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2022.09.08 台湾で人生を仕切り直す。自分らしい地図の描き方【元タカラジェンヌ 中原由貴の衣食住遊学】

自分を知る自分を高める衣食住遊学

いつも元気で幸せそうなひとは、自分の周りに“楽しいこと”を育てる種をまいています。そんな魅力的な方にHummingなライフスタイルのトピックスを伺うシリーズ記事「わたしの衣食住遊学」。今回登場するのは、宝塚歌劇団を卒業後に台湾に移住し、現地で芸能活動を続けている中原由貴さんです。


飛び込んだ場所で、もう一度、夢を見つけたい

yuuki

台湾生活の模様はSNSを通して発信中。写真はインスタグラムで紹介した、台北の街を背景に撮影した一枚。

宝塚歌劇団の月組で男役として活躍し、6年ほど前にを卒業した中原さんは、台湾に活動拠点を移して2年半。移住の理由はひと言でいうと「すべての環境を変えてしまえ、と思った」。それは彼女にとって、宝塚後の第二の人生をどう生きていくかの模索と葛藤を経て至った結論でした。
「宝塚に入団して舞台に立つことがずっと目標だったので、20代で人生最大の夢を叶えてしまったことになるんです。なので、どうしてもそれ以上の夢を描きづらくて。私は4年間ぐらいずっと探し続け、なかなか見つけられずにいました」。

趣味で習っていた中国語。そして以前にオーディションで台北を訪れた際に得た、うれしい手応え。日本で見つからないなら、いっそのことすべての環境を変えて、想定外の何かをつかみたい。思いきって飛び込んだ新生活で、芸能活動を続けながらダンスを教えたりと、その基盤は着々と固まりつつあります。


「衣」

“女性”を取り戻すプロセスで見つけた自分らしさ

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宝塚時代は、“カッコいい女性”というよりも、男役としてまさに“男性”として振舞っていましたから、退団直後は、普通に女性らしい格好をすると、どうしようもなく違和感がありました。舞台上では女性を持ち上げたりして、腕の筋肉もしっかりついていましたから、体型的にも女性の服がしっくりこない。大股で歩くのは当たり前、ドアの開け方一つとっても、明らかに男性的でしたから、身についたものは意識しないと抜けませんでした。

宝塚に入団する前の17歳で私の“女性歴”はいったん止まっていて、10代後半から20代がすっぽりと抜けてしまっているわけです。女性はこんなときにどんな行動を取るのだろう?ということも含めて、退団してから後天的に学びました(笑)。

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よく着けているのは、揺れるタイプのピアス。ハンドメイドのものが好きで、元宝塚の先輩が手掛けているネットショップで購入することも。

ファッションも立ち居振る舞いも試行錯誤を経て、私はやはり可愛いフェミニンな着こなしよりも、大人っぽくてカッコいい女性像が好きだなと再確認。華やかな舞台に立っていたことも影響しているかもしれませんが、まず鮮やかな色の服を手に取る傾向がありますね。トップスは白で、ボトムスにブルーやオレンジの華やかなロング丈のフレアースカート、が定番スタイルです。

台湾の夏はとにかく暑くて、日本の春や秋のような時季がほとんどないからでしょうか、ファッションにあまり関心がない人が多いようです(ちなみに冬はそれなりに寒いです)。私も思いきりラフなスタイルの日もありますが、人に会うなど何か予定があるときはきちんと感を心掛けています。おしゃれをする楽しさを忘れないように。


「食」

美味しい台湾ごはんに魅せられて

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よく利用するお店の麻辣火鍋は、龍の持ち手が付いているいかにもな中華ふうの鍋で、真ん中が普通のスープ、周りが麻辣のスープに。

台湾は、三食外食をすることが当たり前という文化で、キッチンがない家もあるほど。理由を尋ねると「外で食べたほうが便利で安いから」とのこと(確かに激安なんですよ)。皆さん朝早くから外に出て行きますし、朝食をいただけるところもいーっぱいあります。


