Humming♪

セキララカードでセックス対談。セックスレス問題からテクニックを磨くコツまで本音女子トーク

 

セックスに関する話題は、家族や友人、さらにはパートナーともなかなか話しにくいもの。でも実際には、多くの人が悩んでいたり、もっと知りたいと思っていたりするのではないでしょうか。

今回、Humming編集部の舞麻と純が、『セキララカード』を使って夜の営みについて率直に語り合いました。スキンシップに関する悩みや、パートナーとの関係を深める秘訣まで、夜の女子会に参加しているような感覚で、本音トークをお楽しみください。

 

Humming編集長 永野 舞麻

1984年生まれ。16歳までを日本で過ごした後、海外へ移住。大学で出会ったアメリカ人の夫と結婚し、現在はカリフォルニア在住。3児の母。

高校時代、スイスに住んでいたときに自然の偉大さに触れ、地球環境保全について学び始める。アメリカの美術大学でテキスタイル科を専攻。

今でも古い着物の生地などを使って、子育ての合間に作品を制作し続けている。

 

Humming編集部Project Coordinator 條川純

1984年生まれ。アメリカ生まれ、アメリカ育ち。現在はひとり暮らしをしながら、生涯を共に過ごせるパートナーを探している。
ハミングを通して、自分自身と他者への優しさと共感を広めることをモットーにしている。

 

Q:一番好きなスキンシップは?

 

舞麻:私は後ろからギュッと抱きつかれるのが好き。なんだか安心するんです。夜中に目が覚めて寝付けない時などは、夫の腕の中にわざわざ潜り込んで彼の胸に私の背中をピタッとくっつけています。しばらくすると安心したのか、温かいからか寝落ちしています。笑

 

純:実は、私はスキンシップがちょっと苦手。手を繋いだり、ハグをしたり、そういったコミュニケーションをあまりしない家庭で育ってきたからかもしれません。だけど、今お付き合いをしている彼はスキンシップが大好き。「純の育ってきた環境もわかるけど、僕にとってスキンシップは愛されている証拠だから大切にしたい。触れ合いがないと不安になる」と言われてしまいました。

 

無理してスキンシップをするのはイライラしてしまうけど、罪悪感も感じるから、なるべくスキンシップをとろうと頑張ってます!たとえば、私があまり抵抗のない寝起きのタイミングにたくさん甘えておくとか、デート中には自分から手を繋ぐとか。スキンシップを自然にとれる女性が羨ましいです。

 

Q:忙しくても、充実したセックスライフを送るためにできることは?

 

舞麻:最近聞いて可愛いなと思ったのが、夫婦のどちらかが「そろそろセックスしたいな」と思った時に、ダイニングのテーブルにある置物を出すという秘密の合図を作っている知り合い夫婦がいます。

 

私はセックスがしたいと思ったら、自分から夫にゴロゴロって甘えながら寄っていくドストレートタイプなので、夫婦間の合図を作るのも素敵だなと思いました。

 

純:私は20代の頃は自分から求めるのが恥ずかしくて、男性から求められた時に応じていました。だけど、歳を重ねるにつれて、私にもセックスしたい時としたくない時があると自分の性欲に前向きに向き合えるようになってきました。今は自分の気持ちを大切に「セックスしたいな」と感じた時には自分からアプローチできるようになりました。とはいえ、私に気持ちがあるように相手にも気持ちがあるわけなので、難しいですよね。

 

私が「セックスしよう」と言った時に「オーケー!」と毎回応じてくれる人もいれば、なかなか私がしたいタイミングと合わない人もいて。30代の頃はセックスを拒絶されてプライドが傷ついたこともあります。

 

今お付き合いしている彼は、気持ちが盛り上がらないとセックスができない人。だけど、私にも性欲があるわけだから、どうしたら良いのかなと少し悩んでいて。今度セキララカードを使って彼ともセックスのことを話そうと思っています。

 

舞麻:純がセックスを拒絶されて傷ついたと話していたけど、男性も勇気を持ってアプローチしてきてくれてることを女性側も忘れちゃいけないと私は思っています。相手も勇気を出して誘ってくれているから、気分が乗らない時でも「今日嫌」「触らないで!」みたいな反応ではなく、「今日は疲れてるから週末しよう」とか、心が繋がってない状態で体が繋がることを考えられたいのであれば、「最近お互い忙しくて会話できてないから、まずは一緒に時間を過ごしたい。」など、光を閉ざさないような返答が大切かなと。

 

あとは、男性任せにしないで、 女性からもきっかけを作ることが大切だと思います。たとえば、「新しい下着を買ったんだ」と伝えてみたり、肌触りの良いシルクの寝巻きを着てみたり、キャンドルを焚いて雰囲気を高めてみたり。

 

そしてセックスの有無に関わらず、2人だけで話をする時間を持つことは絶対に大切。友達夫婦の男性側から「夫婦関係がうまくいっていない……」と相談されたことがあって、その時に「もし離婚の危機を感じているのなら、どんなに忙しくても週1回、30分でも良いから、奥さんと2人だけで過ごす時間を作った方が良いよ」と私なりのアドバイスしたことがあるんです。その後、2人だけの時間を持つようになってから、その夫婦は冷めきっていた関係が復活したんですよ!最近パートナーとご無沙汰だって人は、まずは2人で会話をすることからスタートするのもありだと思います。

 

純:確かに忙しいってことは、2人だけの時間がなかなか取れないってことだから、2人だけで会話をすることから修復するのはいいかもしれないですね。

 

 

Q:セックス中に気になる体の部位は?

 

純:セックスしている時に気になる部分と、日常で気になる部分は異なるなと。私は普段は足が気になるけれど、セックスの時にはお腹の贅肉とか、胸の大きさやポジションが気になります。以前付き合っていた方に体の気になる部分を言ってみたら、「セックス中にそんなの気にしないよ」と突っ込まれたけど。

 

舞麻:私はあごが気になる!寝っ転がって下を向くと、二重あごになるのがすごく嫌。騎乗位の時とか、自分のあごが今どうなっているのか気になって集中できない時があって。「彼は気にしていないのだから、今はあごのことを気にしちゃいけない」って自分の意識を戻します。笑

 

ただ、結局見た目は自分の問題で、相手はあまり気にしていないなって思います。あっ!けど、高校生の時にはじめて外国の方と付き合った時に、人づたえにアンダーヘアについて指摘されたことがあります。アンダーヘアを剃るっていう概念が当時の私にはなくて。だけど、何も処理していないのが彼は嫌だったみたいで、私の仲良しの友達に相談したようなんです。友達から「まさか、下の毛剃ってないの?」って言われて、「剃るってどこを?」と驚きました。それ以来アンダーヘアはきちんと処理しています。

 

純:私は男性にもアンダーヘアは綺麗にしていて欲しいと思ってます。見た目の問題というよりは、「私があなたを気持ち良くさせるためにアクセスしやすくしておいてね」という理由です。

 

Q:どんなキスが好き?

