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セックスで本当に楽しめることを見つける方法

 

満足のいくセックスをするための第一歩は、自分が何を楽しめるのかを理解することです。自分の好みが分からないと、パートナーもどうやって満足させればいいのか分かりません。しかし、多くの人はさまざまな理由で、自分が何を好きなのか、何を求めているのかが分からないことがあります。文化的な偏見やセックスに対する羞恥心が、この知識のギャップを広げる要因にもなります。では、どうすればベッドでの好みを見つけられるのでしょうか?この記事では、自分の快感を理解する方法と、それを探求するためのリフレクション(振り返り)質問を紹介します。

 

ベッドでの好みを学ぶための実践的なヒント

 

1. エロティカ(官能的な作品)を読む・観る

 

「エロティカ」とは、性的に明示的な文学作品や芸術作品のことです。これは、性的な興味を一人で、またはパートナーと一緒に探求するのに役立つツールになります。エロティカには、小説、短編、音声作品、イラストなどさまざまな形式があります。エロティカを探索し、自分がどのような内容に興奮するのかを知ることで、セックスにおいて何を楽しめるかを把握しやすくなります。

 

2. 自分の体を探求し、マスターベーションをする

 

パートナーと試す前に、まずは自分自身の体を意識的に触れて探求してみましょう。それは、性器だけでなく、全身を含めた試みであるべきです。例えば、優しいタッチと強めのタッチを試してみたり、自分が「好きなはず」と思い込んでいることを一度手放して、自由に探求してみたりすることが大切です。また、マスターベーションの方法を変えてみるのも良いでしょう。たとえば、狭い範囲への刺激と広い範囲への刺激を試したり、セックストイを使用したり、座った状態と横になった状態を比べたりすることで、新しい発見があるかもしれません。

 

3. 信頼できるパートナーと実験する

 

パートナーとのセックスで何を楽しめるかを知る最善の方法は、実際に試してみることです。ただし、自分の好奇心や不安、迷いについて話し合える信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。この話題を持ち出す際は、相手が落ち着いて話せる状態であるかを考慮し、考える時間を与えましょう。もし試すことに合意したら、明確な期待値を設定し、「セーフワード(中止の合図)」を決めておくのも良いでしょう。実験が終わった後は、時間をおいて振り返り、また試したいかどうかを話し合いましょう。

 

リフレクション(振り返り)質問

 

セックスに対する自分の感情を理解することは、欲求を明確にするのに役立ちます。以下の質問を自問してみることで、自分が求めるものをより深く理解できるかもしれません。

 

  • 自分の体のどの部分に触れられると特に気持ちいいか?
  • パートナーに触れられたくない部分はあるか?
  • セックストイや小道具をセックスに取り入れることに対してどう感じるか?
  • 自分の性的トラウマについて考慮すべき点はあるか?
  • 「ダーティートーク(卑猥な言葉)」は好きか?
  • 主導権を握りたいか、それともリードされるのが好きか?
  • 受ける刺激と与える刺激、どちらをより求めているか?
  • セックスを通じてどのような感情を味わいたいか?(愛されていると感じたい、セクシーに感じたい、力強さを感じたい、支配されたいなど)
  • どのような性器への刺激が好みか?
  • 挿入を望むか?
  • セックスの後にどんなケア(アフターケア)があると心地よいか?

 

 

まとめ

自分がベッドで何を楽しめるのかを知ることは、パートナーに指示を出し、満足度を高めるために重要です。自己探求や振り返りの方法を活用することで、自分にとって最適なセックスを見つけることができるでしょう。性的トラウマや羞恥心が、自分の好みを見つけることを妨げる要因になることもあります。もしセクシュアリティについての理解を深めることに困難を感じている場合は、セックスセラピストに相談するのも一つの選択肢です。

お産は「痛い」でなく「気持ちがいい」もの。ドゥーラのサポートで本来の自分に戻った出産体験とは【バースドゥーラの木村章鼓さんインタビュー】

 

「お産は痛いもの」――そう思っている人は多いかもしれません。でも、今回お話を伺ったバースドゥーラの木村章鼓さんは、「お産はきもちいい体験だった」と語ります。実際に2回の自宅出産を経験し、個人の出産体験には、「女性の人権」や「選択の自由」など、社会的・経済的・文化的側面が大きく関わることを知っていったと話します。

 

そもそもバースドゥーラとは何をしてくれる人なのか? 産婦さんにどんな変化をもたらすのか? 木村さんの体験を通じて、バースドゥーラがいることで「お産がどう変わるのか」が見えてきました。そして今、日本でも注目を集めるバースドゥーラの役割と、その広がりの理由についても深掘りしていきます。

 

 

ーー木村さんは、自宅出産を2回されていますが、どんな体験でしたか?

 

日本とアメリカで、自宅に助産師さんを招いて水中出産をしました。その経験は「自分の自律性(autonomyオートノミー)を持つことが人生を生きていく上での底力になる」ことを強く感じさせる体験でした。「痛い」「辛い」「怖い」のがお産だと思っていましたが、実は「気持ち良くて、楽しくて、辛くない」ことがとことん腑に落ち、驚きました。こういうお産の文化は、日本ではあまり知られていないのではと思います。

 

産婦人科医の先生と比べて、助産師さんの存在はあまり認知されていないかもかもしれません。でも、「お産の医療化」という流れの中で、精神的にも肉体的にもお産を支えてきたのは日本の産婆さん、つまり助産師さんだったと思うんです。

 

私はありがたいことにすばらしい助産師さんに出会い、21年前に素晴らしいお産をさせてもらいました。私一人が体験するだけでいいのだろうかという罪悪感が出るほどだったんです。

 

それから私もバースドゥーラになりたいと思って、この20年間ずっと走り続けてきました。

 

 

ーー多くの女性が、出産は痛いものだと考えますが、そうではなかったのですね?

 

ミシェル・オダンという80代のフランスの産婦人科医がお産について興味深い調査をしています。彼は若い頃から、フランスの国立病院の中に「野生の部屋」と名付けた部屋を設けました。女性が野生に戻るために部屋を薄暗くし、洞窟の奥にこもったような感覚になれる部屋を作ったんです。すると、この部屋で出産する多くの女性が安産だったのです。この調査から、外部から介入やコントロールされないお産は、本人の野生的部分や五感を発動させ、お産の痛みではなく、質の高い心地よさをを生み出したことがわかりました。

 

私自身も女性の体について学んでいくうちに、私たちが知らないだけで、女性の体に起きることはこんなに深い意味があり、日本の助産師さんのケアレベルが世界的に見てもそうとう高く素晴らしいものだったということを知り、大きな衝撃を受けました。

 

ーー日本の助産師さんのケアレベルは世界とどう違うのですか?

 

日本の助産技術で筆頭に挙げられるのが「会陰保護」です。日本の助産師さんが辛抱強く待てるのは豊かな経験の裏返しでもあります。会陰が和紙のように伸びると、赤ちゃんの頭が産道をくぐってきても割けることなく、外科的な処置の必要もないのです。これは、体にとって健やかで優しく痛みのないお産となります。こういう会陰保護の技術があるのはすごいなと気づきました。

 

例えば、日本の助産師さんは熱いお湯を洗面器にはって持って来てくれます。その洗面器に清潔なガーゼを浸し、熱いうちにキュッと指先で絞って、女性の会陰に押しくらまんじゅうのような力で押し戻してくれます。それを繰り返すと会陰も慣れ潤いが増し、初産でも会陰は裂けにくくなるものです。そんな風に丁寧に大切に会陰を扱ってもらう経験は「ご神体として大切に体を扱ってもらった」という財産になります。ですから、私は助産師さんに恩返しをしたいし、こういうお産を体験する女性が一人でも増えてほしいと思っています。

 

 

 

「この記事に使用している写真の2、3枚目はすべて2025年春に木村章鼓さんの立ち合った自宅出産(地元の助産師さんたちとの協働)の様子です。レボゾという布を使った手技で妊産婦さんを適宜リラックスさせています」

 

ーーバースドゥーラと助産師の違いは?

 

医療者か被医療者かの違いがまずは筆頭に挙げられます。私たちバースドゥーラは非医療的な関わりをしていきます。医学的な見地からお話をすることはなく、何かあった時に「この専門の先生に見てもらうといいですよ」とか「こういう鍼灸師さんがいますよ」といった橋渡し役をやっていますね。

 

ーー日本でバースドゥーラの認知度は広がっているのでしょうか?

 

私が理事をさせていただいている「ドゥーラシップジャパン」という一般社団法人が、日本では一番古いバースドゥーラの団体です。バースドゥーラの認知度は、テレビなどのメディアにとりあげられるようになり高まっていますし、利用する女性も増え、産後のケアに特化した団体も増えています。

 

一人の女性が出産する回数が減ってきている今だからこそ、その一回、二回の貴重な体験をより良い体験にし、大切な子供たちをどう産み育てていくかということに意識を払っているお母さんが増えていると感じますね。

 

 

ーーバースドゥーラは、具体的にどんなサポートをしてくれるのでしょうか?

 

ケースバイケースで個人差がありますね。自宅分娩の方なら、そのままお家でお産。病院など外部施設でお産の場合も、バースドゥーラは寄り添い、お産に向き合う女性を「女神のように丁寧に扱って心情的なサポートに徹する」というのが根幹です。

 

例えば、アロマセラピスト専門の方だったら香りだったり、他にも音楽、照明や、環境的なものをセッティングするということもバースドゥーラの目配りする分野に入ります。妊婦さんだけでなく家族全体もサポートします。

 

例えば付き添いのお父さんが所在投げにしていたら「コーヒーを飲んで外で休んできたらどうでしょう」なんて声をかけることで、逆に元気になって部屋に戻ってきて心身ともに心構えできる男性もいますね。逆にお父さんのタイプによっては「ずっと奥さんの背中をさすっていてあげてください」とお願いする場合もあります。

 

分析的なマインドが働きがちな男性は出産時に奥さんの会陰を凝視してしまうこともあるんですね。でも女性にしたら恥ずかしいですし、膣をずっと観察されるのはちょっと…という方もいますよね。その場合もバースドゥーラが適切に対応します。

 

バースプランを立てる時に、ご希望に応じて、どんな風にバースドゥーラがクッション役として関わり、皆さんがサポートし合えるかを判断します。妊婦さんの身体的な快適さのためのお手伝いだけでなく、お父さん、お子さん、義理のお母さんや、実家のお母さんなどへの対応はそれぞれで語り尽くせないですね。

 

産後は「お産のふりかえり」と呼ばれる体験の聞き取りも行います。女性が「あの時言われた一言が傷ついた」など後から思わぬことを思い出したりすることがあるものです。出産直後に行うのが良いので、お産から数日とか数週間してから女性の希望に応じて行います。このふりかえり以外にはもちろん身の回りのケアも大切な役割です。

 

ロンドンで私がバースドゥーラをしていた時に、産後数ヶ月のお母さんが私に、「赤ちゃんを抱っこしていてほしい」とおっしゃいました。「プールで泳ぎたい」と言うんです。「産後にプールだなんて体が冷えてしまうからダメ」なんて専門家的な目線で言いたくなる人もいますが、その方はずっと泳いできた方で出産で泳ぎを中断し、またすぐに泳ぎたいという方だったんですね。産後の女性が必要としているのが、泳ぐことなら、安心してプールに行ける環境を整えるのがバースドゥーラの役割です。

 

産後の女性は普段と異なる環境で多くのプレッシャーを感じながら育児を頑張っているので、見えないストレスをどうほどいていけるのか提案をすることで、バースドゥーラがいるといないとではずいぶん違うのではと思います。バースドゥーラがいることで、自分が本来の自分に戻る心の余裕が生まれます

 

 

 

 

ーーバースドゥーラをお願いしようかと悩んでいる方に伝えるとしたら何になります?