私のお気に入りの台湾ごはんは、麻辣火鍋、そして烤鴨(いわゆる北京ダック)。これは激安というよりは、ちょっと贅沢する日の食事ですね。

麻辣火鍋は、辛いだけでなく山椒の香りが効いた絶妙な味わいの鍋です。山椒が舌にピリピリと残り、これがたまらなくてクセになる美味しさ。
烤鴨はまるっと一羽が運ばれてきて、目の前で切りさばいてくれます。セイロでサーブされる蒸したてのクレープ生地に鴨肉をのせて、薬味とともに自分好みでカスタマイズ。好きなだけいただけるので、ついつい食べ過ぎてしまいます。

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行きつけのお店は、烤鴨を肉厚に切り分けてくれる。とにかく絶品。

自炊するときは、やはり日本食。体のことを考えて、野菜と鉄分は意識して摂るようにしています。台湾のごはんはバラエティに富んでいて本当に美味しいのですが、やはり油っぽいので、食べ過ぎると太ります。体は日本人ですから(笑)、ひじきとか出汁巻き卵などを無性に欲するときがありますね。台北じゅうを歩き回って、ひじきを購入できるお店を一軒だけ探し出しました。
こちらに来て、日本食の基本ともいえるお出汁の素晴らしさ、食材や調理法がいかにヘルシーであるかを再認識。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも、あらためて納得できました。


「住」

アロマで得る、癒しとパワーチャージ

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リラックスしたい夜、集中して勉強や調べものをしたいときなどには、アロマを焚いています。台湾でも無添加のものや有機野菜が注目され始まっていて、天然素材を使ったアイテムをたくさん目にするようになりました。私が選んでいるのも、台湾産の天然素材から作られている台湾アロマです。

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こちらのお香のお店は、200年の歴史を持った超老舗「金吉利香鋪」。7代目社長が効能と香りをていねいに説明してくれて選びやすい。

迪化街という地区に、漢方などを売る店が並んでいるエリアがあるのですが、そこで手作りのお香を手に入れています。お店の方いわく、日本人観光客にも人気とのこと。購入時は、全種類に火をつけてもらって一つひとつ匂いを確かめて吟味。リラックス効果、元気が出る香り、空気を浄化してくれる香り、ユニークなものでは「お金持ちになれる香り」なんていうものもあります(笑)。私は特定の香りに決めているわけではなく、その時々の気分に合ったもの、必要な香りを選んでいます。

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夜、アロマを焚いて、身も心もリラックスしながら、頭のなかでいろいろな思いを巡らせる時間を設けています。たとえば、仕事で成功している自分を想像して、気持ちをワクワクさせたり。そうすると、次にこの香りをかいだだけで、ワクワクする気持ちがよみがえって、心地よさに包まれるわけです。アロマは気分転換にも、パワーチャージにも役立ち、私の一人時間に欠かせない要素になっています。


「遊」

ローカルなお楽しみ、夜市と公園

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この日は、南機場夜市という、観光客の少ないとってもローカルな夜市へ。

台湾を旅したことがある方はご存じかと思いますが、夜市での食べ歩きは台湾ならではのお楽しみ。移住する前にも5、6回は旅行で訪れましたが、ガイドブックに載っている有名な夜市に行ったことしかなくて。こちらに住んでから、実はどこにでも夜市があることを知りました。観光客が知らない、おすすめの夜市もたくさんあります。

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「曉迪筒仔米糕」というお店の看板メニュー、筒仔米糕(筒形のおこわ)。

夜市の楽しさは?と聞かれたら・・・屋台村に行くイメージでしょうか。現地では、夜食を楽しみに行く感覚で利用している人も多いです。食事のあとに、そこに夜市があるからちょっと寄ってく?みたいな感じ。台湾の人がみんな好きな豬血糕(豚の血を固めて作られた餅)を1本買って、歩きながら食べている光景が日常。いつも活気があって、眺めているだけでも楽しいです。

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淡水の金色水岸という公園にて。夕陽がきれいに見えると人気のスポット。