 

舞麻:アメリカだとみんなチュパチュパ音をさせてキスをするけれど、日本人ってキスする時にあまり音がしない気がする!音がしないキスは素面に戻っちゃうからちょっと戸惑います。

 

純:日本ではキスをする時に音が出るのは良くないことなのですか?

 

舞麻:恥ずかしいからかもしれない。他の国はどうなんだろう?香港や韓国の方と付き合っている知り合いがいるから、アジア人のキス事情、聞いてみようかな。

 

Q:セックスレス問題、どう思う?

 

純:私も初めて同棲した彼氏とはセックスレスになったことがあります。一緒に住んでしまうと、いつでもできるからこそしなくなるみたいな。当時はまだ未熟で、セックスレスの問題を話し合うことなく関係が終わってしまいました。ちゃんと向き合えなかったことに後悔が残ったので、そこからは不満があるのなら、セックスについてちゃんと話し合うべきだと思うようになりました。パーソナルなことだから話しにくいかもしれないけれど、お互いの考えをリスペクトするためにも話し合いは大切。

 

もちろん体の関係がなくても大丈夫なカップルもいると思うけれど、私はセックスなしでは関係を続けられない。会うたびにする必要はないけれど、やっぱり体の繋がりは大切にしたいなと。セックスしなくなると、だんだんキスやハグもしなくなって……、最終的には「今日何食べる?」みたいな会話しかしなくなるのかなって。

 

舞麻:セックスをあまり重要に思わない人もいるし、すごく大切だと思う人もいる。どちらも悪くはないけれど、セックスの価値観が違ってしまうと、パートナーとしてずっと一緒にいられるかは……。

 

純:私は、離婚するかもしれない。最初は、「もうセックスしなくてもいいか」と開き直るかもしれないけど、相手から拒絶されてばかりいると、イライラが募って、日常生活でもどんどん相手の嫌なところが見えてきそうな気がします。

 

セルフプレジャーをしても良いけれど、愛する人とのセックスでしか味わえないものがあると思うんですよね。

 

舞麻:私もセックスしなくても良いと思う時もあるけれど、相手のことを愛しむ心があるから求められたら受け入れたいなと思っています。たとえば、相手が頭が痛いと言ったら、肩をもんだり、マッサージをしてあげたいと思うのと同じで、 もし彼がセックスをしたいとか、スキンシップをしたいと思っているのなら、答えてあげたいなって。

 

そもそも、女性は月に一度しか排卵がない一方で、男性は毎日精子が作られる。男性の短いリズムと女性の長いリズムではお互いのバイオリズムが異なるから、セックスのタイミングが合わないのは当然だなと私は思っています。でも、「なぜパートナーとして苦労もしながらも一緒にいるのか?」と考えると、この人とは年を重ねてセックスができなくなってもお互いを愛し、共にいたいと思えるからなのかなと。そう考えると、セックスだけに注目するのではなく、相手が喜ぶことをしてあげたいという気持ちが大切で、その延長に体と体のつながりがあるのだと思っています。

 

純:相手を思いやる気持ちが、自然にセックスにつながるのかもしれないですね。

 

 

Q:セックスにはテクニックが必要?

 

純:若い頃、私は「体が硬いから、女性が上になる体位は自分には向いていない」と決めつけていて、セックスを楽しむことができませんでした。でも30代になって、自分が楽しんでいないと相手も楽しめないことに気がついたんです。特に、優しい男性は女性が楽しんでいるかを敏感に感じ取ります。だから最近は、「細かいことは気にせず、とにかく楽しもう」というマインドに切り替えました。気持ちが良ければ自然と声も出るし、体も動くもの。素直に反応する方が、男性も喜んでくれると感じています。

 

男性は、「俺が彼女をこんなふうにさせているんだ」という満足感を感じると、さらに相手を気持ちよくしたいという意欲がわくのかもしれません。その意欲が伝わることで、私もより感じるようになり、結果的にお互いがよりセックスを楽しめるのかなって。

 

舞麻:私の肌感覚では、セックスに自信のある人ほど、実は上手くないかなって思います。自信があるからか、私の反応にあまり気を配らず、自己満足で進める感じがある気がします。相手の反応を気にせずに進んでいく人とのセックスは、結局あまり満足度の高いセックスだったとは感じないことが多いかなって。一方で、空気を読んだり相手の気持ちを感じ取れる人は、結果的にセックスが上手だと思います。たとえば、ここにキスしたら喜んでくれた、ここを触ると反応がよかったなど、相手の反応を観察して、その人が求めることを探っていく。そうすることで、2人だけの特別なセックスが生まれるのかなと。だから、私はセックスをする時には、気持ち良いと感じたら少し大げさに反応してみたり、逆にあまり気持ち良くない時には無反応になったりして、反応で気持ちを伝えるようにしています。口で伝えるのは空気を壊しちゃいそうで苦手です。

 

純:私は口でズバッと伝えちゃいます。「そこが気持ち良い」とか「そこは痛いとか」。そんなにセックスに時間をかけられないから(笑)。 若い時は恥ずかしくて伝えられなかったけど、最近は言わないと無理!でも、ちゃんと伝えた方が男性は感謝してくれるなと。

 

舞麻:男の人って知りたがるよね。「これどう?」って。

 

あと、大切なのは学ぶ精神!私はYouTubeのゲイのセックス講座を見て勉強して、夫に試すこともあります。結婚しちゃうと毎回同じ相手とセックスするわけだから、どうしてもマンネリになってくるので。

 

純:私はちょっと前に、女友達とセックス講座を受講しました。新たな技を教えてもらって、それを彼に試してみたらすごく喜んでくれたので、そういうクラスとかに行くのも悪くないかも。日本にはセックスをテーマにした講座はあまりないかもしれないけど、女友達と軽い感じで参加してみるのも結構楽しいですよ。

 

舞麻:テクニックなんて何百個もあるわけだから、 学んで、試して、「これ好き」「あれ好き」って愛する人と楽しくセックスするのが一番ですね!