 

私たちは母親である前に、一人の女性として生きています。そして私たちは、周りとのつながりの中で生かされています。自分が生きているというよりも、周囲との調和の中で生きることが大切です。バースドゥーラがいることで、自分を俯瞰して見ることができるようになります。「一人で全部頑張ろう」と思っていた自分が、実は助けが必要だと気づき、自分の弱さを受け入れて回りに頼ってもいいのだということがわかるでしょう。ですから、バースドゥーラという信頼できる人がいることで、心に余裕が生まれると思います。

 

ーー バースドゥーラはどうやって探せますか?

 

私が理事をさせていただいている「ドゥーラーシップジャパン」では、日本各地のバースドゥーラを登録制にしてご紹介していますので、まずはホームページをご参照ください。

 

ーーバースドゥーラを見つける時に注意すべきことは?

 

ご自身の直感を信じることですね。この人は良さそうだとピンとくる人が数人いたら、すべての候補者に会って相談をしてみてください。共振共鳴して「この人にお産の場にいてほしい」と体がイエスの信号を出す人をいかに選べるかですね。いかに、自分の直感を尊重できるかが大切な点でしょう。

 

ーーバースドゥーラさんが見つかったら、産後どのくらいの期間サポートをお願いするものですか?

 

これも個人によりますね。産後も、毎週必要とする方もいれば、母乳育児が波に乗ったから、産後は数回で卒業される方もいらっしゃいます。一歳、二歳なるまでお願いする方もいらっしゃいました。

ーー木村さんが主催されているバースドゥーラ養成コースとは?

 

私からバースドゥーラ養成クラスを受けたいというリクエストをいただいたことがきっかけで、四年前に始めました。ヨーロッパやアメリカなど各地域から日本人の方が参加しています。半年間のオンラインプログラムですが、講師として私も学ばせてもらうことが多いです。

 

受講者には、看護師さんや助産師さんなど、医療従事者の方もいて、医療が立ち行かなくなってきている心の領域、数値では表しにくい心のケアをどういうふうに補っていけるかというところで、バースドゥーラに興味を持ってくださる方が増えてきています。

 

2025月4月に終わり、2025年秋か年明けに新しい受講生さんを募集する予定です。

ーーこれから出産を考えている、または控えている女性に木村さんが伝えたいメッセージは?

「お産は誰のものですか?」ということですね。私たちのお産体験はどんどん一極集中化しているのが今の社会の流れです。この流れに抗って、自分の感覚を大切にし、これでいいのか?と考えた時にこれでいいんだって思ったらそれでいいし、ちょっと違うのなら、立ち止まって問いかける姿勢がますます重要な時代ですよね。

 

健康で自然な出産文化を日本に残したいと思っています。戦後、自宅出産が90%だった時代から、施設出産が推進され、今では99%が病院で出産されています。医師たちのケアは医学的モデルに沿い、外科的処置になりがちですが、一方の助産師たちは月経と同じ女性の生理的なプロセスであるお産をサポートする役割を今も果たしています。

 

だから、目先の手軽さだけでなくて、10年後、20年後の自分と赤ちゃんの健康を見据えて、誰とどこで産むのかという選択をしてほしいなと思います。

 

自分の力で子供を産むことで、女性は自尊心を感じることができます。私は、そうした自立した女性が社会にますます増えていくことを願っています。

 

 

 

ーー 木村章鼓さんプロフィール

バースドゥーラ/ドゥーラシップ ジャパン理事/日本語による初のバースドゥーラ養成スクール主宰

 

8都市20年の海外生活で産みゆく女性に寄り添いつつ健康的な衣食住の大切さを伝える。周産期医療に携わる医療従事者向け専門誌『周産期医学』(東京医学社)寄稿、『ペリネイタルケア』(メディカ出版)連載実績、お話会(慶應義塾大学、上智大学、筑波大学等)、雑誌『岩戸開き』(ナチュラルスピリット社)、『Veggy』(Kirasienne)インタビュー等、海外4ヶ国講演ツアー、日本全国の自治体等での講演活動、1dayワークショップ、レボゾ(布を使った施術)トレーニングや、ウーマンズリトリートなど合宿型体験学習をリード。二児の母でありバースアクティビストでもある。 

 

共訳書籍 『自己変容をもたらすホールネスの実践 〜マインドフルネスと思いやりに満ちた統合療法〜』原題: The Practice of Wholeness ~Spiritual Transformation in Everyday Life~

インスタグラム:https://www.instagram.com/lovedoulakiko

【映画レビュー】ナプキン一枚が変える未来――インドの女性たちの闘い

 

生理用ナプキンは特権である

 

生理が当たり前に受け入れられている社会で育った私は、生理という自然な身体の機能が、これほどまでに偏見の目で見られるとは考えたこともありませんでした。Netflixのドキュメンタリー『Period. End of Sentence.』は、インドの一部地域における生理の扱われ方や認識について、衝撃的な現実を映し出しています。

 

映画の冒頭では、インドの少女たちが生理について尋ねられ、赤面したり、答えを躊躇したりする様子が映ります。多くの少女たちは語ることを恥じ、中には完全に口を閉ざしてしまう子もいました。

 

私は、生理がタブー視されたり、病気のように扱われたりしない国で育つことができました。しかし、インドでは、知識不足のために、一部の男性たちが生理を病気だと誤解しているのです。

 

私は14歳で初潮を迎えましたが、周りの友人たちは1~2年前からすでに生理を経験していました。自分だけが遅れているのではないかと不安になり、生理がきたときはホッとして、少し嬉しくさえ感じました。

 

しかし、インドでは事情が異なります。少女たちは生理がこないことを願いながら過ごしています。痛みや不便さを恐れているのではなく、生理用品が手に入らないためです。ナプキンがないために、服を汚し、それを頻繁に取り換えなければなりません。

 

ドキュメンタリーの中で、一人の女性が学校を辞めることになった理由を語っています。彼女は中学生のときに初潮を迎えましたが、ナプキンが手に入らず、布を巻いて対処していました。その布を取り換えるために、授業を何度も抜けなければいけないし、男性の視線を避けるために遠くまで歩かなければいけない。それに耐えられなくなり、最終的に学校を辞める決断をしたのです。

 

このドキュメンタリーは、私たちが当たり前のように使っている生理用ナプキンが、多くの女性にとっては手の届かない「特権」であることを痛感させます。

 

 

 

この現実に憤りを感じる

 

生理はごく自然な生理現象であり、人類の存続に関わるものです。社会がその基本的な機能を理解しないがために、女性の人生が制約されるべきではありません。しかし、インドでは性教育の不足により、多くの女性が生理中に使う布を洗って再利用するよう指導されています。恥ずかしさから、その汚れた布を人目につかないように埋めることさえあるといいます。

 

映画には、デリー警察で働くことを夢見るスネハという女性が登場します。警察官になるという彼女の夢は「結婚から自分を守るため」でもあります。彼女は村の中で孤立しながらも、結婚を拒み、独立を求める強い意志を持っています。

 

スネハは「女性は生理中に寺院に入ることができない。汚れているとみなされるか」と、厳しい現実を語ります。しかし彼女はこの考えに疑問を抱きます。「だって、神様だって女性でしょ? だったら私たちの気持ちをわかってくれるはず」。

 

この映画が制作された2018年時点では、インドで定期的にナプキンを使用している女性はわずか10%に過ぎませんでした。しかし、インドでも少しずつ変化の兆しが見え始めています。それは「ナプキン製造機」と呼ばれる装置ができたことです。特定の原料を用いて生理用ナプキンを製造できるこの機械は、全ての女性がナプキンを使えるようにすることを目的に作られました。

 

映画の中で特に印象的だったのは、ナプキン製造機の開発者が村を訪れ、使用方法を教える場面です。彼は「集中するために携帯電話をしまって」と指示します。その光景は皮肉なものでした。携帯電話を持つことは当たり前なのに、生理用ナプキンを持つことはまだ普通ではないのです。生理は太古の昔から続く現象なのに、未だにタブー視されるのはなぜなのか。もしかすると、これは性差別の一形態なのではないか。インドのように男性が支配的な社会では、彼ら自身が経験しない生理を「奇妙なもの」と捉え、恐れ、無視し、時にはコントロールしようとするのではないか。

 

 

私の初めての生理の記憶

 

私が初めて生理になったときのことを思い出します。父とレストランにいたときでした。トイレで血を見てパニックになり、急いでトイレットペーパーを下着に巻きました。そして、父のもとへ駆け寄り、状況を説明しました。父は一瞬戸惑ったものの、すぐに隣のコンビニに走ってナプキンを買ってきてくれました。

 

なぜなら、生理は普通のことだからです。

 

男性は生理を「気持ち悪い」「変だ」と思うべきではありません。生理は、女性が毎月経験するものです。にもかかわらず、世の中には、女性の身体の仕組みをあまり理解していない男性が多いように思います。

 

ナプキン製造機が村に導入されたとき、男性たちはその用途を知らず、赤ちゃん用のおむつだと思い「子ども用のナプキン」などと呼んでいたのです。

 

映画の後半では、ナプキン製造機の導入を通じて、女性たちが自立していく姿が描かれています。スネハは女性たちを率いてナプキンを製造し、他の村へ販売しに行きます。少しずつ興味を持つ女性が増え、ナプキンの購入者が現れます。それによって女性たちは収入を得て、誇りを感じるようになります。スネハが初めてナプキンを売ったときの喜びに満ちた表情が、とても印象的でした。

 

映画の中で、ある女性校長がこう言います。

 

「女性はあらゆる社会の基盤です」 そして、少し躊躇しながらも続けました。
「私はちょっとフェミニストかもしれません。でも、女性はもっと強い存在です。ただ、それに気づいていないだけ。自分たちにどれほどの力があり、何ができるのかを」

 

生理用ナプキンを作ることが、初めての仕事になる人もいます。そして、収入を得ることで自立し、男性からも尊敬されるようになります。もちろん、男性の承認を得ることが女性の自己価値につながるわけではありません。しかし、彼女たちにとっては大きな一歩なのです。

 

ナプキン製造機が稼働するたびに、村の男性たちも関心を持ち始めます。そこから教育が始まるのです。小さな好奇心の火が、意識の変化という大きな炎へと広がり、より平等で支え合う社会を築いていくのではないでしょうか。

 

🔗 The Pad Project の活動を支援するには、公式サイト www.thepadproject.org をご覧ください。

セックスに対する恥じらいの正体を、自分なりに考えてみた

 

私は、「セックス」という言葉を口にするだけで、どこか気恥ずかしさを感じます。

 

あなたの周りにも「性的な会話や欲望は隠すもの」という空気が漂っていませんか?性に対するタブー感はいったいどこからやってくるのでしょう。

 

家族との会話で避けられる話題、学校での遠回しな性教育、メディアの過剰な表現と規制……。知らず知らずのうちに「セックスに関することは口にしてはいけないこと」というメッセージを受け取ってきたのかもしれません。

 

しかし、本当にセックスは恥ずべきものなのでしょうか?

