Humming♪

子供だけでなく家族全員の幸せを考える。
悩める親の心を救う確かなメッセージ【保育士 てぃ先生のIt’s My Story】

保育園に勤めながら、その専門性を活かし、自身のSNSや講演活動などを通じて子育てや保育に役立つ情報を発信する現役保育士のてぃ先生。SNSの総フォロワー数は140万人を超え、子育て世代が抱えるさまざまな悩みを解決へと導いています。保育士を目指したきっかけや、子供たちとの生活で学ぶこと、「てぃ先生」としての活動に込める想いを聞きました。

子供を想うドーナツ作りを自分たちの手で。ママたちのフードロス救済プロジェクト

食べ残しや売れ残り、消費期限が近いなど、さまざまな理由でまだ食べられる食品が捨てられてしまうフードロス問題。食べ物の廃棄はもったいないだけでなく、地球環境にも悪影響をもたらしています。そんなフードロスを、ドーナツ作りで減らす取り組みをしているママたちがいるのをご存じでしょうか?


手作りの愛情たっぷりドーナツを届けたい

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金沢にある工房兼ショップ。ここで日々、手作りされている愛情たっぷりのドーナツ。「体にやさしくて、美味しい手作りのドーナツを子供にたくさん食べさせたい」「子供がうれしい、ママも楽しいアイデアを『ウフフ』『アハハ』と出しあって、子供に食べさせたい」ー-「ウフフドーナチュ」というキュートなネーミングからも、そのドーナツをほおばる子供たちの笑顔が浮かんできます。

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ここで働いているのは、全員が主婦。そしてオーナー、パティシエ、スタッフとそのほとんどが子育て中の現役ママさんたちだそう。

共働きの家庭が多くなり、かつてのようにママが手作りのおやつを準備することが難しくなっている昨今。そんななかでも、安心して口にできる美味しい手作りおやつを子供たちに届けたい、ママと子供の豊かな時間を作りたいー-そんな想いが軸になっています。ママ目線でのコンセプトを活かして、保存料無添加で毎日生地から手作り。そして、子育て中でもキャリアを活かして働きたいママたちに向けた、多様な働き方を応援する場所という側面もあります。


ウフフドーナチュが美味しい理由

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女性、特にママが働きやすい職場を作りたい!という熱い想いを持つ一人のママが中心となり生まれたウフフドーナチュ。今では、そんな想いに共感するママたちが集まって、毎日たくさんのドーナツを作っています。

ドーナツ作りに使われる材料は農家の新鮮卵や地元産中心の国産野菜など。保存料は無添加です。何よりもママたちが愛情をこめて作っている、まさに自分の子供たちに食べさせたいドーナツ。それはもう、美味しいに違いありません。


フードロス問題もママのアイデアで解決したい!

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ウフフドーナチュでは、ドーナツ作りを通してフードロス削減や地産地消にも積極的に取り組んでいるそう。これまでも、捨てられるはずの柚子の皮で作られたピール煮を使ったドーナツ、規格外のさつまいもなどを使ったドーナツを開発してきました。規格外の野菜や果物など、品質に問題はないにも関わらず廃棄されていた食材を積極的に商品化することで、捨てられる運命の野菜を救っているのです。

他にも地元食材を使った期間限定食堂の運営まで! ママたちのアイデアから生まれた『フードロスを減らそうプロジェクト』は、安心安全に暮らせる未来のためにー-そう、すべては子供たちへの愛情が原動力になっています。


軽井沢にも広がる、美味しくて楽しいドーナツの輪

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石川県金沢市に本店を構えるウフフドーナチュが、2021年8月に初の支店としてオープンした『ウフフドーナチュ旧軽井沢』。このたび一周年を迎えました。
実はこの支店、軽井沢に住みながらリモートでウフフで働くスタッフの「私も軽井沢で 美味しいドーナツとママたちの活躍の場所を作りたい」という強い思いから実現したそう。

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一周年を機に、より一層ウフフの世界観と商品を楽しんでもらいたいとショップのリニューアルも行われました。


規格外ケールを有効活用したお食事ドーナツ

フードロス削減に積極的なウフフドーナチュ。軽井沢店でも、ママの感性やスキルを活かしたドーナツを考案していますが、このたび発表された『フードロスを減らそうプロジェクト』第一弾にもご注目。

既定の品種でないために通常の流通には乗らないものの、美味しさや栄養価はまったく変わらないというケールを使った、オリジナルドーナツ!