 

妊娠できない本当の理由を知り、妊娠力を高める方法とは。【妊娠するための栄養情報を発信する管理栄養士YUKAさんインタビュー】

 

妊活を始める女性が直面する最大の悩みは、「まずは何から始めればよいのか?」という最初の一歩ではないでしょうか。インターネットやSNSには無数のアドバイスが溢れていますが、その中で何が自分に合った方法なのか、迷うことも少なくありません。そこで今回、ハミングは、自身も39歳で出産を果たし、妊活専門栄養士として活躍するのYUKAさんにインタビューを行いました。

 

妊活中に抱える不安や孤独、そして数々の試行錯誤を経た彼女が、どうして今、妊活支援の発信を始めたいるのか。「栄養の専門家が考える妊活の心得」とは何なのか。さらに、心の健康を守りながら妊活に取り組むための栄養アドバイスについても詳しくお話を伺いました。

 

ーーYUKAさんが妊活中、特に気を付けていた栄養管理のポイントを教えてください。

 

妊娠するためには、卵子の質がとても重要です。その卵子は私たちのカラダで作られますから、何を食べるかがカラダ作りの基盤になります。これを食べたら妊娠できるという食品はないんですが、それより、何を食べないかという考えがすごく重要になります。

 

例えばグルテンやカゼインといった、カラダに炎症を起こさせるタンパク質。あとは、ビタミンやミネラルを消耗させ、カラダに負担をかける添加物、例えば、人工甘味料や白砂糖などは極力控えることが重要です。こういった食品を控えていくと、 カラダの負担がなくなり健康を取り戻すことができます。

 

ーー何を食べないかを意識しながら、妊活を続けるというのは、ちょっと難しいなと感じる方もいそうですね。

 

そうですね。例えば、グルテンをまず2週間だけ控えてみるといいと思います。それで体調の変化をチェックしてみます。体調が良くなってきたら、グルテンがカラダに合っていなかったことがわかりますよね。私自身、栄養療法を専門でやってきましたが、患者さん自身が控えてみることでカラダの変化がわかるんです。体調が良くなるから、自然とそういう食事を継続できるようになります。

ただ、グルテンやカゼインを控えるのは、対症療法(病気の根本的原因をのぞくのではなく、現れた症状に応じて行う治療法)に過ぎないんです。でも、この一時的な治療で、まずは腸に負担をかけるような食事を控えていくうちに、自然と腸の粘膜がケアされていくんです。そうすると、グルテンを多少食べても問題なくなってきます。

 

 

ーー妊活中のサプリメントや漢方薬使用についてはどう考えていますか。

 

サプリメントを摂取したからと言って、必ずしも全員が妊娠したり、AMH(卵子をどれくらい排卵する能力があるか示す数値)が上昇するということはないと思います。ただ、栄養素の塊であるサプリメントは効率化の道具ではあります。例えば、ビタミンDや鉄は食事からも摂取できますが、これは妊活女性にはぜひサプリでもとってほしい栄養素なんです。バランスのいい食事を取ることが、最初にやることですが、それに加えて、その人のカラダの状態に合ったサプリメントを摂取するというのが、最短で妊娠するためには必要な選択だと思っています。

 

ーー自分に合うサプリメントは、どうしたら選べるのでしょう。

 

自分に合うサプリメントはなかなか自分ではわからないですよね。私の場合は、その方に 症状問診票を書いてもらい、その症状にあった食事を提案しています。血液検査を受けてもらい、どの栄養素が不足しているかを考えて、必要なサプリメントを飲んでもらうこともあります。ただ、これも一時的な対処法にすぎません。大事なのは、なぜその栄養素が不足したのかを考えることです。サプリメントも取り入れながら根本原因にアプローチをし、最終的にはサプリメントがいらないカラダにすることが目的です。

 

 

ーーYUKAさんは妊活をスタートしてからどのくらいで妊娠されましたか?

 

2年くらいですね。最初は人工授精などから試みていき、3つ目の病院で妊娠しました。当時は、人工受精を3回ぐらいすれば妊娠できると思っていたし、まさか体外受精をすることになるなんて思っていなかったです。

 

妊活に関する知識もなかったので、医者に言われるがままでした。私のカラダは卵子が少なかったんですよね。だから、採卵をしても、卵が4~5個しか採れなかったんです。37歳くらいでしたけど、もう44~45歳の女性と同じぐらいの卵巣機能の状況だと言われて、すごくショックを受けました。

 

その一方で、妊娠するためには卵が10個も20個も必要なのでなく、質の高い卵子が1個とれればいいと教えてもらいました。ただ、そのために何をしたらいいかなど具体的なことは何も教えてもらえず、「病院の技術に任せてください」とだけ言われました。結果、うまく行かなかったので違和感を感じるようになったんです。

 

卵子は私のカラダが作るものなのに、その私が何もしないというのはおかしいなと思い、分子栄養学を勉強していたこともあり、自分で妊活について勉強を始めました。

 

 

ーー妊活を始めても、医療的な知識がないと、多くの女性はお医者さんを頼りにするしかないと思います。妊活する女性が積極的に取り組むために、まずは何ができるのでしょう?

 

妊活は人生を大きく左右するとても大事なことですから、うまくいかないと自分のカラダ作りをしようという結論にたどり着く方が多いと思います。 タバコやお酒をやめるとか、運動をする、食事も気をつけなきゃと、自然とその方向に進む方が多いです。自分で情報収集をしようとSNSで色々調べると、本当に正しい情報を正しい知識のもと発信しているかどうかというのはわからないですよね。

 

それが正しかったとしても、今のその方のカラダの状態に合っているかどうかもわかりません。そのあたりを見極めることも大事ですね。

 

ーー妊活をお医者さんに相談するタイミングは?

