、ノルウェーのVilje Bionicsという会社です。これまでの補助器具と何が違うのか、見てみましょう。

 

 

「Vilpower」の3つの特徴

 

創設者のサイード・ホセイニ氏は、「ユーザーが腕をどう使いたいか『考える』ことで作動する」と語っています。私たちの頭で望んでいることが、そのまま腕の動きに繋がる――まるで魔法のような技術ですよね。

 

 

「この腕は、もう他人じゃない」ある女性の感動的な変化

 

この技術によって、人生が劇的に変わった女性がいます。ヨハン・マリー・ヘムネスさんです。

 

彼女は2017年に脳出血で倒れ、左半身麻痺が残りました。リハビリでは「歩くこと」に重点が置かれ、腕の回復は後回しにされてしまったそうです。

 

「自分の腕なのに、言うことを聞いてくれない。まるで他人の腕のように感じて、腕に『ジェニー』という別の名前をつけて呼んでいたんです。動かない腕が邪魔に感じて、切り落としてしまいたいと思ったことさえありました」

 

こんな彼女がこのロボットアームを装着した瞬間、信じられないことが起きました。

 

  • 体の一部だと感じられるようになった。
  • 自分の力で野菜を切ることができた。
  • 入れ物のふたを開けることができた。

 

「これを装着していると、また元の自分に戻った気がする」と笑顔で話します。

 

 

2026年、自立に向けた新しい一歩が始まります

 

現在、40名ほどがこの装置の試用を終了しており、2026年の前半(4月〜6月頃)には、ノルウェーを皮切りに正式な製品として発売される予定です。

 

開発チームが何よりも大切にしているのは、「自立」です。人の手を借りずに、自分の意志で料理をし、歩くことができるようになることを目指しています。

 

最新のテクノロジーは、私たちを置いてけぼりにするものではなく、こうして「人間らしさ」を支えるために進化しています。 もし、あなたの周りでリハビリをがんばっている人がいたら、「こんな未来がすぐそこまで来ているよ」とぜひ教えてあげてください。 近い未来は、私たちが想像するよりもずっと明るいかもしれません。

 

 

 

参考記事:‘It Feels Like Me Again’: World’s First Arm Exoskeleton Gives Stroke Patients Independence

ライター:プロフィール

著者:堀江知子(ほりえともこ)|香港在住ライター

民放キー局にて、15年以上にわたりアメリカ文化や社会問題についての取材を行ってきた。

2025年からは香港に移住しフリーランスとして活動している。noteやTwitterのSNSや日本メディアを通じて、アフリカの情報や見解を独自の視点から発信中。

出版書籍:『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法 Kindle版』。

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