想いが詰まった、タイムレスな愛用品【トップネイリスト渡邉季穂のお気に入りLIST】
その道のプロに聞く、今の自分に必要なお気に入りアイテム。今回は、トップネイリスト渡邉季穂さんに3つの大切なアイテムを見せていただきました。
ターニングポイントを支える、大切なモノ
「こんなの欲しかった」と共感を呼ぶビューティアイテムを次々と提案し、自らもトップネイリストとして活躍するuka代表の渡邉季穂さん。トータルビューティサロン立ち上げやオリジナルプロダクトの販売など、ターニングポイントでの想いがつまった愛用品について迫ります。

ロサンゼルスで出合ったぬいぐるみ
猫好きで知られる渡邉さん。ぬいぐるみも大好きで、家にたくさんあるそうですが、なかでもこちらが、20年ほど可愛がっている一番のお気に入りなのだとか。
「毎年、恩師であるヘアスタイリストのユキさんに会いにロサンゼルスに行っていたのですが、その際セレクトショップ“ESSEY”で出合ったもの。手にビジューがあしらわれ、愛くるしい顔も好みです」
実は渡邉さんがukaの前身であるトータルビューティサロンを立ち上げたきっかけが、このユキさんとの出会いだったといいます。
「彼がロスで経営していたサロンに行ったとき、ヘアカットしながらネイルやペディキュア、エステサロンも入っていて、これまで見てきた美容院の枠を超えた、華やかな世界に心奪われたんです。こういうサロンがやりたい、と」
その衝撃からすぐ実現に向けて動き、日本ではかなり珍しかったトータルビューティサロンを創り上げていった渡邉さん。ロスでの大切な想い出をまとったぬいぐるみは、その原動力を思い起こさせてくれる存在なのかもしれません。

サロンワークでの経験が生み出した名品、ネイルオイル
2009年、ukaブランドの誕生とともに初めて手掛けたオリジナルプロダクトがこちらのネイルオイル。一日の中の“時間”をコンセプトに、ストーリーをまとったこれまでにないアイテムは話題を呼び、ロングセラーに。ブランドを象徴するアイテムとして人気を牽引しています。
「サロン立ち上げ時から、素を生かしたシンプルビューティを提案、アートよりもケアを重視してきました。なかなか根付かないホームケアの問題点をずっと検討してきた、構想10年ほどの思い入れのあるアイテムですね」
例えば18:30は、“働く女性が19時のデートに向かう途中、ローズとジャスミンの薫りで女性性を取り戻す”といったストーリーが描かれている。
「仕事の後、蛍光灯のエレベーターに乗り、鏡に映った自分の顔が恐ろしかった、という私の実体験が反映されているのですが(笑)。ストーリーとリンクした香りを、当初からフランスの調香師ジル・バートゥミュウ氏にお願いし、天然由来の成分にもこだわっています」
定番に加え、毎年限定アイテムも販売しており、今年はカラーストーンのパワーをまとった“ネイルオイルパワー”を11月1日から展開予定だそう。

使い込むほどに味がでる、革職人のバッグを愛用
一枚の分厚いヌメ革をカットワークして作られた美しい佇まいのバッグ。日本の革職人SODA KO(曽田耕)さんと、一色紗英さんがディレクターを手掛けるARCHIのコラボレーションのアイテムだそう。
「7~8年ほど愛用しているのですが、どんな服にも合うし、一年のなかでも一番持っているバッグですね」
使い込むほどにきれいな艶のある色へと変化して、経年変化を楽しめるほか、中に布や巾着を入れたり、自分らしくアレンジして使えるのも魅力なのだとか。
「実はマニキュアがちょっとついているんですが、デザインのようになじんでいます。よく可愛いですね、どこの?と声かけられるんですよ」
長年愛用していてもフォルムが崩れず、クラフトワークが光るアイテムは、渡邉さんの審美眼を反映しているようです。

profile
渡邉季穂(わたなべきほ)
トータルビューティーカンパニー『uka』代表・トップネイリスト。商品開発やサロンワーク、雑誌・広告、講師など多岐にわたり活躍中。ケアを重視し、素材のよさを引き出す技術やセンスに定評があり、著名人やビューティ関係者から絶大な信頼を集める。「うれしいことが世界でいちばん多いお店」をブランドビジョンに、トータルビューティサロン、ストアに加え、オーガニック素材を取り入れたカフェ「ukafe(ウカフェ)」も2010年から展開中。
https://uka.co.jp/
Instagram @kiho
PHOTO = 松木宏祐