 

私の中にある恥ずかしさの正体や、心の奥で望んでいることを考えてみました。

 

 

私の中にある「恥ずかしさ」の正体

 

私がセックスに恥ずかしさを感じる理由のひとつは、単純に「セックスはプライベートな部分をさらけ出す行為だから」です。身体的にも、感情的にも、自分の深い部分を相手に見せることには、ある種の照れや抵抗が伴います。

 

 

でも、それだけではないように感じます。

 

 

「女性のセクシュアリティは恥ずかしいもの」という意識が、どこか私の心の奥底に根付いているように思います。性的な欲望や快楽を表現すること自体を「恥ずかしい」と感じてしまうのはなぜなのでしょうか。

 

 

思い返せば、子どもの頃から「性」についてあまり触れられずに育ってきました。学校でも、家庭でも、性に関する話題はどこかタブー視され、オープンに語られることは少なかったです。セックスに関する話をするのは「はしたないこと」、性的な興味を持つのは「よくないこと」。そんな無言のメッセージを受け取りながら大人になった気がします。だからこそ、性にまつわることを隠すのが当たり前になり、それが「恥ずかしい」という感情につながっているのかもしれません。

 

 

しかし、本来セックスは単なる生殖行為ではなく、大切な人との愛情表現のひとつでもあります。身体の内側から「気持ちがいい」と感じることは、決して後ろめたいことではなく、自分を大切にする行為でもあるはずです。

 

 

性について、もっと自然に、オープンに話せるようになるためには、幼い頃からの性教育が大切なのかもしれません。

 

 

もう少し性を楽しんでみたい。30代後半の変化

 

 

これまで私は、性に対してとても真面目に向き合ってきました。身体の関係を持つのは、きちんとお付き合いをしている人だけ。ワンナイトや浮気、不倫はもってのほか。周りがどうであれ、それが自分のポリシーでした。

 

 

でも最近少しだけ思うことがあります。もう少し、性を楽しんでみてもいいのではないかと。自分が気持ちいいと感じること、心地よいと感じることを、もっと素直に受け入れてみたいなと。

 

 

とはいえ、私は既婚者であり、子どもがいます。パートナーを裏切って家庭を壊すリスクを負ってまで、自分の快楽を外に求めることはできないでしょう。

 

 

でも、自分にも性欲があること。性を楽しみたいという前向きな気持ちがあること。それを恥じることなく、認めてあげようと思います。どんな方法でその感情を満たしてあげるのかは、模索中……!

 

 

 

性と向き合うことは、自分の心と体と向き合うこと

 

性に関する感じ方は、人それぞれです。セックスをしない「アセクシュアル(エイセクシュアル)」の人もいれば、セックスそのものを楽しむ人もいます。愛する人とのスキンシップを大切にする人もいれば、心のつながりがないと性行為を求めない人もいます。どの価値観も間違いではなく、大切なのは自分がどうありたいかを自分自身で選ぶこと。

 

 

性について考えることは、単に「セックスをどう捉えるか」という話ではなく、「自分の心と身体をどう大切にするか」ということにつながっているように思います。セックスという行為を、恥じたり、否定したりするのではなく、自分の気持ちを素直に受け止めること。それこそが、自分自身と向き合うための一歩なのかもしれません。

性交時の痛みについて:原因と対処法

 

多くの人が経験する性交時の痛み。その原因は、身体的な疾患、心理的な要因などさまざまです。時には、パートナーとの関係や心の健康にも影響を及ぼすことがあるでしょう。

 

性交痛は身体的・精神的な両面から適切に対処することで、不快感を軽減し、パートナーとの親密な関係を取り戻すことが可能です。

 

本記事では、性交時の痛みの原因や対処法をご紹介します。

 

性交時の痛みの原因を理解する

性交時の痛み(性交痛(dyspareunia))は、身体的な原因と精神的な原因の両方によって引き起こされる可能性があります。その根本的な原因を理解することが、適切な対処への第一歩です。研究によると、この原因は広範囲にわたり、身体的な疾患から心理的なストレス要因までさまざまです。

 

身体的な原因

 

膣痙攣(vaginismus):骨盤の筋肉が無意識に収縮し、痛みを伴う状態
子宮内膜症(endometriosis):子宮内膜組織が子宮外に増殖し、痛みを引き起こす疾患
骨盤炎症性疾患(PID):感染症によって骨盤内に炎症が生じる

 

これらの疾患は、挿入時の強い不快感を引き起こす可能性があり、医療的な治療が必要となる場合があります。

 

感染症や医学的な問題

 

膣の乾燥:ホルモンバランスの変化(更年期など)が原因で起こることが多い
膣炎・尿路感染症(UTI):細菌感染が性交時の不快感を引き起こす

 

研究によると、これらの要因が性交時の快適さに直接影響を与えることが示されています。

 

心理的な要因

不安・ストレス:性交に対する緊張や過去のトラウマが影響を及ぼす
関係性の問題:パートナーとのコミュニケーション不足が痛みを悪化させる

 

研究では、心理的・感情的な要因が筋肉の緊張を引き起こし、性交時の痛みにつながることが分かっています。

 

参考:性交痛とは|咲江レディスクリニック

 

第一歩:身体的な原因を除外する

性交時の痛みが続く場合、まずは医療機関を受診し、身体的な原因を特定することが重要です。産婦人科医、泌尿器科医、骨盤痛専門医などの診察を受け、必要に応じて以下のような検査を行います。

 

内診・画像診断(超音波検査、MRI など)
ホルモン検査・細菌検査(膣の乾燥や感染症の有無を確認)

 

骨盤底リハビリテーション

 

膣痙攣や骨盤痛の治療として、骨盤底理学療法(Pelvic Floor Therapy)が推奨されることがあります。この療法では、特定のトレーニングを通じて骨盤の筋肉をリラックスさせ、痛みの軽減を目指します。研究によると、骨盤底リハビリテーションは性交痛の治療に効果的であることが示されています。

 

 

痛みが心理的な場合の対処法

身体的な原因を除外したにもかかわらず痛みが続く場合、次のステップとして心理的要因を考慮する必要があります。

 

パートナーとのコミュニケーション

 

パートナーと率直で非批判的な会話をすることが重要です。研究ではオープンなコミュニケーションが性交の満足度向上につながることが示されています。

 

感情的な親密さを重視する

 

性交を焦点にするのではなく、キスやハグ、スキンシップを増やすことが効果的です。これにより、セックスに対する不安が軽減され、満足度が向上することが研究で示されています。

 

セックスセラピーの役割

 

性交痛が心理的な要因によるものである場合、セックスセラピストのサポートが有効です。

 

セックスセラピーでは、以下のような方法が用いられます。

 

認知行動療法(CBT):性に対する不安や否定的な考え方を修正
マインドフルネス療法:性交時の痛みを軽減し、快適さを向上

 

研究によると、セックスセラピーは身体的・心理的な性交機能障害の治療に有効であることが分かっています。

 

カップルカウンセリングの利点

 

性交痛は、当事者だけでなくパートナーとの関係にも影響を与えることがあります。そのため、カップルでのカウンセリングを受けることも一つの解決策となります。

 

カップルセラピーでは、以下のような課題に取り組みます。

 

お互いの性的期待や境界を話し合う
パートナーが感情的にサポートできるようにする

 

研究によると、カップルでカウンセリングを受けることで感情的なつながりと性生活の満足度が向上することが分かっています。

 

性交時の痛みに対処するための実践的アドバイス

 

専門的なサポートと並行して、以下のような実践的な方法も役立ちます。

 

潤滑剤を使用する:潤滑剤を使用すると摩擦が軽減され、膣の乾燥による痛みを防ぐことができます。
時間をかける:前戯を長くすることで、身体がリラックスし、痛みの軽減につながります。
骨盤底筋エクササイズ(ケーゲル体操):骨盤底の筋肉を鍛えることで、骨盤の血流を改善し、痛みを軽減できる可能性があります。
異なる体位を試す:敏感な部位への圧力を減らすために、さまざまな体位を試してみるとよいでしょう。

 

専門家のサポートを見つける

 

性交時の痛みがパートナーとの関係に影響を与えている場合は、専門的なサポートを求めることが大切です。「セックスセラピー 近く」や「カップルカウンセリング」を検索し、適切な専門家を見つけましょう。

 

 

まとめ

性交時の痛みは、身体的な要因(骨盤痛、感染症など)や心理的な要因(不安、トラウマなど)によって引き起こされます。しかし、適切なアプローチを取ることで、対処することが可能です。

 

まずは医療機関で身体的な要因を特定
心理的な要因が関与している場合はセックスセラピーを活用
カップルカウンセリングで関係性の改善を図る

 

性交痛は一人で抱え込むべきものではありません。適切な専門家のサポートを受けることで、快適で親密な関係を取り戻すことができます。

更年期の不調に負けない!症状別おすすめアイテム&対策

 

閉経は、最後の生理から12か月が経過した時点で正式に確定します。平均年齢は52歳で、45歳から58歳の範囲内で起こることが一般的です。 そして、よくある誤解とは異なり、ある日突然ホットフラッシュに襲われるわけではなく、40代後半から徐々に症状が現れる「更年期(ペリメノポーズ)」という段階があります。  

 

しかし、最近まで更年期に関する本格的な議論がほとんどなかったため、多くの人は典型的な症状に気づいていません。例えば、性欲の低下、関節の痛み、物忘れなどが単なる「加齢」のせいだと思われがちですが、実際には体内で特定の変化が起きており、それはホルモンレベルの変動によるものです。  

 

この時期に大きく減少する主要なホルモンは「エストロゲン」です。エストロゲンは、性機能、コラーゲン生成、睡眠、骨密度、脳機能、膣や外陰部の潤いと弾力、心臓や血管の健康維持などに深く関わっています。そのため、更年期や閉経を迎えると、以下のような症状が現れることがあります。  

 

– 性欲の低下  

– 脳の霧(ブレインフォグ)  

– 夜間の発汗やホットフラッシュ  

– 睡眠障害や不眠  

– 膣や外陰部の乾燥やかゆみ  

– 性交時の痛み  

– 気分の浮き沈み  

– 不安感やうつ症状  

– 骨の脆弱化  

– 尿路感染症(UTI)の増加  

– 尿失禁  

 

にもかかわらず、多くの女性はこれらの症状が「本当に医師に相談すべきものなのか」確信が持てません。しかし、このリストを見れば、誰もが我慢したくない症状ばかりです。こうした背景から、新しい「更年期ウェルネス」業界が登場しました。  

 

現代の更年期対策は、エストロゲンが担っていた機能を補う形で、問題にピンポイントで対応しています。その中でも、多くの女性が更年期や閉経期にホルモン補充療法(HRT)を選択しています。もしあなたもHRTを検討しているなら、ここで紹介する対策は、HRTと併用しても問題なく、安全性が確認されたものばかりです。  

 

以下では、更年期の女性からよく聞く代表的な4つの問題と、それを解決するためのおすすめの方法をご紹介します。

 

問題①:性交時の痛み

解決策:セックスウェッジピロー 

 

更年期に伴うホルモンの変化により、膣が短く、狭く、弾力を失いやすくなり、性交時に痛みを感じることがあります。この痛みを軽減する方法はさまざまありますが、即効性のある解決策のひとつが、高品質なセックスウェッジピロー「The Prim」です。  

 

The Primは、挿入時の角度を調整し、より深く、スムーズに感じられるようサポートしてくれます。さらに、更年期による関節の炎症を軽減するため、する設計になっています。内部は高密度フォームで作られており(通常の枕よりもしっかりした硬さ)、外側はリネン素材のクッションカバーで覆われているため、ベッドに置いても「セックスグッズ」とは気づかれにくいデザインです。  

 

問題②:ホットフラッシュ  

解決策:『Hot Flash Tea』で体をクールダウン

 

 

更年期のホットフラッシュは、突然のほてりや発汗を引き起こし、日常生活や睡眠に影響を及ぼします。これは、エストロゲンの減少により体温調節が乱れることが原因です。ホットフラッシュを和らげるための方法はいくつかありますが、自然なアプローチとしておすすめなのが、「Hot Flash Tea(ホットフラッシュ・ティー)」です。  