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長野県でケール農家を営むママから届いた「販売できないケールを無駄にしたくない」という声。ー-軽井沢店初めてのオリジナルのベジタブルドーナツは、そんな相談から生まれました。

季節限定「軽井沢のケールドーナツ」に使われるケールは、農家が大切に育てた栄養満点のもの。そのケールをドーナツにすることで、たくさんの子供たちの元に届き、フードロスを少しでも減らそうというチャレンジです。農家が手間暇かけて育てた野菜。たくさんの人に美味しく食べてもらいたいですよね。

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信州の自然豊かな畑で大切に育てられたケール。生地の約25%と、たっぷり練り込まれた「軽井沢のケールドーナツ」は生地に混ぜ込むケールの量など細かい調整を何度も繰り返し、風味と生地がバランスよく味わえる自慢のレシピに。

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このやさしいグリーン。もちろん着色料を使っていないので、素材本来の自然な色です。ケールは、緑黄色野菜の王様といわれることもあるほど、高い栄養価で知られる食材。栄養たっぷりのまさにお食事系ドーナツ。おやつにはもちろん、朝食にもぴったりです。


こだわりのドーナツで子供たちに安心安全なおやつを。そして、規格外食材を積極的に使うことでフードロス問題の解決へもアプローチ。ドーナツ作りを通して、みんなが楽しく心地よく暮らせるアクションを起こしているママたちの活躍をご紹介しました。昔も今も、ママの手作りドーナツに込められた想いは同じですね。たくさんの愛情と子供たちを笑顔にするアイデアが詰まっています。

ウフフドーナチュ
https://ufufu-ufufu.com/

ウフフドーナチュ金沢本店
石川県金沢市久安2-463

ウフフドーナチュ旧軽井沢
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢813-1​

自分の人生に対してオーナーシップを持つ。
それが他者理解につながるから【ゲスト 井上英之さん / 編集長インタビュー 02】

Humming 編集長 永野舞麻が、知りたいこと、気になること、会いたいひとにフォーカス。「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版」共同発起人の井上英之さんのインタビュー第二回目は、井上さんが携わる“マイプロジェクト”について、そして社会起業家の育成についてお話を伺いました。


“やってみる機会”を自分にあげる

 

前回、社会を変えていくためには、個人個人がまず自分のことを知っていくことが大事、というお話を伺いました。そのために、いのさん(井上さん)が行っているのが「マイプロジェクト」という学びの手法ですね。これはどういったものなのでしょうか?

「最初は、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で学生たちに取り組んでもらっていたものでした。現在は、例えば、カタリバというNPOの主催で高校生向けに『全国高校生マイプロジェクトアワード』として展開するなど、若者たちをはじめ、地域の人たちやママたち、企業や自治体の人たちまで、全国に広がっています。『全国高校生マイプロアワード」では、今年は、366校、約17000人のエントリー、マイプロ実施者数は約7万人だったそうです。


まずは、何でもいいんです、自分がずっとやってみたかったこと、今、気になることをプロジェクトの形にしてもらう。身近にある気になることでいい。世の中や地域のことでもいい。それを“やってみる機会”を自分にあげる。

そのプロセスで、いろんな自分に出会い、気付きます。何より、他者にも出会っていきます。実際の経験のなかから、自分が本当に欲しい未来は、こういうことだったんだと気付いて、プロジェクトを変更することもよくあります。やってみるなかから、やり方も進化していきます。

『マイプロジェクト』は、プロジェクトそのものの成功だけが目的ではありません。プロジェクトを通じて、自己理解を深め、そこから他者や社会への理解をすすめ、自分の人生や社会に対して、地に足のついたオーナーシップを感じ取ってもらう。