 

医師に相談するタイミングは年齢によっても差があるので、一概にこのタイミングと言えないですが、私がそうだったように 多くの女性は、結婚して妊活をすれば子供はすぐに授かるはずだと思い込んでいる方が多いと思うんです。でも現実はそうじゃないんです。例えば、日本では、夫婦の4.4組に1組が不妊症というデータもあります。

 

赤ちゃんが欲しいのであれば、すぐに妊活をしない場合でも、結婚後はブライダルチェックを受けておくといいと思います。これは、卵巣機能や子宮機能など妊娠のために問題がないかを検査するものです。その項目の1つとしてAMHの数値も知ることができます。この数値は通常の健康診断には含まれず、なかなか知ることができないので知ることができる良い機会にもなります。

 

あらかじめ、こういう検査をしておくことで、妊娠に関して問題があった時に、早い段階でその問題に介入することができ、いざ妊活をする場合にスムーズに始めることができますよね。

 

ーー妊活中にメンタルの部分で気を付けたことがあれば教えてください。

 

メンタルケアをしている人としていない人とでは、妊娠率や出産率に差があることもデータでわかっています 例えば、アメリカの研究では、心のケアを一緒に行うことで妊娠率が25%から52%に上昇したという報告があります。妊活中は、ストレスを感じ孤独なので、無理せずに不妊カウンセラーやお友達にまず相談して話を聞いてもらいましょう。

 

また、ストレスが強いと、ストレスに対抗するためにカラダがコルチゾールというホルモンを分泌するんです。このコルチゾールは、私たちのカラダで作られる女性ホルモンと同じコレステロールから作られます。つまり、ストレスが多いとコルチゾールの分泌が増え、女性ホルモンの材料であるコレステロールが消費されてしまいます。その結果、女性ホルモンのバランスが崩れ、排卵障害や不妊といった問題が起こる可能性があります。

 

ーーストレスによって、他にどういった影響がありますか?

 

ストレス状態だと、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が優位になってしまいます。こんな状態では、胃や腸などの消化器の機能が低下してしまいます。そうすると、消化不良になったり栄養素を吸収できなくなってしまうんです。これに加えて、先ほど避けるべきだといったグルテンなどを摂ってしまうと、 これに拍車をかけてしまうんです。弱っている腸に炎症をきたし、腸に穴を開けて、この穴から未消化のタンパク質や毒素、病原体などが漏れ出て、全身に炎症を引き起こしてしまいます。便秘や下痢、消化不良、お腹の張りなどそういう症状を引き起こしてしまうことになります。このような状態だと、卵巣にも十分な栄養素を届けることができなくなり、卵子の質も低下してしまうんですよね。

 

ーーストレスを感じた場合は、栄養面ではどういう対応ができるでしょう?

 

ストレスが強いと感じたら、胃腸に負担をかけないためにも、胃酸分泌を促すような食べ物の酢の物や梅干し、消化をサポートしてくれる大根おろしやとろろ、こういったものを食材に加えるといいですね。食材を選ぶ場合にも、お肉だったらステーキや揚げ物は胃腸に負担をかけてしまうので、いったん、こういうものを控えて、ミンチ肉など消化をしやすいものを選ぶのがいいと思います。ただ、スーパーで売られている牛や豚のミンチ肉は脂の質が悪いため、消化力が弱い人だとお肉の脂でもたれたり、下痢をしてしまうことも多いので、あまりおすすめはできません。ミンチ肉を購入する場合は、スーパーではなくお肉屋さんや信頼できるメーカーなどきちんとしたところで購入するか、家庭でひき肉をひくようにすると良いと思います。私は赤身肉を買ってきて自宅でひいています。ミンチ肉をスーパーで購入する場合は鶏肉がおすすめです。

 

 

ーー妊活中の運動で、YUKAさんがお勧めのエクササイズはありますか?

 

 

質の高い卵子を作るためにも、運動はとても大事です。卵子の中には非常に多くのミトコンドリアが存在しており、このミトコンドリアを元気にすることができれば、質の高い卵子を作ることができます。そのためには、ミトコンドリアに危機感を感じさせることが大事なんです。例えば、空腹感や寒冷刺激。お腹が減ったとか、ちょっと寒いなと思った時にはミトコンドリアも危機感を感じるんです。こうやってミトコンドリアを活性化させて、数を増やし元気にすることができるんですよ。

 

ーー今流行りのファスティングもそういう理由で?

 

はい。妊活している人の間でもファスティングや16時間ダイエットが流行っていますが、これは、ミトコンドリアを元気にすることができるからなんです。ただ、これには大きな落とし穴があります。確かにファスティングでミトコンドリアは元気になりますが、これをやってよい人とよくない人がいるんです。 私が見てきた中では、ファスティングをやっている妊活女性のほとんどの人はファスティングは合っていないんですね。

 

ーー妊活をしている方で、ファスティングをして効果のある人が少ないということでしょうか?

 

ファスティングが合う人は、元々元気な方です。妊活をしなくても、妊娠できるような人なんですね。若いとか、 アスリートみたいにカラダを鍛えている方とか、 毎朝ランニングに行っているような人です。そうでない人が、ファスティングをやると、低血糖を引き起こし、エネルギーが不足してしまうため、むしろミトコンドリアを低下させてしまうので危険です。ですから、ファスティングもカラダに合うか合わないかの見極めがすごく大事です。

 

ーー 40代に近づいてから出産をしたことのメリットはどういったものがあると感じますか?

 

1つは精神面ですね。若い時に子供を持つよりは成熟しているので、寛容な視点で子どもに接して子育てができていると思います。あとは経済的な余裕。それから妊活をしていたので、子供を授かることへの感謝の気持ちを持って妊娠・出産・子育てができていることでしょうか。子供が生まれることも奇跡だと感じているので、日々、子供との生活に感謝しながら子育てができています。体力面では、ちょっときついですけど。(笑)

 

 

ーー逆に、もっと若い時に子供を持つべきだったと感じることはありましたか?

 

私は、やりたいことがたくさんあったので、年齢のことさえなければ、もっと遅くに出産をしていたかもしれないです。ただ、私自身が妊活をしてみて、なかなか授からなくて悩んでいた時期は、もっと早くに妊活をスタートしておけば良かったという気持ちや、妊活の知識を持っておけばと感じたこともあります。

 

でも、この経験があったから、今こうやって妊活に関する活動や発信をすることにつながったので、人生で起こる出来事には全てに意味があると感じますね。 妊活の末に第1子を出産して、それがきっかけで不妊で悩んでる女性たちを栄養面からサポートする活動をしたいと考えたんです。

 

 

ーー今、妊活をがんばっている方たちにメッセージはありますか?