 

Hot Flash Teaは、ホットフラッシュの頻度や強度を軽減するために特別にブレンドされたハーブティーです。主な成分には、ブラックコホシュ(ホルモンバランスを整える)、オーガニック エキナセア(栄養の吸収効果)、オーガニック ワイルドヤム(血流効果)などが含まれています。これらのハーブが相乗効果を発揮し、ホットフラッシュによる不快感を和らげ、穏やかな気持ちへと導いてくれます。  

毎日の習慣として取り入れることで、自然な形で更年期の症状をケア できるため、サプリメントやホルモン療法と組み合わせて使うのもおすすめです。

 

問題③:コラーゲンの減少

解決策:ペブチドのサプリメント  

 

 

更年期に入ると、エストロゲンの減少とともにコラーゲンの生成が急激に低下 します。実は、肌のコラーゲンの約30%が更年期の最初の5年間で失われる といわれており、これがシワやたるみ、髪のハリの低下、関節のこわばり、骨密度の低下につながります。

 

コラーゲンは、肌、髪、爪、関節、骨の健康 に不可欠な成分です。しかし、年齢とともに体内での生成が減るため、食事やサプリメントで補うことが重要になります。

 

コラーゲンを効率よく補給するなら、「Vital Proteins Collagen Peptides」 がおすすめです。このサプリメントは、体に吸収されやすい加水分解コラーゲン(ペプチド)を含んでおり、毎日のコーヒーやスムージー、スープに簡単に混ぜて摂取できます。

 

Vital Proteins Collagen Peptidesは、高品質なグラスフェッド(牧草飼育)コラーゲンを使用し、無添加・無味無臭でどんな飲み物や食事にも混ぜやすいのが特徴です。さらに、ヒアルロン酸とビタミンCを配合しており、美容と関節の健康をサポート。肌のハリやツヤを保ち、髪や爪を強くする効果も期待できます。 

 

問題④:膣の乾燥・かゆみ 

解決策:グロースファクター(成長因子)セラム

 

 

エストロゲンの減少により、膣壁が薄くなり、乾燥やかゆみ、刺激を受けやすくなります。これは、体内で膣の粘膜を再生する成長因子が減少 することが原因ですが、幸いにもこれを補うことができます。  

「V-Health」は、夜に塗布するタイプの膣用セラム で、フェイスジェルのように使えます。このセラムには成長因子 が含まれており、肌に吸収されることで膣の保湿・弾力・ふっくら感 を向上させます。継続的に使用することで、膣の感染症リスクの低下や、性交時の快適さ・満足度の向上も期待できます。なぜなら、皮膚が厚くなり、より柔軟性が増す ためです。

 

更年期の症状は決して「我慢するもの」ではありません。自分に合ったケアを取り入れることで、より快適な毎日を過ごすことができます。

 

 

恋愛と不安:自分の気持ちを伝える方法

 

たとえ心と体が「言わないほうがいい」と訴えても

自分の気持ちを素直に伝えることは難しく感じることがありますよね。たとえ親しい人であっても、体は常に警戒した状態にあり、危険を知らせるサインを送ることがあります。良好なコミュニケーションスキルを身に着けるには、不安な気持ちをうまくコントロールし、明確に伝えることを意識していく必要があります。

私は専門家ではありませんが、自分のために意見をしっかりと言うことが大切だと強く感じています。今回は、「不安でいっぱいのときに、どうやって自分を守るための発言をするか」のヒントを紹介します。

 

① まずは体を大切にする

休息をとり、水を飲み、食事をしましょう。特に難しい状況に直面するときは、まず自分の体をしっかりとケアすることが大切です。私自身、体を整えることで心の健康もあとについてくると実感しています。

また、大切な話し合いの前には、パートナーが自分自身の体調を整えられているかも確認してみてください。

 

② 事前に話す時間を確認する

自分の気持ちについて話したいときは、パートナーが話せる時間を確認しましょう。できるだけ直接の対話をすることをおすすめします(テキストメッセージではなく、対面・ビデオ通話・電話が理想的です)。

いきなり本題に入るのではなく、まずは相手の同意を得ましょう。例えば、

「最近〇〇のことでとても悩んでいて、あなたに聞いてほしいんだけど、近いうちに話せる時間あるかな?あなたのサポートをお願いしたいんです」

と伝えると、パートナーが心の準備をしやすくなり、防衛的な態度をとることなく話を聞いてくれる可能性が高くなります。

 

③ ネガティブな反応を想定しすぎない

不安が強いと、頭の中で最悪のシナリオを考えがちですが、「考えたこと=真実」ではありません。
自己対話を通じてそれが思い込みでないかどうか、チェックしましょう。

例えば、話し合いの前に 「パートナーが怒るかもしれない。でも、それは私の想像にすぎない。実際の反応を予測することはできない」 と自分に言い聞かせることが大切です。

 

④ 「アイ・メッセージ」を使う

「アイ・メッセージ(Iメッセージ)」は、「自分」を主語にして伝えるコミュニケーション方法です。

NG例:「あなたはいつも私の気持ちを無視する!」(相手を責める表現)
OK例:「昨日の会話のあと、私は少し悲しくなった。」(主語を「私」にする)

事実を客観的に伝え、相手の意図を決めつけないことが重要です。

 

 

⑤ 望まないことではなく、望むことを伝える

「私は傷ついたから、あなたは〇〇をしてはいけない!」 という言い方は、関係を良くするどころか、逆にコントロールしようとする形になってしまいます。

「傷つかないようにする」よりも、「どうすればお互いが安心できるか」を考える方が建設的です。

 

40代の女性の性欲が強い原因とは?性欲がなくなる場合との違いや対処法

 

⑥ 境界線(バウンダリー)とルールの違いを知る

自分の望みやニーズを伝えるとき、それが 「ルール」ではなく「境界線」 になっているか確認しましょう。

ルール:「あなたは他の人の家に泊まってはいけない」(相手をコントロールしようとする)
境界線:「あなたが誰かの家に泊まるときは、お互いにサポートできる方法を話し合いたい」(自分の気持ちを伝え、話し合いを促す)

境界線は、自分の心身の健康を守るためのものです。相手を支配するのではなく、自分の感情やニーズを大切にするために設定しましょう。

 

⑦ パートナーや仲間たちに具体的なお願いをする

私たちは個人主義が強い社会で生きていますが、感情を抱えるのは自分の責任でも、そこに至るまでののプロセスを一人で抱え込む必要はありません。

 

サポートを求めるのは大切なスキルです。

 

「私は安心感がほしい。パートナーに何をお願いできるだろう?仲間に頼れることはある?セラピストに相談してみるのもあり?」

 

と考えることで、よりよいサポートを得られるかもしれません。

 

まとめ

  • まずは体を整える(休息・食事・水分補給)
  • 話し合いの時間を事前に確認する
  • 相手の反応を悪く想定しすぎない
  • 「アイ・メッセージ」を使う(責めずに自分の気持ちを伝える)
  • 「〇〇しないで!」ではなく、「〇〇してほしい」と伝える
  • 境界線を大切にする(ルールではなく、自分を守るための設定)
  • パートナーや仲間に具体的なお願いをする

恋愛において、不安があっても「伝えること」はとても大切です。一人で抱え込まず、パートナーや周囲と協力しながら、健全な関係を築いていきましょう。

セキララカードでセックス対談。セックスレス問題からテクニックを磨くコツまで本音女子トーク

 

セックスに関する話題は、家族や友人、さらにはパートナーともなかなか話しにくいもの。でも実際には、多くの人が悩んでいたり、もっと知りたいと思っていたりするのではないでしょうか。

今回、Humming編集部の舞麻と純が、『セキララカード』を使って夜の営みについて率直に語り合いました。スキンシップに関する悩みや、パートナーとの関係を深める秘訣まで、夜の女子会に参加しているような感覚で、本音トークをお楽しみください。

 

Humming編集長 永野 舞麻

1984年生まれ。16歳までを日本で過ごした後、海外へ移住。大学で出会ったアメリカ人の夫と結婚し、現在はカリフォルニア在住。3児の母。

高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。

今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。

 

Humming編集部Project Coordinator 條川純

1984年生まれ。アメリカ生まれ、アメリカ育ち。現在はひとり暮らしをしながら、生涯を共に過ごせるパートナーを探している。
ハミングを通して、自分自身と他者への優しさと共感を広めることをモットーにしている。

 

Q:一番好きなスキンシップは?

 

舞麻:私は後ろからギュッと抱きつかれるのが好き。なんだか安心するんです。夜中に目が覚めて寝付けない時などは、夫の腕の中にわざわざ潜り込んで彼の胸に私の背中をピタッとくっつけています。しばらくすると安心したのか、温かいからか寝落ちしています。笑

 

純:実は、私はスキンシップがちょっと苦手。手を繋いだり、ハグをしたり、そういったコミュニケーションをあまりしない家庭で育ってきたからかもしれません。だけど、今お付き合いをしている彼はスキンシップが大好き。「純の育ってきた環境もわかるけど、僕にとってスキンシップは愛されている証拠だから大切にしたい。触れ合いがないと不安になる」と言われてしまいました。

 

無理してスキンシップをするのはイライラしてしまうけど、罪悪感も感じるから、なるべくスキンシップをとろうと頑張ってます!たとえば、私があまり抵抗のない寝起きのタイミングにたくさん甘えておくとか、デート中には自分から手を繋ぐとか。スキンシップを自然にとれる女性が羨ましいです。

 

Q:忙しくても、充実したセックスライフを送るためにできることは?

 

舞麻:最近聞いて可愛いなと思ったのが、夫婦のどちらかが「そろそろセックスしたいな」と思った時に、ダイニングのテーブルにある置物を出すという秘密の合図を作っている知り合い夫婦がいます。

 

私はセックスがしたいと思ったら、自分から夫にゴロゴロって甘えながら寄っていくドストレートタイプなので、夫婦間の合図を作るのも素敵だなと思いました。

 

純:私は20代の頃は自分から求めるのが恥ずかしくて、男性から求められた時に応じていました。だけど、歳を重ねるにつれて、私にもセックスしたい時としたくない時があると自分の性欲に前向きに向き合えるようになってきました。今は自分の気持ちを大切に「セックスしたいな」と感じた時には自分からアプローチできるようになりました。とはいえ、私に気持ちがあるように相手にも気持ちがあるわけなので、難しいですよね。

 

私が「セックスしよう」と言った時に「オーケー!」と毎回応じてくれる人もいれば、なかなか私がしたいタイミングと合わない人もいて。30代の頃はセックスを拒絶されてプライドが傷ついたこともあります。

 

今お付き合いしている彼は、気持ちが盛り上がらないとセックスができない人。だけど、私にも性欲があるわけだから、どうしたら良いのかなと少し悩んでいて。今度セキララカードを使って彼ともセックスのことを話そうと思っています。

 

舞麻:純がセックスを拒絶されて傷ついたと話していたけど、男性も勇気を持ってアプローチしてきてくれてることを女性側も忘れちゃいけないと私は思っています。相手も勇気を出して誘ってくれているから、気分が乗らない時でも「今日嫌」「触らないで!」みたいな反応ではなく、「今日は疲れてるから週末しよう」とか、心が繋がってない状態で体が繋がることを考えられたいのであれば、「最近お互い忙しくて会話できてないから、まずは一緒に時間を過ごしたい。」など、光を閉ざさないような返答が大切かなと。

 

あとは、男性任せにしないで、 女性からもきっかけを作ることが大切だと思います。たとえば、「新しい下着を買ったんだ」と伝えてみたり、肌触りの良いシルクの寝巻きを着てみたり、キャンドルを焚いて雰囲気を高めてみたり。

 

そしてセックスの有無に関わらず、2人だけで話をする時間を持つことは絶対に大切。友達夫婦の男性側から「夫婦関係がうまくいっていない……」と相談されたことがあって、その時に「もし離婚の危機を感じているのなら、どんなに忙しくても週1回、30分でも良いから、奥さんと2人だけで過ごす時間を作った方が良いよ」と私なりのアドバイスしたことがあるんです。その後、2人だけの時間を持つようになってから、その夫婦は冷めきっていた関係が復活したんですよ!最近パートナーとご無沙汰だって人は、まずは2人で会話をすることからスタートするのもありだと思います。

 

純:確かに忙しいってことは、2人だけの時間がなかなか取れないってことだから、2人だけで会話をすることから修復するのはいいかもしれないですね。

 

 

Q:セックス中に気になる体の部位は?