前回もお話したとおり、プロジェクトを始めると、誰もが必ず転びます。そんなプロセスをメンバーで定期的にシェアしあいます。話をしてみると、必要なリソースや情報を、他の人が持っているかもしれないし、誰かの問いかけで、新しい理解や大切な気付きも生まれます。何より、そんなそれぞれの背景や紆余曲折を知ってくれている、大切な「場」が生まれます。

『ソーシャルイノベーション』は、自分の日常にその縮図があることに気付くことがとても大切です。どんな身近なことを扱ったプロジェクトでも、そこには“代表性”があるんですよね。たとえば親子関係に悩む人は、世界にすごい数いますよね。新しい方法を見つけたら、世界を変えられるかもしれない。変化の可能性って、僕たちの足元にあるんです」


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「実現したい未来」に投資する考え方

― いのさんは、対学生だけでなく、「ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京」という団体で、社会起業家の育成も行っていますが、こちらについても詳しく教えてください。

「2003年頃に僕が始めたソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京という団体では、社会にイノベーションを生み出そうというプロジェクトや団体に投資をしています。集まった人たちがパートナー(会員)として集まり、お金の投資に加えて、自分のスキルや経験を通じた“時間”の貢献をしています。そして、毎年、投資先を公募して決定をするのですが、その選考方法がちょっと変わっています。

まず、書類選考を通過した団体とは、SVPのメンバーのうち、この時点で応援したい人たちがチームとなって、2次選考に向けて一緒に準備を進めます。いったん、選考する側が味方になって、協働してみる。ここで、やってみるなかから互いの理解をすすめます。また、チームに入ったメンバーは、どうしたら、他のSVPのメンバーたちを動かすことができるか真剣に考えます。そして、その後の2次選考では、プレゼンの後、全メンバーによる投資先決定の投票をします。

その投票には2種類の票があります。『S票』と『V票』です。S票は、「投資してもいいと思うよ、でも、自分は、実際の協働チームには入れない」(お金だけ)という票で、V票は、「投資に賛成するし、協働チームに入ります」(お金とコミットメント)という意思表示です。そして、S票が何票あっても、一定数以上のV票がないと正式な投資先になれないことになっています。大切なことを動かすには、温度のある当事者が必要ですよね。この投票は、主観というものの存在を、客観的に扱っていく一つのやり方だと考えています。

この投資のいちばんのリターンは、客観情報に加えて、自分の感じていることも大切にする練習と、欲しい未来のために、自分自身や周囲の人たち、組織、社会のなかにすでにあるキャピタル(資産)の活かし方なのかもしれません」

inoue

― 欧米では投資家たちが、貧困などの社会的な課題解決を考えている団体に対して資金を提供する「インパクトインベストメント」が活発ですが、日本ではあまり盛んではない印象でした。けれど今のお話を聞いていると、しっかりと取り組んでいる方たちがいるのですね。

「はい、課題はどの国でも多いですが、日本でも育ちつつあると思っています。
少し前の話になりますが、ろうの子供たちのフリースクールを運営していたSVPの投資・協働先の団体が、学校法人として認可を受けて、私立の小学校を始める資金調達キャンペーンを行ったことがあります。必要な数千万が集まる素晴らしいプロジェクトになりました。

これをリードしていた、SVPのチームメンバーたちは、これを機に、その後に日本ファンドレイジング協会を立ち上げるなど、素晴らしい活躍をしています。制度や慣習の困難はあっても、それを一歩ずつ動かしている人たちは、増えていると実感しています」

― 素晴らしいですね。その一方で、社会的企業や活動する団体への投資は、一般の投資家側からみると「すぐに直接的なリターンを得ることは難しい」と考えられている面もあるようですが・・・。