妊活って出口の見えないトンネルを1人で歩いてるような感覚なんですよね。私自身もそれを感じて、努力だけではうまくいかないこともあるんだなと感じました。妊活は、人生で初めて感じた挫折でした。

 

でも、大切なことはあきらめないことだと思います。できることは必ずあります。つまり自分のカラダを見直してカラダの状態を整えることです。その基盤となる食事、つまり栄養面を見直してほしいです。

 

インターネット上には様々な情報が流れていますが、まずは正しい知識を持って、あなたのカラダに合ったやり方で妊活をやってほしい、そう思います。

 

 

YUKA

栄養療法クリニックで1500人以上の患者に栄養指導を行い、特に不妊患者のサポートに注力してきた管理栄養士・正看護師。臨床分子栄養学の講座で医師・歯科医師を含む1000人以上に教育を提供し、医師との共同で栄養療法のオンラインスクールも運営。自身も栄養療法を実践し、AMH値を改善、38歳で妊娠し39歳で出産を経験。現在は第二子を希望中。不妊専門の漢方サロンで350人以上が参加した妊活栄養学講座を開催するなど、妊活支援に貢献している。

 

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「助産師たちの夜が明ける」レビュー

 

子どもを持つことに常に迷いを感じてきた私にとって、出産は大きな恐怖でした。痛みだけでなく、体への影響や、出産中に感じるかもしれない深い孤独感がとても不安でした。その苦しみを乗り越えることが、とても困難に感じました。

 

最近、フランス映画『助産師たちの夜が明ける』(原題『Sages-femmes』)を観ました。この映画は、現実的で過酷な状況に直面する複数の架空のキャラクターを描いています。物語は、フランスの公立病院の産科病棟で、ソフィアとルイーズという新任の助産師2人が初日を迎えるところから始まります。アメリカでは、助産師は個別に雇われ、出産時に立ち会うことが一般的なので、病院内で助産師が出産の最初から最後までをサポートしてくれるという考え方に、とても驚きました。そしてそれがいかに重要で、大きな支えになるかも実感しました。

 

この2人の主人公は、新人である看助産師の典型的な姿を象徴しています。ソフィアは試験ではいつも優秀な成績を収め、失敗を恐れる優等生で、一方のルイーズは内気で控えめ、発言するのに躊躇するタイプ。映画では彼女たちがどれくらいの期間、友達だったかはわかりませんが、ソフィアが初日にルイーズを励ますシーンで、お互いが支え合う友好的な関係がよく表れています。

 

しかし、ソフィアが手伝った出産で、赤ちゃんが危うく命を落としそうになる事件をきっかけに、彼女たちの友情は大きな試練に直面します。冒頭から、看護師や医師などの病院スタッフ全員が手一杯で、患者一人ひとりに十分な注意を払うことができないことが明らかです。病棟は混乱し、助けを求める叫び声が飛び交います。そんな中、ソフィアは異常な痛みを訴える母親の対応にあたりますが、生命に関わる兆候は正常に見えたため、状況を監視しつつ別の患者にも対応しようとします。ところが、赤ちゃんは心拍がない状態で生まれ、蘇生には4分かかり、その結果、赤ちゃんは脳に損傷を負ってしまいます。

 

このトラウマ的な経験によって、ソフィアはPTSDを発症し、深いうつ状態に陥りますが、彼女は自分がうつであることを認めようとしません。一方で、かつて自信のなかったルイーズは成長を見せ、そのことが2人の間に緊張を生み、友情を引き裂くことになります。

 

 

この状況ではソフィアを責めることはできません。成功が目標となる環境で育ったソフィアにとって、ほんの小さな失敗でさえ、心を打ち砕くような衝撃を受けるものです。感動的なシーンで、ソフィアは主任医師のオフィスに呼ばれ、もしかしたら出産の現場は彼女に向いていないかもしれないと言われます。医師は『全員を助けることはできない。助産師は幸せな時もあれば、辛いことに直面しないといけない時もあるのだ』と告げます。打ちひしがれたソフィアは『全員を助けられないなら、この仕事に何の意味があるんですか?』と答え、部屋を後にします。

 

この映画は、助産師たちが直面する大きな苦労を浮き彫りにし、彼らへの深い尊敬の念を抱かせます。赤ちゃんに何が起こったのかについての報告会では、スタッフ不足に対する不満や苛立ちが渦巻く中、ルイーズが印象的な言葉を発します。『私たちは患者とほとんど話すことなく走り回っていて、それは私たちの仕事を人間味のないものにしてしまいます。』本当に助けたいのに、手が足りなくて目の前で患者が苦しむのを見ているしかないという現実が、いかに胸が痛むものかを理解させられます。完璧主義者であれ、自信がない人であれ、彼ら全員が共有している一つの目的は、妊娠中の患者とつながり、支援することです。彼らは皆、本当に人を助けたいと思ってここにいるのです。

 

助産師たちが直面する課題は、赤ちゃんを取り上げることだけではありません。患者たちの人生や苦難にも寄り添わなければならないのです。あるシーンでは、妊娠したホームレスの女性が、新生児に対して距離を置いており、望まない妊娠だったことを示唆しています。また、娘が出産する場面では、助産師の言葉に耳を貸さない過保護な母親も登場します。さらには、虐待的な夫についての会話が聞こえてくるシーンや、助産師が夫に対して『妻にそんな言い方をしないで』と注意する緊迫した場面もあります。多くのシーンが混沌としていて、感情的に揺さぶられ、生々しいものです。私は何度も涙を流しました。同じ女性として、これらの母親たちが経験する痛み、喜び、恐怖を深く感じ、助産師たちが彼女たちの健康と幸せにとっていかに重要な存在かを痛感しました。

 

物語は、終盤にベテラン助産師のベネがシフトの終わりに突然退職を宣言することで、思いがけない展開を迎えます。彼女の同僚たちは驚きますが、ベネは、食事やトイレを我慢し、息子との時間を犠牲にすることは耐えられても、慢性的な人手不足のために患者を放置することにはもう耐えられないと説明します。この決断は、死産した赤ちゃんの両親が、なぜ出産までに5時間もかかったのかと痛ましく尋ねた場面の後に訪れます。ベネが答えられたのは、仕事に追われていたという弱々しい謝罪だけでした。母親は彼女を何度も拒否しますが、ベネは戸惑いながらも最終的には部屋を出て行きます。退職を告げた瞬間、かつて彼女の情熱を燃やしていた火が、燃え尽きてしまったのが見て取れました。

 

この映画は、どれだけ努力しても、物事がうまくいかないことがあるという現実を教えてくれました。そして、困難な時に自分自身を支え合うことの大切さを示しています。自分が止まってしまえば、患者が苦しむことになるからです。この映画は痛ましい一方で、美しく描かれており、人間関係の複雑さや公的医療制度の中でのフラストレーションを浮き彫りにしています。私たちは皆、利益を優先し、ケアを後回しにする大きなシステムの犠牲者です。そして、世界中で声を上げ、患者だけでなく、献身し犠牲を払ってくれる看護師たちのためにも、より良い生活とケアの質を求めることが重要だと痛感しました。