 

純:セックスしている時に気になる部分と、日常で気になる部分は異なるなと。私は普段は足が気になるけれど、セックスの時にはお腹の贅肉とか、胸の大きさやポジションが気になります。以前付き合っていた方に体の気になる部分を言ってみたら、「セックス中にそんなの気にしないよ」と突っ込まれたけど。

 

舞麻:私はあごが気になる!寝っ転がって下を向くと、二重あごになるのがすごく嫌。騎乗位の時とか、自分のあごが今どうなっているのか気になって集中できない時があって。「彼は気にしていないのだから、今はあごのことを気にしちゃいけない」って自分の意識を戻します。笑

 

ただ、結局見た目は自分の問題で、相手はあまり気にしていないなって思います。あっ!けど、高校生の時にはじめて外国の方と付き合った時に、人づたえにアンダーヘアについて指摘されたことがあります。アンダーヘアを剃るっていう概念が当時の私にはなくて。だけど、何も処理していないのが彼は嫌だったみたいで、私の仲良しの友達に相談したようなんです。友達から「まさか、下の毛剃ってないの?」って言われて、「剃るってどこを?」と驚きました。それ以来アンダーヘアはきちんと処理しています。

 

純:私は男性にもアンダーヘアは綺麗にしていて欲しいと思ってます。見た目の問題というよりは、「私があなたを気持ち良くさせるためにアクセスしやすくしておいてね」という理由です。

 

Q:どんなキスが好き?

 

舞麻:アメリカだとみんなチュパチュパ音をさせてキスをするけれど、日本人ってキスする時にあまり音がしない気がする!音がしないキスは素面に戻っちゃうからちょっと戸惑います。

 

純:日本ではキスをする時に音が出るのは良くないことなのですか?

 

舞麻:恥ずかしいからかもしれない。他の国はどうなんだろう?香港や韓国の方と付き合っている知り合いがいるから、アジア人のキス事情、聞いてみようかな。

 

Q:セックスレス問題、どう思う?

 

純:私も初めて同棲した彼氏とはセックスレスになったことがあります。一緒に住んでしまうと、いつでもできるからこそしなくなるみたいな。当時はまだ未熟で、セックスレスの問題を話し合うことなく関係が終わってしまいました。ちゃんと向き合えなかったことに後悔が残ったので、そこからは不満があるのなら、セックスについてちゃんと話し合うべきだと思うようになりました。パーソナルなことだから話しにくいかもしれないけれど、お互いの考えをリスペクトするためにも話し合いは大切。

 

もちろん体の関係がなくても大丈夫なカップルもいると思うけれど、私はセックスなしでは関係を続けられない。会うたびにする必要はないけれど、やっぱり体の繋がりは大切にしたいなと。セックスしなくなると、だんだんキスやハグもしなくなって……、最終的には「今日何食べる?」みたいな会話しかしなくなるのかなって。

 

舞麻:セックスをあまり重要に思わない人もいるし、すごく大切だと思う人もいる。どちらも悪くはないけれど、セックスの価値観が違ってしまうと、パートナーとしてずっと一緒にいられるかは……。

 

純:私は、離婚するかもしれない。最初は、「もうセックスしなくてもいいか」と開き直るかもしれないけど、相手から拒絶されてばかりいると、イライラが募って、日常生活でもどんどん相手の嫌なところが見えてきそうな気がします。

 

セルフプレジャーをしても良いけれど、愛する人とのセックスでしか味わえないものがあると思うんですよね。

 

舞麻:私もセックスしなくても良いと思う時もあるけれど、相手のことを愛しむ心があるから求められたら受け入れたいなと思っています。たとえば、相手が頭が痛いと言ったら、肩をもんだり、マッサージをしてあげたいと思うのと同じで、 もし彼がセックスをしたいとか、スキンシップをしたいと思っているのなら、答えてあげたいなって。

 

そもそも、女性は月に一度しか排卵がない一方で、男性は毎日精子が作られる。男性の短いリズムと女性の長いリズムではお互いのバイオリズムが異なるから、セックスのタイミングが合わないのは当然だなと私は思っています。でも、「なぜパートナーとして苦労もしながらも一緒にいるのか?」と考えると、この人とは年を重ねてセックスができなくなってもお互いを愛し、共にいたいと思えるからなのかなと。そう考えると、セックスだけに注目するのではなく、相手が喜ぶことをしてあげたいという気持ちが大切で、その延長に体と体のつながりがあるのだと思っています。

 

純:相手を思いやる気持ちが、自然にセックスにつながるのかもしれないですね。

 

 

Q:セックスにはテクニックが必要?

 

純:若い頃、私は「体が硬いから、女性が上になる体位は自分には向いていない」と決めつけていて、セックスを楽しむことができませんでした。でも30代になって、自分が楽しんでいないと相手も楽しめないことに気がついたんです。特に、優しい男性は女性が楽しんでいるかを敏感に感じ取ります。だから最近は、「細かいことは気にせず、とにかく楽しもう」というマインドに切り替えました。気持ちが良ければ自然と声も出るし、体も動くもの。素直に反応する方が、男性も喜んでくれると感じています。

 

男性は、「俺が彼女をこんなふうにさせているんだ」という満足感を感じると、さらに相手を気持ちよくしたいという意欲がわくのかもしれません。その意欲が伝わることで、私もより感じるようになり、結果的にお互いがよりセックスを楽しめるのかなって。

 

舞麻:私の肌感覚では、セックスに自信のある人ほど、実は上手くないかなって思います。自信があるからか、私の反応にあまり気を配らず、自己満足で進める感じがある気がします。相手の反応を気にせずに進んでいく人とのセックスは、結局あまり満足度の高いセックスだったとは感じないことが多いかなって。一方で、空気を読んだり相手の気持ちを感じ取れる人は、結果的にセックスが上手だと思います。たとえば、ここにキスしたら喜んでくれた、ここを触ると反応がよかったなど、相手の反応を観察して、その人が求めることを探っていく。そうすることで、2人だけの特別なセックスが生まれるのかなと。だから、私はセックスをする時には、気持ち良いと感じたら少し大げさに反応してみたり、逆にあまり気持ち良くない時には無反応になったりして、反応で気持ちを伝えるようにしています。口で伝えるのは空気を壊しちゃいそうで苦手です。

 

純:私は口でズバッと伝えちゃいます。「そこが気持ち良い」とか「そこは痛いとか」。そんなにセックスに時間をかけられないから(笑)。 若い時は恥ずかしくて伝えられなかったけど、最近は言わないと無理!でも、ちゃんと伝えた方が男性は感謝してくれるなと。

 

舞麻:男の人って知りたがるよね。「これどう?」って。

 

あと、大切なのは学ぶ精神!私はYouTubeのゲイのセックス講座を見て勉強して、夫に試すこともあります。結婚しちゃうと毎回同じ相手とセックスするわけだから、どうしてもマンネリになってくるので。

 

純:私はちょっと前に、女友達とセックス講座を受講しました。新たな技を教えてもらって、それを彼に試してみたらすごく喜んでくれたので、そういうクラスとかに行くのも悪くないかも。日本にはセックスをテーマにした講座はあまりないかもしれないけど、女友達と軽い感じで参加してみるのも結構楽しいですよ。

 

舞麻:テクニックなんて何百個もあるわけだから、 学んで、試して、「これ好き」「あれ好き」って愛する人と楽しくセックスするのが一番ですね!

 

妊娠できない本当の理由を知り、妊娠力を高める方法とは。【妊娠するための栄養情報を発信する管理栄養士YUKAさんインタビュー】

 

妊活を始める女性が直面する最大の悩みは、「まずは何から始めればよいのか?」という最初の一歩ではないでしょうか。インターネットやSNSには無数のアドバイスが溢れていますが、その中で何が自分に合った方法なのか、迷うことも少なくありません。そこで今回、ハミングは、自身も39歳で出産を果たし、妊活専門栄養士として活躍するのYUKAさんにインタビューを行いました。

 

妊活中に抱える不安や孤独、そして数々の試行錯誤を経た彼女が、どうして今、妊活支援の発信を始めたいるのか。「栄養の専門家が考える妊活の心得」とは何なのか。さらに、心の健康を守りながら妊活に取り組むための栄養アドバイスについても詳しくお話を伺いました。

 

ーーYUKAさんが妊活中、特に気を付けていた栄養管理のポイントを教えてください。

 

妊娠するためには、卵子の質がとても重要です。その卵子は私たちのカラダで作られますから、何を食べるかがカラダ作りの基盤になります。これを食べたら妊娠できるという食品はないんですが、それより、何を食べないかという考えがすごく重要になります。

 

例えばグルテンやカゼインといった、カラダに炎症を起こさせるタンパク質。あとは、ビタミンやミネラルを消耗させ、カラダに負担をかける添加物、例えば、人工甘味料や白砂糖などは極力控えることが重要です。こういった食品を控えていくと、 カラダの負担がなくなり健康を取り戻すことができます。

 

ーー何を食べないかを意識しながら、妊活を続けるというのは、ちょっと難しいなと感じる方もいそうですね。

 

そうですね。例えば、グルテンをまず2週間だけ控えてみるといいと思います。それで体調の変化をチェックしてみます。体調が良くなってきたら、グルテンがカラダに合っていなかったことがわかりますよね。私自身、栄養療法を専門でやってきましたが、患者さん自身が控えてみることでカラダの変化がわかるんです。体調が良くなるから、自然とそういう食事を継続できるようになります。

ただ、グルテンやカゼインを控えるのは、対症療法(病気の根本的原因をのぞくのではなく、現れた症状に応じて行う治療法)に過ぎないんです。でも、この一時的な治療で、まずは腸に負担をかけるような食事を控えていくうちに、自然と腸の粘膜がケアされていくんです。そうすると、グルテンを多少食べても問題なくなってきます。

 

 

ーー妊活中のサプリメントや漢方薬使用についてはどう考えていますか。

 

サプリメントを摂取したからと言って、必ずしも全員が妊娠したり、AMH(卵子をどれくらい排卵する能力があるか示す数値)が上昇するということはないと思います。ただ、栄養素の塊であるサプリメントは効率化の道具ではあります。例えば、ビタミンDや鉄は食事からも摂取できますが、これは妊活女性にはぜひサプリでもとってほしい栄養素なんです。バランスのいい食事を取ることが、最初にやることですが、それに加えて、その人のカラダの状態に合ったサプリメントを摂取するというのが、最短で妊娠するためには必要な選択だと思っています。

 

ーー自分に合うサプリメントは、どうしたら選べるのでしょう。

 

自分に合うサプリメントはなかなか自分ではわからないですよね。私の場合は、その方に 症状問診票を書いてもらい、その症状にあった食事を提案しています。血液検査を受けてもらい、どの栄養素が不足しているかを考えて、必要なサプリメントを飲んでもらうこともあります。ただ、これも一時的な対処法にすぎません。大事なのは、なぜその栄養素が不足したのかを考えることです。サプリメントも取り入れながら根本原因にアプローチをし、最終的にはサプリメントがいらないカラダにすることが目的です。

 

 

ーーYUKAさんは妊活をスタートしてからどのくらいで妊娠されましたか?