「投資に対してリターンが少ないと、本当に言えるでしょうか。
まず、営利と非営利事業の違いは、大きくは一点だと思っています。直接の顧客に支払い能力があるかどうか。営利のビジネスですと、美味しいコーヒーを購入した人が、リターンとして直接にお金を支払う。それが、非営利が扱う多くの分野では、例えば、子どもや森林は、サービスを受ける顧客として、直接にお金を支払えない。その代わりに、彼らがハッピーになることで喜ぶ、『第二の顧客』と呼ばれる、寄付者や企業・財団、政府などがスポンサーになって支払う。森林が保全されるインパクトが、投資額に対して効果的であればよい投資となる。これって、視聴者がお金を払うわけではないテレビ局と、近いビジネスモデルですよね。インパクトでも資金を集めるという点では、一部のネット系の企業からヒントを学ぶ点があるのかもしれません」


自己理解は他者理解につながる

― いのさんはこれまでにもさまざまな活動をされてきましたが、『THE BIG ISSUE』のビッグイシュー基金で理事もされていたこともありますね。

「はい、この『ビッグイシュー』との関わりは、僕にとって貴重なものでした。これはホームレスの状態にある人たちが、路上での雑誌販売を通じて、自立に向かっていく事業です。彼らが、『ビッグイシュー』を駅前などで売ることで、2つの変化が始まります。

まずは経済的な収入です。毎月、一定数の雑誌が売れれば、部屋を借りる資金となり、住所が手に入ります。そうすれば、就職活動もぐっとしやすくなります。もう1つが人との関係性です。常連さんができたり、『いつもあなたがここで売ってるの見ているよ』と言ってくれる人が現れる。自分の人生に“目撃者”が誕生する。他者との関係性を失ってホームレスの状態になる人が多いのですが、世の中に居場所ができます。これは大変な変化です。

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一方で、これを他地域に展開するなかで、うまくいく場合とそうでない場合があります。例えば、彼らを“支援する“とか”助けるべき“対象と見て、支援者マインドで取り組む場合は、うまくいかないようです。逆に、彼らを『駅前に店舗を持っている経営者なんですよ』と、一人ひとりをみて協働する場合、よりよい結果に近づきます。

実際、販売員たちで集まってもらい、『うまくいった売り方』の情報交換をしてもらうー-などすると、互いに教え合い、学び合える。“自分のやり方”も見つかる。マニュアルどおりにやらせようとするよりも、力を発揮し始めることがあります」

― つまり・・・「マイプロジェクト」で意見を交換している学生さんと同じことのようですね。

「そうですね。ホームレスという状況は、さまざまな課題が重なって起きている超複合課題なので、一概には言えないところもあります。けれどインタビューの1回目でもお話したとおり、大統領でなくてもスーパーヒーローでなくても、一人ひとりがこの世界の貴重なリソースであることを理解する。一人ひとりの力は大きい。そのことは社会を大きく変えます」

― いのさんが、何度もおっしゃっている「自分を知ると社会が変わる」ということですね。

「はい。自己理解は他者理解につながります。たとえば“寂しい”という気持ちがあったとして、それに蓋をしないで、“寂しい”と感じている自分に少し寄り添ってみてください。

“転職したばかりで新しい環境で”、“しかも引っ越しもして、知らない町に住んでいるし・・・”と理解を進めて、“この状況ならそう感じるよね”って、自分を責める前に理解を示してみる。そうすると、同じような寂しさを持った人のことも理解できるし、つながることもできる。さらには、海外から移住した人たちの気持ち、職場における女性や、マイノリティの人の気持ちもぐっと高い画素数で見えるようになる。自分への理解を進めることで、自分自身の代表性や、世界とのつながりに気付くこともできるんです」

― 他者の気持ちを思いやるためには、自分から湧き上がるものを無視せず、きちんと見つめることが必要なんですね。2回にわたり、とても大切なお話をありがとうございました!

子供が自分のペースで成長できるように、私たちがしたいこと【Editor’s Letter vol.04】

Hummingの編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。日々の暮らしで見つけたこと、感じたこと、考えたことをシェアします。

感動の子育て。教え込むより導く、
という方法【Editor’s Letter vol.02】

Hummingの編集長 永野舞麻がカリフォルニアから配信する「Editor’s Letter 」。日々の暮らしで見つけたこと、感じたこと、考えたことをシェアします。