 

映画公式サイト:
http://pan-dora.co.jp/josanshitachi/

女性医師に聞いた体外受精を決めるタイミングと大切な心構えとは。【医療法人オーク会の田口早桐ドクター・インタビュー】

 

「年齢を重ねるごとに、妊娠は難しくなる──」。頭では理解していても、実際に直面すると多くの女性が悩み、立ち止まってしまう課題です。そんなとき選択肢のひとつとして浮かび上がるのが、体外受精という手段。しかし、治療に進むかどうかの判断や治療過程での不安など、迷いや疑問を抱く人は少なくありません。今回は、体外受精治療の第一線で活躍する医療法人オーク会の田口早桐ドクターに、年齢と妊娠の関係、治療を選ぶ際の注意点、そして心の準備について伺いました。さらに、普段はなかなか聞けない不妊治療の現場でのリアルな裏側についてもお話しをしていただきました。

 

ーー現在の不妊治療の現状について教えてください。どのぐらいの年代の方が主に通っていますか?

 

通われてる方は、やっぱり30代後半から40代前半の方が多いです。以前と比べて、不妊治療が一般的になってきているため、通われる方の年齢は下がってきています。以前は不妊治療は、すごく特殊なものと思われていたんですよね。特に体外受精は医療とは違うもの、と思われていたんです。

 

不妊の定義も以前は、「2年間妊娠しない」ケースを不妊症と呼ぶという診断基準でした。アメリカの基準にそろえてこの基準が変わり、不妊症の定義も「1年間妊娠しない」となりました。さらに人工授精と体外受精が保険診療できるようになりました。技術の変化に応じて不妊の定義も変わってきたんです。

 

ーー不妊治療を始めてから、体外受精まで進む方はどのぐらいの割合いますか?

 

不妊治療を始めた方の半分ぐらいの方は体外受精に進むんじゃないでしょうか。年齢にもよりますね。

 

不妊治療の方法は3段階あります。1つ目は、「タイミング法」といって、排卵に合わせて性交渉を持ってもらうもの。排卵のタイミングがわからない場合には、弊社で超音波で確認して、排卵のタイミングをお知らせします。

 

2段階目は「人工授精」といって、精子を子宮の中に直接挿入する方法です。排卵のタイミングに合わせて行います。

 

3段階目が「体外受精」です。精子も卵子も体外にとりだして受精させて、状態の良い卵を移植するというステップです。タイミング法や人工授精では、精子と卵子がちゃんと受精しているかわからないですが、体外受精の場合は、それを目で確認できるんですね。

 

タイミング法で妊娠する人は10パーセントぐらい。次の人工授精で妊娠する人は5~10パーセントぐらいでしょうか。不妊治療を始めた半分くらいの方が、その次のステップである体外受精に進みます。

 

 

ーー体外受精をして妊娠した人の割合などのデータはあるんですか?

 

年齢に左右されますね。35歳ぐらいまでの方は、体外受精に切り替えてから1年以内に結果が出る方も多いです。ただ40代になると結果が出ないという人も出てきますね。

 

ーー年齢によってかなり確率が変わるのですね。

 

はい。各年齢に適したやり方があるので、その方に適した方法を提案して一緒に取り組んでいます。年を重ねると結果が出るまでに時間がかかるので、継続的に治療をすることも大切です。数週間お休みして、また少ししたら再開して、という風にしているとなかなか結果が出ないので、ある程度は集中的に治療を続けていく必要があるかなと思います。

 

ーー35歳をすぎると妊娠率が下がると聞きますが、年齢の節目があるんでしょうか?

 

ありますね。30代後半で流産率が大きく上がり、妊娠率も下がります。あとは、不妊治療の保険診療の年齢制限が43歳未満という条件がありますが、43歳前後でも妊娠率がかなり変わってきますね。

 

ーー体外受精を検討してる方にとって、治療を始める前に知っておくべき1番重要なことは?

 

体外受精までするのだから すぐ結果が出るだろうと期待される方も多いんですが、そうではないということです。私たち人間は、加齢によって卵子にバグ(不具合、異常)ができてくるものです。35歳ぐらいだと毎月排卵はしていますが、その中でちゃんと赤ちゃんになれる卵はどのくらいの割合かといえば半分ぐらいなんです。「毎月ちゃんと生理もあるし、排卵もしている」と思ってもそのうちの半分は赤ちゃんになれない卵である可能性があります。40代になると、赤ちゃんになれる卵の割合はさらに下がります。

 

ーー働いてる女性は仕事をしながら不妊治療をして、負担が大きなイメージがあります。皆さん、どのようにされているんですか。

 

オーク会では通院しないといけない日は実はそれほどないんです。体外受精なら、採卵や移植、卵のチェックなどでは通院してもらいますが、それ以外はオンラインで対応しています。ですから、ドクターによる説明のために通院いただく必要はないんです。オンライン診療で、薬もこちらから郵送できますので取りに来る必要もありません。ですから、沖縄から北海道まで幅広い地域から患者さんがいらっしゃいます。

 

ーー患者さんと接する中で精神面をサポートするために心がけてることはありますか。

 

 

不妊治療の話は友達や家族にも気軽には相談できないですよね。ですから、現場のスタッフができるだけ寄り添って、お話をしやすい環境を作るようにしています。私たちは、ここにいらっしゃる方みんなが妊娠・出産というゴールを持っていることをわかっているし、長い期間通っている方もいるので、応援したい気持ちが強いんです。

 

こんなこともありました。何度もうまくいかなかったある患者さんが、検査で陽性だったので、「●●さんが陽性でした!」とお伝えしたら「わーっ」と大きな泣き声が聞こえたんです。ご本人が泣いていると思ったら、その横に立っていた培養士がもう顔を涙でぐじゃぐじゃにして泣いていたんです。結果を待つ時は、スタッフも患者さんも一緒にドキドキしていますし、スタッフ本人が不妊治療をしていて、一緒に頑張ってる気持ちでいることも多いんですよ。

 

 

ーー田口ドクターご自身も不妊治療の経験がありますが、その経験が今の患者さんとの接し方に役立っていると感じますか?