 

2年くらいですね。最初は人工授精などから試みていき、3つ目の病院で妊娠しました。当時は、人工受精を3回ぐらいすれば妊娠できると思っていたし、まさか体外受精をすることになるなんて思っていなかったです。

 

妊活に関する知識もなかったので、医者に言われるがままでした。私のカラダは卵子が少なかったんですよね。だから、採卵をしても、卵が4~5個しか採れなかったんです。37歳くらいでしたけど、もう44~45歳の女性と同じぐらいの卵巣機能の状況だと言われて、すごくショックを受けました。

 

その一方で、妊娠するためには卵が10個も20個も必要なのでなく、質の高い卵子が1個とれればいいと教えてもらいました。ただ、そのために何をしたらいいかなど具体的なことは何も教えてもらえず、「病院の技術に任せてください」とだけ言われました。結果、うまく行かなかったので違和感を感じるようになったんです。

 

卵子は私のカラダが作るものなのに、その私が何もしないというのはおかしいなと思い、分子栄養学を勉強していたこともあり、自分で妊活について勉強を始めました。

 

 

ーー妊活を始めても、医療的な知識がないと、多くの女性はお医者さんを頼りにするしかないと思います。妊活する女性が積極的に取り組むために、まずは何ができるのでしょう?

 

妊活は人生を大きく左右するとても大事なことですから、うまくいかないと自分のカラダ作りをしようという結論にたどり着く方が多いと思います。 タバコやお酒をやめるとか、運動をする、食事も気をつけなきゃと、自然とその方向に進む方が多いです。自分で情報収集をしようとSNSで色々調べると、本当に正しい情報を正しい知識のもと発信しているかどうかというのはわからないですよね。

 

それが正しかったとしても、今のその方のカラダの状態に合っているかどうかもわかりません。そのあたりを見極めることも大事ですね。

 

ーー妊活をお医者さんに相談するタイミングは?

 

医師に相談するタイミングは年齢によっても差があるので、一概にこのタイミングと言えないですが、私がそうだったように 多くの女性は、結婚して妊活をすれば子供はすぐに授かるはずだと思い込んでいる方が多いと思うんです。でも現実はそうじゃないんです。例えば、日本では、夫婦の4.4組に1組が不妊症というデータもあります。

 

赤ちゃんが欲しいのであれば、すぐに妊活をしない場合でも、結婚後はブライダルチェックを受けておくといいと思います。これは、卵巣機能や子宮機能など妊娠のために問題がないかを検査するものです。その項目の1つとしてAMHの数値も知ることができます。この数値は通常の健康診断には含まれず、なかなか知ることができないので知ることができる良い機会にもなります。

 

あらかじめ、こういう検査をしておくことで、妊娠に関して問題があった時に、早い段階でその問題に介入することができ、いざ妊活をする場合にスムーズに始めることができますよね。

 

ーー妊活中にメンタルの部分で気を付けたことがあれば教えてください。

 

メンタルケアをしている人としていない人とでは、妊娠率や出産率に差があることもデータでわかっています 例えば、アメリカの研究では、心のケアを一緒に行うことで妊娠率が25%から52%に上昇したという報告があります。妊活中は、ストレスを感じ孤独なので、無理せずに不妊カウンセラーやお友達にまず相談して話を聞いてもらいましょう。

 

また、ストレスが強いと、ストレスに対抗するためにカラダがコルチゾールというホルモンを分泌するんです。このコルチゾールは、私たちのカラダで作られる女性ホルモンと同じコレステロールから作られます。つまり、ストレスが多いとコルチゾールの分泌が増え、女性ホルモンの材料であるコレステロールが消費されてしまいます。その結果、女性ホルモンのバランスが崩れ、排卵障害や不妊といった問題が起こる可能性があります。

 

ーーストレスによって、他にどういった影響がありますか?

 

ストレス状態だと、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が優位になってしまいます。こんな状態では、胃や腸などの消化器の機能が低下してしまいます。そうすると、消化不良になったり栄養素を吸収できなくなってしまうんです。これに加えて、先ほど避けるべきだといったグルテンなどを摂ってしまうと、 これに拍車をかけてしまうんです。弱っている腸に炎症をきたし、腸に穴を開けて、この穴から未消化のタンパク質や毒素、病原体などが漏れ出て、全身に炎症を引き起こしてしまいます。便秘や下痢、消化不良、お腹の張りなどそういう症状を引き起こしてしまうことになります。このような状態だと、卵巣にも十分な栄養素を届けることができなくなり、卵子の質も低下してしまうんですよね。

 

ーーストレスを感じた場合は、栄養面ではどういう対応ができるでしょう?

 

ストレスが強いと感じたら、胃腸に負担をかけないためにも、胃酸分泌を促すような食べ物の酢の物や梅干し、消化をサポートしてくれる大根おろしやとろろ、こういったものを食材に加えるといいですね。食材を選ぶ場合にも、お肉だったらステーキや揚げ物は胃腸に負担をかけてしまうので、いったん、こういうものを控えて、ミンチ肉など消化をしやすいものを選ぶのがいいと思います。ただ、スーパーで売られている牛や豚のミンチ肉は脂の質が悪いため、消化力が弱い人だとお肉の脂でもたれたり、下痢をしてしまうことも多いので、あまりおすすめはできません。ミンチ肉を購入する場合は、スーパーではなくお肉屋さんや信頼できるメーカーなどきちんとしたところで購入するか、家庭でひき肉をひくようにすると良いと思います。私は赤身肉を買ってきて自宅でひいています。ミンチ肉をスーパーで購入する場合は鶏肉がおすすめです。

 

 

ーー妊活中の運動で、YUKAさんがお勧めのエクササイズはありますか?

 

 

質の高い卵子を作るためにも、運動はとても大事です。卵子の中には非常に多くのミトコンドリアが存在しており、このミトコンドリアを元気にすることができれば、質の高い卵子を作ることができます。そのためには、ミトコンドリアに危機感を感じさせることが大事なんです。例えば、空腹感や寒冷刺激。お腹が減ったとか、ちょっと寒いなと思った時にはミトコンドリアも危機感を感じるんです。こうやってミトコンドリアを活性化させて、数を増やし元気にすることができるんですよ。

 

ーー今流行りのファスティングもそういう理由で?

 

はい。妊活している人の間でもファスティングや16時間ダイエットが流行っていますが、これは、ミトコンドリアを元気にすることができるからなんです。ただ、これには大きな落とし穴があります。確かにファスティングでミトコンドリアは元気になりますが、これをやってよい人とよくない人がいるんです。 私が見てきた中では、ファスティングをやっている妊活女性のほとんどの人はファスティングは合っていないんですね。

 

ーー妊活をしている方で、ファスティングをして効果のある人が少ないということでしょうか?

 

ファスティングが合う人は、元々元気な方です。妊活をしなくても、妊娠できるような人なんですね。若いとか、 アスリートみたいにカラダを鍛えている方とか、 毎朝ランニングに行っているような人です。そうでない人が、ファスティングをやると、低血糖を引き起こし、エネルギーが不足してしまうため、むしろミトコンドリアを低下させてしまうので危険です。ですから、ファスティングもカラダに合うか合わないかの見極めがすごく大事です。

 

ーー 40代に近づいてから出産をしたことのメリットはどういったものがあると感じますか?

 

1つは精神面ですね。若い時に子供を持つよりは成熟しているので、寛容な視点で子どもに接して子育てができていると思います。あとは経済的な余裕。それから妊活をしていたので、子供を授かることへの感謝の気持ちを持って妊娠・出産・子育てができていることでしょうか。子供が生まれることも奇跡だと感じているので、日々、子供との生活に感謝しながら子育てができています。体力面では、ちょっときついですけど。(笑)

 

 

ーー逆に、もっと若い時に子供を持つべきだったと感じることはありましたか?

 

私は、やりたいことがたくさんあったので、年齢のことさえなければ、もっと遅くに出産をしていたかもしれないです。ただ、私自身が妊活をしてみて、なかなか授からなくて悩んでいた時期は、もっと早くに妊活をスタートしておけば良かったという気持ちや、妊活の知識を持っておけばと感じたこともあります。

 

でも、この経験があったから、今こうやって妊活に関する活動や発信をすることにつながったので、人生で起こる出来事には全てに意味があると感じますね。 妊活の末に第1子を出産して、それがきっかけで不妊で悩んでる女性たちを栄養面からサポートする活動をしたいと考えたんです。

 

 

ーー今、妊活をがんばっている方たちにメッセージはありますか?

妊活って出口の見えないトンネルを1人で歩いてるような感覚なんですよね。私自身もそれを感じて、努力だけではうまくいかないこともあるんだなと感じました。妊活は、人生で初めて感じた挫折でした。

 

でも、大切なことはあきらめないことだと思います。できることは必ずあります。つまり自分のカラダを見直してカラダの状態を整えることです。その基盤となる食事、つまり栄養面を見直してほしいです。

 

インターネット上には様々な情報が流れていますが、まずは正しい知識を持って、あなたのカラダに合ったやり方で妊活をやってほしい、そう思います。

 

 

YUKA

栄養療法クリニックで1500人以上の患者に栄養指導を行い、特に不妊患者のサポートに注力してきた管理栄養士・正看護師。臨床分子栄養学の講座で医師・歯科医師を含む1000人以上に教育を提供し、医師との共同で栄養療法のオンラインスクールも運営。自身も栄養療法を実践し、AMH値を改善、38歳で妊娠し39歳で出産を経験。現在は第二子を希望中。不妊専門の漢方サロンで350人以上が参加した妊活栄養学講座を開催するなど、妊活支援に貢献している。

 

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「助産師たちの夜が明ける」レビュー

 

子どもを持つことに常に迷いを感じてきた私にとって、出産は大きな恐怖でした。痛みだけでなく、体への影響や、出産中に感じるかもしれない深い孤独感がとても不安でした。その苦しみを乗り越えることが、とても困難に感じました。

 

最近、フランス映画『助産師たちの夜が明ける』(原題『Sages-femmes』)を観ました。この映画は、現実的で過酷な状況に直面する複数の架空のキャラクターを描いています。物語は、フランスの公立病院の産科病棟で、ソフィアとルイーズという新任の助産師2人が初日を迎えるところから始まります。アメリカでは、助産師は個別に雇われ、出産時に立ち会うことが一般的なので、病院内で助産師が出産の最初から最後までをサポートしてくれるという考え方に、とても驚きました。そしてそれがいかに重要で、大きな支えになるかも実感しました。

 

この2人の主人公は、新人である看助産師の典型的な姿を象徴しています。ソフィアは試験ではいつも優秀な成績を収め、失敗を恐れる優等生で、一方のルイーズは内気で控えめ、発言するのに躊躇するタイプ。映画では彼女たちがどれくらいの期間、友達だったかはわかりませんが、ソフィアが初日にルイーズを励ますシーンで、お互いが支え合う友好的な関係がよく表れています。

 