 

そうですね。私が不妊治療をしたのは20年以上前なので、今とは不妊治療のイメージもずいぶんと違います。私は体外受精が必要だと思ってやってみたんですけど、 焦る気持ちを自身で体験しました。採卵に1ヶ月かかって胚凍結して、また準備して移植して結果を待つ。とても長く感じ、焦りが強かったです。

 

私の不妊治療の経験から、皆さんの焦ったり納得がいかないと感じる気持ちがよくわかりますから、自身の経験は患者さんと接する時に役に立っています。女性同士で温かい目で見守ることも必要です。母親や女性の友達から「まだ子供ができないの?」と言われてしまうと、すごく辛いんですよね。自分が治療した人は、そういう点で不妊治療をしている女性にも優しくなれるんじゃないでしょうか。女性同士がもっと暖かい目で見守り、気持ちの面で支え合ってやっていけるようになればいいなと思います。

 

 

ーー不妊治療を行う中で、治療の成功率を高めるために、患者さんが日頃の生活でできることはありますか?

 

不妊治療に来られる方は妊娠に向けてきちんと栄養も考えている方が多いと感じますので、そのあたりはあまり心配ないのかなと思います。ただ、考えすぎてかえって偏った食事になってる方もいますね。食べすぎてはいけないと思って、野菜ばかりで タンパク質が不足している方もいます。例えば、地中海式の食事は、健康にいいというデータがありお勧めですが、何よりも偏った食事をしないようにすることが大事だと思います。

 

 

ーーパートナーとどのように協力していくべきか、パートナーと話し合うべきことはありますか?

 

パートナーとは二人三脚でやっていっていくことが大切です。患者さんを見ていると2タイプのカップルがいると思います。1つは、旦那さんも非常に熱心でいろいろなことを聞いてこられて、2人で取り組む方たち。もう1つは、旦那さんはふわっとしていて、まあなるようになるよ、という感じで、奥さんの方が一生懸命やっていて、旦那さんは積極的には話を聞いていないようなカップル。

 

どちらにせよ、不妊治療で1番辛い思いをするのは奥さんですよね。通院したり、注射を打ったりというのは女性が行うので、旦那さんの支えが大事です。(子供ができないことの)責任の押し付け合いは1番避けたいところで、旦那さんの器の大きさは大事かなと思います。

 

ーー田口ドクターが不妊治療をされた20年前と比べて、体外受精という手段も以前より身近なアプローチになってきたのでしょうか。

 

体外受精の治療には保険も導入されたし、妊娠する確率が上がることは確かなんです。ただ、誤解のないようにお伝えしたいことは、体外受精は「しっかり受精することを手助けするもの」ということです。年齢とともに卵の状態は悪くなります。1ヶ月に1個しか排卵しないものを、体外受精で刺激して5~10個とることができて、受精も確実にさせて、その中から状態の良い卵を移植するので、妊娠率がぐっと上がるんです。ただ、卵子の質を上げることはできないので、体外受精はその人の妊娠する可能性を上げるものなんです。医療の技術を使って、その人のポテンシャルを最大限に活かしているということですね。

 

 

ーー不妊治療で悩んでる方に向けてメッセージをいただいてもいいですか?

 

子供ができないというのは、とても辛いことです。でも、治療の過程で、卵子や精子の老化、染色体などの科学的な理由がわかると、かえって心が解放され、腑に落ち、それならこうしようという心持ちで治療にとりくめるのではないかと思います。ですから、ぜひ、まずは検査を受けるなど、 一歩踏み出していただくと良いと思います。

 

田口早桐

生殖医療専門医、臨床遺伝専門医。川崎医科大学卒業後、
兵庫医科大学大学院にて研究。専門は「抗精子抗体による不妊」。

府中病院を経て、医療法人オーク会へ。著書に『やっぱり子どもがほしい!産婦人科医の不妊治療体験記』(集英社インターナショナル)、『ポジティブ妊活7つのルール』(主婦の友社)がある。体外受精に関して、排卵誘発法を含めた治療戦略をしっかり立てることが大事との信念で、個人個人の状態に合わせた方針を決めることに力を注ぐ。

 

医療法人オーク会HP: https://www.oakclinic-group.com/

セルフプレジャーの新たな楽しみ方を教えてくれるセックストイたち

人生を変える最高の『セルフプレジャー』を見つける9つのステップ

 

セルフプレジャーは、色々な面から見て素晴らしいものだということを知っていますか?

 

とっても気持ちがよいだけでなく、あなたの健康にもよい影響を与えるのがこのセルフプレジャー。

 

オーガズムに達するとオキシトシンというホルモンが放出されますが、このホルモンはあなたの健康全般に良い効果があります。

 

セルフプレジャーには、痛みを軽減する効果もあり(生理痛よ、さようなら!)さらに、不安を緩和する効果もあることがわかっています。

 

あなたも、その恩恵を受けたいと思いませんか?

 

健康によいのは、オーガズムに至るまでに放出されるホルモンだけではありません。

 

性的に興奮している時に、脳はセロトニンという物質を放出します。

 

この化学物質は、性的満足感を高め、気分を調整するのに役立つことが分かっています。

 

つまり、オーガズムがあろうとなかろうと、自分を愛することは、脳のバランスを整えてくれるのです。

 

あなたがセルフプレジャーの初心者でも、少しマンネリ気味の経験豊富な人でも、セックス・セラピストのジョーダン・ルロ博士からのアドバイスは、どうやって最高のセルフプレジャーを実現するかについての大きなヒントとなるでしょう。

 

▶︎セルフプレジャーとは?美容効果を紹介!どんな人におすすめ?