しかし、ソフィアが手伝った出産で、赤ちゃんが危うく命を落としそうになる事件をきっかけに、彼女たちの友情は大きな試練に直面します。冒頭から、看護師や医師などの病院スタッフ全員が手一杯で、患者一人ひとりに十分な注意を払うことができないことが明らかです。病棟は混乱し、助けを求める叫び声が飛び交います。そんな中、ソフィアは異常な痛みを訴える母親の対応にあたりますが、生命に関わる兆候は正常に見えたため、状況を監視しつつ別の患者にも対応しようとします。ところが、赤ちゃんは心拍がない状態で生まれ、蘇生には4分かかり、その結果、赤ちゃんは脳に損傷を負ってしまいます。

 

このトラウマ的な経験によって、ソフィアはPTSDを発症し、深いうつ状態に陥りますが、彼女は自分がうつであることを認めようとしません。一方で、かつて自信のなかったルイーズは成長を見せ、そのことが2人の間に緊張を生み、友情を引き裂くことになります。

 

 

この状況ではソフィアを責めることはできません。成功が目標となる環境で育ったソフィアにとって、ほんの小さな失敗でさえ、心を打ち砕くような衝撃を受けるものです。感動的なシーンで、ソフィアは主任医師のオフィスに呼ばれ、もしかしたら出産の現場は彼女に向いていないかもしれないと言われます。医師は『全員を助けることはできない。助産師は幸せな時もあれば、辛いことに直面しないといけない時もあるのだ』と告げます。打ちひしがれたソフィアは『全員を助けられないなら、この仕事に何の意味があるんですか?』と答え、部屋を後にします。

 

この映画は、助産師たちが直面する大きな苦労を浮き彫りにし、彼らへの深い尊敬の念を抱かせます。赤ちゃんに何が起こったのかについての報告会では、スタッフ不足に対する不満や苛立ちが渦巻く中、ルイーズが印象的な言葉を発します。『私たちは患者とほとんど話すことなく走り回っていて、それは私たちの仕事を人間味のないものにしてしまいます。』本当に助けたいのに、手が足りなくて目の前で患者が苦しむのを見ているしかないという現実が、いかに胸が痛むものかを理解させられます。完璧主義者であれ、自信がない人であれ、彼ら全員が共有している一つの目的は、妊娠中の患者とつながり、支援することです。彼らは皆、本当に人を助けたいと思ってここにいるのです。

 

助産師たちが直面する課題は、赤ちゃんを取り上げることだけではありません。患者たちの人生や苦難にも寄り添わなければならないのです。あるシーンでは、妊娠したホームレスの女性が、新生児に対して距離を置いており、望まない妊娠だったことを示唆しています。また、娘が出産する場面では、助産師の言葉に耳を貸さない過保護な母親も登場します。さらには、虐待的な夫についての会話が聞こえてくるシーンや、助産師が夫に対して『妻にそんな言い方をしないで』と注意する緊迫した場面もあります。多くのシーンが混沌としていて、感情的に揺さぶられ、生々しいものです。私は何度も涙を流しました。同じ女性として、これらの母親たちが経験する痛み、喜び、恐怖を深く感じ、助産師たちが彼女たちの健康と幸せにとっていかに重要な存在かを痛感しました。

 

物語は、終盤にベテラン助産師のベネがシフトの終わりに突然退職を宣言することで、思いがけない展開を迎えます。彼女の同僚たちは驚きますが、ベネは、食事やトイレを我慢し、息子との時間を犠牲にすることは耐えられても、慢性的な人手不足のために患者を放置することにはもう耐えられないと説明します。この決断は、死産した赤ちゃんの両親が、なぜ出産までに5時間もかかったのかと痛ましく尋ねた場面の後に訪れます。ベネが答えられたのは、仕事に追われていたという弱々しい謝罪だけでした。母親は彼女を何度も拒否しますが、ベネは戸惑いながらも最終的には部屋を出て行きます。退職を告げた瞬間、かつて彼女の情熱を燃やしていた火が、燃え尽きてしまったのが見て取れました。

 

この映画は、どれだけ努力しても、物事がうまくいかないことがあるという現実を教えてくれました。そして、困難な時に自分自身を支え合うことの大切さを示しています。自分が止まってしまえば、患者が苦しむことになるからです。この映画は痛ましい一方で、美しく描かれており、人間関係の複雑さや公的医療制度の中でのフラストレーションを浮き彫りにしています。私たちは皆、利益を優先し、ケアを後回しにする大きなシステムの犠牲者です。そして、世界中で声を上げ、患者だけでなく、献身し犠牲を払ってくれる看護師たちのためにも、より良い生活とケアの質を求めることが重要だと痛感しました。

 

映画公式サイト:
http://pan-dora.co.jp/josanshitachi/

女性医師に聞いた体外受精を決めるタイミングと大切な心構えとは。【医療法人オーク会の田口早桐ドクター・インタビュー】

 

「年齢を重ねるごとに、妊娠は難しくなる──」。頭では理解していても、実際に直面すると多くの女性が悩み、立ち止まってしまう課題です。そんなとき選択肢のひとつとして浮かび上がるのが、体外受精という手段。しかし、治療に進むかどうかの判断や治療過程での不安など、迷いや疑問を抱く人は少なくありません。今回は、体外受精治療の第一線で活躍する医療法人オーク会の田口早桐ドクターに、年齢と妊娠の関係、治療を選ぶ際の注意点、そして心の準備について伺いました。さらに、普段はなかなか聞けない不妊治療の現場でのリアルな裏側についてもお話しをしていただきました。

 

ーー現在の不妊治療の現状について教えてください。どのぐらいの年代の方が主に通っていますか?

 

通われてる方は、やっぱり30代後半から40代前半の方が多いです。以前と比べて、不妊治療が一般的になってきているため、通われる方の年齢は下がってきています。以前は不妊治療は、すごく特殊なものと思われていたんですよね。特に体外受精は医療とは違うもの、と思われていたんです。

 

不妊の定義も以前は、「2年間妊娠しない」ケースを不妊症と呼ぶという診断基準でした。アメリカの基準にそろえてこの基準が変わり、不妊症の定義も「1年間妊娠しない」となりました。さらに人工授精と体外受精が保険診療できるようになりました。技術の変化に応じて不妊の定義も変わってきたんです。

 

ーー不妊治療を始めてから、体外受精まで進む方はどのぐらいの割合いますか?

 

不妊治療を始めた方の半分ぐらいの方は体外受精に進むんじゃないでしょうか。年齢にもよりますね。

 

不妊治療の方法は3段階あります。1つ目は、「タイミング法」といって、排卵に合わせて性交渉を持ってもらうもの。排卵のタイミングがわからない場合には、弊社で超音波で確認して、排卵のタイミングをお知らせします。

 

2段階目は「人工授精」といって、精子を子宮の中に直接挿入する方法です。排卵のタイミングに合わせて行います。

 

3段階目が「体外受精」です。精子も卵子も体外にとりだして受精させて、状態の良い卵を移植するというステップです。タイミング法や人工授精では、精子と卵子がちゃんと受精しているかわからないですが、体外受精の場合は、それを目で確認できるんですね。

 

タイミング法で妊娠する人は10パーセントぐらい。次の人工授精で妊娠する人は5~10パーセントぐらいでしょうか。不妊治療を始めた半分くらいの方が、その次のステップである体外受精に進みます。

 

 

ーー体外受精をして妊娠した人の割合などのデータはあるんですか?

 

年齢に左右されますね。35歳ぐらいまでの方は、体外受精に切り替えてから1年以内に結果が出る方も多いです。ただ40代になると結果が出ないという人も出てきますね。

 

ーー年齢によってかなり確率が変わるのですね。

 

はい。各年齢に適したやり方があるので、その方に適した方法を提案して一緒に取り組んでいます。年を重ねると結果が出るまでに時間がかかるので、継続的に治療をすることも大切です。数週間お休みして、また少ししたら再開して、という風にしているとなかなか結果が出ないので、ある程度は集中的に治療を続けていく必要があるかなと思います。

 

ーー35歳をすぎると妊娠率が下がると聞きますが、年齢の節目があるんでしょうか?

 

ありますね。30代後半で流産率が大きく上がり、妊娠率も下がります。あとは、不妊治療の保険診療の年齢制限が43歳未満という条件がありますが、43歳前後でも妊娠率がかなり変わってきますね。

 

ーー体外受精を検討してる方にとって、治療を始める前に知っておくべき1番重要なことは?

 

体外受精までするのだから すぐ結果が出るだろうと期待される方も多いんですが、そうではないということです。私たち人間は、加齢によって卵子にバグ(不具合、異常)ができてくるものです。35歳ぐらいだと毎月排卵はしていますが、その中でちゃんと赤ちゃんになれる卵はどのくらいの割合かといえば半分ぐらいなんです。「毎月ちゃんと生理もあるし、排卵もしている」と思ってもそのうちの半分は赤ちゃんになれない卵である可能性があります。40代になると、赤ちゃんになれる卵の割合はさらに下がります。

 

ーー働いてる女性は仕事をしながら不妊治療をして、負担が大きなイメージがあります。皆さん、どのようにされているんですか。

 

オーク会では通院しないといけない日は実はそれほどないんです。体外受精なら、採卵や移植、卵のチェックなどでは通院してもらいますが、それ以外はオンラインで対応しています。ですから、ドクターによる説明のために通院いただく必要はないんです。オンライン診療で、薬もこちらから郵送できますので取りに来る必要もありません。ですから、沖縄から北海道まで幅広い地域から患者さんがいらっしゃいます。

 

ーー患者さんと接する中で精神面をサポートするために心がけてることはありますか。

 

 

不妊治療の話は友達や家族にも気軽には相談できないですよね。ですから、現場のスタッフができるだけ寄り添って、お話をしやすい環境を作るようにしています。私たちは、ここにいらっしゃる方みんなが妊娠・出産というゴールを持っていることをわかっているし、長い期間通っている方もいるので、応援したい気持ちが強いんです。

 

こんなこともありました。何度もうまくいかなかったある患者さんが、検査で陽性だったので、「●●さんが陽性でした!」とお伝えしたら「わーっ」と大きな泣き声が聞こえたんです。ご本人が泣いていると思ったら、その横に立っていた培養士がもう顔を涙でぐじゃぐじゃにして泣いていたんです。結果を待つ時は、スタッフも患者さんも一緒にドキドキしていますし、スタッフ本人が不妊治療をしていて、一緒に頑張ってる気持ちでいることも多いんですよ。

 

 

ーー田口ドクターご自身も不妊治療の経験がありますが、その経験が今の患者さんとの接し方に役立っていると感じますか?

 

そうですね。私が不妊治療をしたのは20年以上前なので、今とは不妊治療のイメージもずいぶんと違います。私は体外受精が必要だと思ってやってみたんですけど、 焦る気持ちを自身で体験しました。採卵に1ヶ月かかって胚凍結して、また準備して移植して結果を待つ。とても長く感じ、焦りが強かったです。

 

私の不妊治療の経験から、皆さんの焦ったり納得がいかないと感じる気持ちがよくわかりますから、自身の経験は患者さんと接する時に役に立っています。女性同士で温かい目で見守ることも必要です。母親や女性の友達から「まだ子供ができないの?」と言われてしまうと、すごく辛いんですよね。自分が治療した人は、そういう点で不妊治療をしている女性にも優しくなれるんじゃないでしょうか。女性同士がもっと暖かい目で見守り、気持ちの面で支え合ってやっていけるようになればいいなと思います。

 

 

ーー不妊治療を行う中で、治療の成功率を高めるために、患者さんが日頃の生活でできることはありますか?

 

不妊治療に来られる方は妊娠に向けてきちんと栄養も考えている方が多いと感じますので、そのあたりはあまり心配ないのかなと思います。ただ、考えすぎてかえって偏った食事になってる方もいますね。食べすぎてはいけないと思って、野菜ばかりで タンパク質が不足している方もいます。例えば、地中海式の食事は、健康にいいというデータがありお勧めですが、何よりも偏った食事をしないようにすることが大事だと思います。

 

 

ーーパートナーとどのように協力していくべきか、パートナーと話し合うべきことはありますか?

 

パートナーとは二人三脚でやっていっていくことが大切です。患者さんを見ていると2タイプのカップルがいると思います。1つは、旦那さんも非常に熱心でいろいろなことを聞いてこられて、2人で取り組む方たち。もう1つは、旦那さんはふわっとしていて、まあなるようになるよ、という感じで、奥さんの方が一生懸命やっていて、旦那さんは積極的には話を聞いていないようなカップル。

 

どちらにせよ、不妊治療で1番辛い思いをするのは奥さんですよね。通院したり、注射を打ったりというのは女性が行うので、旦那さんの支えが大事です。(子供ができないことの)責任の押し付け合いは1番避けたいところで、旦那さんの器の大きさは大事かなと思います。

 

ーー田口ドクターが不妊治療をされた20年前と比べて、体外受精という手段も以前より身近なアプローチになってきたのでしょうか。

 

体外受精の治療には保険も導入されたし、妊娠する確率が上がることは確かなんです。ただ、誤解のないようにお伝えしたいことは、体外受精は「しっかり受精することを手助けするもの」ということです。年齢とともに卵の状態は悪くなります。1ヶ月に1個しか排卵しないものを、体外受精で刺激して5~10個とることができて、受精も確実にさせて、その中から状態の良い卵を移植するので、妊娠率がぐっと上がるんです。ただ、卵子の質を上げることはできないので、体外受精はその人の妊娠する可能性を上げるものなんです。医療の技術を使って、その人のポテンシャルを最大限に活かしているということですね。

 

 

ーー不妊治療で悩んでる方に向けてメッセージをいただいてもいいですか?

 

子供ができないというのは、とても辛いことです。でも、治療の過程で、卵子や精子の老化、染色体などの科学的な理由がわかると、かえって心が解放され、腑に落ち、それならこうしようという心持ちで治療にとりくめるのではないかと思います。ですから、ぜひ、まずは検査を受けるなど、 一歩踏み出していただくと良いと思います。

 

田口早桐

生殖医療専門医、臨床遺伝専門医。川崎医科大学卒業後、
兵庫医科大学大学院にて研究。専門は「抗精子抗体による不妊」。

府中病院を経て、医療法人オーク会へ。著書に『やっぱり子どもがほしい!産婦人科医の不妊治療体験記』(集英社インターナショナル)、『ポジティブ妊活7つのルール』(主婦の友社)がある。体外受精に関して、排卵誘発法を含めた治療戦略をしっかり立てることが大事との信念で、個人個人の状態に合わせた方針を決めることに力を注ぐ。

 

医療法人オーク会HP: https://www.oakclinic-group.com/

セルフプレジャーの新たな楽しみ方を教えてくれるセックストイたち

人生を変える最高の『セルフプレジャー』を見つける9つのステップ

 

セルフプレジャーは、色々な面から見て素晴らしいものだということを知っていますか?

 

とっても気持ちがよいだけでなく、あなたの健康にもよい影響を与えるのがこのセルフプレジャー。

 

オーガズムに達するとオキシトシンというホルモンが放出されますが、このホルモンはあなたの健康全般に良い効果があります。

 

セルフプレジャーには、痛みを軽減する効果もあり(生理痛よ、さようなら!)さらに、不安を緩和する効果もあることがわかっています。

 

あなたも、その恩恵を受けたいと思いませんか?

 

健康によいのは、オーガズムに至るまでに放出されるホルモンだけではありません。

 

性的に興奮している時に、脳はセロトニンという物質を放出します。

 

この化学物質は、性的満足感を高め、気分を調整するのに役立つことが分かっています。

 

つまり、オーガズムがあろうとなかろうと、自分を愛することは、脳のバランスを整えてくれるのです。

 

あなたがセルフプレジャーの初心者でも、少しマンネリ気味の経験豊富な人でも、セックス・セラピストのジョーダン・ルロ博士からのアドバイスは、どうやって最高のセルフプレジャーを実現するかについての大きなヒントとなるでしょう。

 

▶︎セルフプレジャーとは?美容効果を紹介!どんな人におすすめ?

 

▶︎セックスレスになりやすい夫婦の特徴とは|原因や解消法を解説

 

 

 

ステップ1: 性的な欲求をかき立てる

私たちは、性的欲求に関して多くの誤解をしています。

 

例えば、思わず欲情してしまうことは当たり前だと思われていますが、実際には私たちはもっと複雑な生き物です。

 

ベストセラーの著書「Becoming Cliterate」で指摘されているように、女性(そしてすべてのジェンダーの人々)は、思わず欲情するということはあまりありません。

 

医学雑誌『The Journal of Sexual Medicine』によると、3人に1人は、欲求が何かに反応して発生するものであることがわかっています。

 

そして、この欲求は、性的な刺激(触れたり、ポルノを見たり、何でも興味を引くもの)にさらされたときに現れます。

 

つまり、多くの人々は欲求を引き起こすために何かきっかけを必要とするのです。

 

性欲をかきたてる方法はたくさんあり、人によって異なります。

 

だからこそ、ぜひクリエイティブなアイデアを試すことを恐れないでください。

 

ルロ博士は、「演じなくてはいけないというプレッシャーや過度な期待、または時間の制限がない、自由な環境とマインドを作りましょう」と説明しています。

 

博士は、優しい色の照明、キャンドル、またはお気に入りの音楽で自分のセルフプレジャーの空間を整えることで、リラックスした気持ちになれると提案しています。

 

ステップ2:全身を探求してみる

「性的な活動というと、性器や乳房にばかり注目されがちですが、それ以外にも全身をよく見直すことで、自分がさらに気持ちよくなる性感帯を発見できます」とルロ博士。

 

まずは、足、太ももの内側、腕、またはお腹をマッサージすることから始めましょう。

 

これによって、プレッシャーを感じずに、気持ちのよい感覚を楽しみながら探すことができます。

 

性欲が低下している、体型に悩んでいる、またはオーガズムが感じられないなどの悩みがあっても、ありのままの自分を受け入れて、まずは体とつながることで、快感を感じる可能性を引き出すことができます。

 

ステップ3: ルーブ(潤滑ゼリー)の活用

ルーブ(潤滑ゼリー)を使うと、肌と手の間にバリアができて興奮が高まり、摩擦が減り、セルフプレジャーがさらに快適になります。

 

ルロ博士は、「ルーブ(潤滑ゼリー)が性的興奮、快感、そしてオーガズムを増加させることは、実際に女性たちから報告されています」と話します。

 

ルロ博士は、天然素材で、刺激性の低い成分で作られた水性のルーブ(潤滑ゼリー)をおススメしています(できれば、砂糖、パラベンなどの有害な化学物質が含まれていないもの)。

 

ステップ 4: まずは、外側からスタート

実際にセルフプレジャーをする時になったら、まずはクリトリスに注目しましょう。

 

なぜなら、ここに約8,000の神経終末があるからです!

 

さらに、多くの研究から、オーガズムに達するにはほとんどの人がクリトリスへの刺激が必要であることが明らかになっています。

 

『The Journal of Sex and Marital Therapy』に掲載された2017年の研究では、37%の人がオーガズムにはクリトリスが必要であると回答しました(陰茎挿入のみで十分と回答した人は18%)。

 

まずは、指を使ってクリトリスを軽く触ってみてください。

 

刺激する方法はたくさんありますので、何が気持ち良いかを決めるのはあなた次第です。

 

例えば、以下の方法を試してみるのもよいでしょう。

 

  • 時計回り(または反時計回り)にクリトリスをこする
  • 上下にこする
  • 指を横に滑らせる

 

「同じ刺激を繰り返すよりも、スピードや強さなど多様な方法を試す方が、興奮することが研究からわかっています」とルロ博士。

 

ステップ5:次に、内側に向かって…

陰茎挿入はすべての人が好む方法ではないかもしれませんが、一部の人にとっては快感をもたらすことがあります。

 

もし挿入を試したければ、十分にウォームアップをすることが重要です。

 

ステップ4をくり返し、リラックスして準備が整ったら始めましょう。

 

1〜2本の指(またはセックス・トイ)を膣に挿入し、腹部の方向に引っ張るように、揺り動かすように動かします。

 

内部全体を触ったり、こすったり、軽くたたいたりして、ゆっくりと探索していきましょう。

 

ここでルーブ(潤滑ゼリー)を使うことで、陰部や膣を滑らかにして、より快適に興奮を感じられるようになります。

 

ステップ6:挿入とクリトリスの刺激を一緒に試す

手の一方でクリトリスを刺激しながら、もう一方の手で指を使って挿入を試すこともできます。

 

この気持ちよさを探求する旅は、ブッフェスタイルのレストランにいることに似ています。

 

つまり、おいしいものもあるけど、そうでもないものもあるということです。

 

ある時には一つの料理に興味を持つけれども、そうでない時だってあります。

 

ここで大切なことは、たくさんの選択肢があり、その日の気分によって、なんでも試すことができるという意識を持っておくこと。

 

ステップ7:「今」を感じる

セルフプレジャー中は呼吸にも注意を払いましょう。

 

深く息を吸うことは、リラックスして神経系を落ち着かせるために大切なことです。

 

しっかりと息を吸うことで、体に必要な酸素とエネルギーを吸収し、「今」を感じることができます。

 

そして息を吐くときには、ストレスが体から排出され、体がどっしりと安定している状態を感じましょう。

 

最初は上手くいかなくても、何度か試してみるうちに慣れてくるので、心配しないで大丈夫です。

 

ステップ 8: 全ての感覚を意識しましょう

セルフプレジャー中は、全ての繊細な感覚に意識を向けることで、集中力を維持することができます。

 

自分自身に色々と問いかけてみましょう。「何を感じる?」「何が聞こえる?」「何が見える?」「何の香りがする?」。

 

一つ一つ体験していることに細かく意識を集めてみることで、「今」に自分を引き戻し、自分の身体の感覚に集中することができます。

 

ステップ 9: グッズを準備しましょう

そう、グッズとは、セックストイの話です。

 

例えば、バイブレーターを使うことで、より深く集中的にクリトリスを刺激することができます。

 

もし、セックストイを使ったことがなかったら、まずはバレット・バイブレーターのような小さなものから始めるのが良いかもしれません。

 

ルロ博士によれば、「シリコーン製のバイブレーターは、外部刺激(例えばクリトリス)と内部刺激(例えば膣)の両方に使用でき、多様なスピ―ドや強さを選べるため、理想的です」とのこと。

 

そして、急がずに、ゆっくりと時間をかけることも忘れないで。

 

急いでしまうと不安などにつながり、これではセルフプレジャーの楽しみが半減します。

 

自分を愛するためのセッションを楽しむセルフプレジャーのための時間をしっかりと確保するようにしましょう。

 

ぜひ、マスターベーションは人生の中心にふさわしい、正真正銘の性体験であると考えてください。

 

そしてここで最も大切なことは、自分の身体を探求し、性的なタッチを楽しむこと、そして自分が性的な人間としてどのような存在かを知ることです。

 

自分自身の快感に対して、より多くの時間と注意を払うことで、セックスは(一人でも、相手と一緒でも)より楽しいものになり得ます。

 

そして最も重要なことは、何よりも「楽しむ!」と自分の心で決めることです。

 

9 life-changing masterbation tips / Flo Health より