 

▶︎セックスレスになりやすい夫婦の特徴とは|原因や解消法を解説

 

 

 

ステップ1: 性的な欲求をかき立てる

私たちは、性的欲求に関して多くの誤解をしています。

 

例えば、思わず欲情してしまうことは当たり前だと思われていますが、実際には私たちはもっと複雑な生き物です。

 

ベストセラーの著書「Becoming Cliterate」で指摘されているように、女性(そしてすべてのジェンダーの人々)は、思わず欲情するということはあまりありません。

 

医学雑誌『The Journal of Sexual Medicine』によると、3人に1人は、欲求が何かに反応して発生するものであることがわかっています。

 

そして、この欲求は、性的な刺激(触れたり、ポルノを見たり、何でも興味を引くもの)にさらされたときに現れます。

 

つまり、多くの人々は欲求を引き起こすために何かきっかけを必要とするのです。

 

性欲をかきたてる方法はたくさんあり、人によって異なります。

 

だからこそ、ぜひクリエイティブなアイデアを試すことを恐れないでください。

 

ルロ博士は、「演じなくてはいけないというプレッシャーや過度な期待、または時間の制限がない、自由な環境とマインドを作りましょう」と説明しています。

 

博士は、優しい色の照明、キャンドル、またはお気に入りの音楽で自分のセルフプレジャーの空間を整えることで、リラックスした気持ちになれると提案しています。

 

ステップ2:全身を探求してみる

「性的な活動というと、性器や乳房にばかり注目されがちですが、それ以外にも全身をよく見直すことで、自分がさらに気持ちよくなる性感帯を発見できます」とルロ博士。

 

まずは、足、太ももの内側、腕、またはお腹をマッサージすることから始めましょう。

 

これによって、プレッシャーを感じずに、気持ちのよい感覚を楽しみながら探すことができます。

 

性欲が低下している、体型に悩んでいる、またはオーガズムが感じられないなどの悩みがあっても、ありのままの自分を受け入れて、まずは体とつながることで、快感を感じる可能性を引き出すことができます。

 

ステップ3: ルーブ(潤滑ゼリー)の活用

ルーブ(潤滑ゼリー)を使うと、肌と手の間にバリアができて興奮が高まり、摩擦が減り、セルフプレジャーがさらに快適になります。

 

ルロ博士は、「ルーブ(潤滑ゼリー)が性的興奮、快感、そしてオーガズムを増加させることは、実際に女性たちから報告されています」と話します。

 

ルロ博士は、天然素材で、刺激性の低い成分で作られた水性のルーブ(潤滑ゼリー)をおススメしています(できれば、砂糖、パラベンなどの有害な化学物質が含まれていないもの)。

 

ステップ 4: まずは、外側からスタート

実際にセルフプレジャーをする時になったら、まずはクリトリスに注目しましょう。

 

なぜなら、ここに約8,000の神経終末があるからです!

 

さらに、多くの研究から、オーガズムに達するにはほとんどの人がクリトリスへの刺激が必要であることが明らかになっています。

 

『The Journal of Sex and Marital Therapy』に掲載された2017年の研究では、37%の人がオーガズムにはクリトリスが必要であると回答しました(陰茎挿入のみで十分と回答した人は18%)。

 

まずは、指を使ってクリトリスを軽く触ってみてください。

 

刺激する方法はたくさんありますので、何が気持ち良いかを決めるのはあなた次第です。

 

例えば、以下の方法を試してみるのもよいでしょう。

 

  • 時計回り(または反時計回り)にクリトリスをこする
  • 上下にこする
  • 指を横に滑らせる

 

「同じ刺激を繰り返すよりも、スピードや強さなど多様な方法を試す方が、興奮することが研究からわかっています」とルロ博士。

 

ステップ5:次に、内側に向かって…

陰茎挿入はすべての人が好む方法ではないかもしれませんが、一部の人にとっては快感をもたらすことがあります。

 

もし挿入を試したければ、十分にウォームアップをすることが重要です。

 

ステップ4をくり返し、リラックスして準備が整ったら始めましょう。

 

1〜2本の指(またはセックス・トイ)を膣に挿入し、腹部の方向に引っ張るように、揺り動かすように動かします。

 

内部全体を触ったり、こすったり、軽くたたいたりして、ゆっくりと探索していきましょう。

 

ここでルーブ(潤滑ゼリー)を使うことで、陰部や膣を滑らかにして、より快適に興奮を感じられるようになります。

 

ステップ6:挿入とクリトリスの刺激を一緒に試す

手の一方でクリトリスを刺激しながら、もう一方の手で指を使って挿入を試すこともできます。

 

この気持ちよさを探求する旅は、ブッフェスタイルのレストランにいることに似ています。

 

つまり、おいしいものもあるけど、そうでもないものもあるということです。

 

ある時には一つの料理に興味を持つけれども、そうでない時だってあります。

 

ここで大切なことは、たくさんの選択肢があり、その日の気分によって、なんでも試すことができるという意識を持っておくこと。

 

ステップ7:「今」を感じる

セルフプレジャー中は呼吸にも注意を払いましょう。

 

深く息を吸うことは、リラックスして神経系を落ち着かせるために大切なことです。

 

しっかりと息を吸うことで、体に必要な酸素とエネルギーを吸収し、「今」を感じることができます。

 

そして息を吐くときには、ストレスが体から排出され、体がどっしりと安定している状態を感じましょう。

 

最初は上手くいかなくても、何度か試してみるうちに慣れてくるので、心配しないで大丈夫です。

 

ステップ 8: 全ての感覚を意識しましょう

セルフプレジャー中は、全ての繊細な感覚に意識を向けることで、集中力を維持することができます。

 

自分自身に色々と問いかけてみましょう。「何を感じる?」「何が聞こえる?」「何が見える?」「何の香りがする?」。

 

一つ一つ体験していることに細かく意識を集めてみることで、「今」に自分を引き戻し、自分の身体の感覚に集中することができます。

 

ステップ 9: グッズを準備しましょう

そう、グッズとは、セックストイの話です。

 

例えば、バイブレーターを使うことで、より深く集中的にクリトリスを刺激することができます。

 

もし、セックストイを使ったことがなかったら、まずはバレット・バイブレーターのような小さなものから始めるのが良いかもしれません。

 

ルロ博士によれば、「シリコーン製のバイブレーターは、外部刺激(例えばクリトリス)と内部刺激(例えば膣)の両方に使用でき、多様なスピ―ドや強さを選べるため、理想的です」とのこと。

 

そして、急がずに、ゆっくりと時間をかけることも忘れないで。

 

急いでしまうと不安などにつながり、これではセルフプレジャーの楽しみが半減します。

 

自分を愛するためのセッションを楽しむセルフプレジャーのための時間をしっかりと確保するようにしましょう。

 

ぜひ、マスターベーションは人生の中心にふさわしい、正真正銘の性体験であると考えてください。

 

そしてここで最も大切なことは、自分の身体を探求し、性的なタッチを楽しむこと、そして自分が性的な人間としてどのような存在かを知ることです。

 

自分自身の快感に対して、より多くの時間と注意を払うことで、セックスは(一人でも、相手と一緒でも)より楽しいものになり得ます。

 

そして最も重要なことは、何よりも「楽しむ!」と自分の心で決めることです。

 

9 life-changing masterbation tips / Flo Health より