もう一つ、人がよく集っている場所が公園。あちらこちらに公園があって、そこでおしゃべりしている人たちの輪をよく見かけます。楽しそうに情報交換をしていて、主な話題は・・・やはりグルメねた! 皆さんとにかく美味しいものを食べることが大好きで、グルメ情報が飛び交っています。日々のニュースも5つのネタが紹介されるとしたら、1つは必ず、どこに何のお店がオープンしましたというグルメの話題なんですよ。

今はこんなふうに、ローカルな場所でリアルな文化に触れるのが楽しくて。街や人々の様子に触れながら、たくさんの知識を得ています。


「学」

ダンスを教えることで得る学び

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ブランドのイメージモデルを務めている、台湾資生堂のBENEFIQUEの広告撮影より。モデルの仕事にはダンスの経験も活かされている。

台湾でCMや広告モデルの仕事をしながら、ダンスを教えています。移住して半年経ったころにオファーをいただいたときは、中国語でダンスを教えるなんて無謀だ!と本当に自信がなくて。日本でも中国語を学んでいたとはいえ、いざ台湾に住んでみると、わからない、聴き取れない、話せない。まだそんなレベルのときに降ってわいたお話だったので、興味はありつつも、適当に教えるのも嫌だし・・・と悩みました。でも私のポリシーでもあるのですが、悩んでもしかたないことは悩まない、悩んでいても意味がない。やるか、やらないかというときは、少しでも興味があるならば、やっちゃえと。そこから毎週末にダンスを教える生活がもう2年も続いています。

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こちらは、コンパスという携帯ゲームのCM撮影現場での1カット。

私の生徒さんは、下は10歳ぐらいから50代ぐらいまでの幅広い層で、皆さん宝塚のファン。パンデミック以前は3年に一度のペースで、台湾でも宝塚公演が行われていましたので、有難いことに熱心なファンがたくさんいらっしゃいます。

私が教えているのは、宝塚のメソッドをベースにしたものなので、かなり特殊なダンス教室かもしれません。基本的には皆さんダンス初心者で、大好きな宝塚に何らかの形で触れたいということがきっかけになっています。だからといって、ただ楽しいだけではなくて、私としては宝塚の舞台が厳しいレッスンがあってこそ成り立っているんだということも知ってもらいたくて。

宝塚の舞台では、ダンスは一人で踊るものではなく、みんなと一緒に組んでやるものだということを伝えながら、他の人とのバランスの取り方とか、なぜ今うまく動けなかったのかを自分で考えてもらったり、一歩深いところまで感じてもらえるように指導を工夫しています。

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ダンスレッスン中の1枚。教える側も教わる側も、楽しみながらも真剣!

そんな想いが届いたのか、彼女たちも本気で取り組んでくれて、その成長ぶりを肌で感じられるようになったし、そこには達成感も生まれています。誘い合って自主稽古までしていて、そんな生徒たちの真剣な姿が、私自身の達成感にもなっているのです。手探りでスタートしましたが、今は絆や信頼感も出来上がっていると思っています。

今後は宝塚的なダンスだけでなく、さらに広げていきたくて。台湾にはジャズダンスの教室がほぼないので、開拓していきたいし、根付かせたいという気持ちもあります。日本から講師も招いて、プログラムをつくっていこうかなどあれこれと計画中。ダンスを通じて、日台をつなげていきたいですね。

本来はやったことがないことをゼロから学ぶのが好きなのですが、宝塚の舞台を10年間経験して、そこで学んだこと、その基盤を活かせることが、今の私が輝ける道かなと思っています。自分のペースでオーディションを受けながら芸能の仕事を続けられる環境も有難く、一つに絞らずにいろんなことに挑戦して進めることで、可能性が何倍にも広がっていくと思っています。自分にしかできないことを見つけてこそ、ここに来た意味もあるし、居続ける意味を感じています。


台湾に移り住んだことを「正解だった」と答えたその力強さに、中原さんの今の生活の充実ぶりがうかがえます。日本では探し続けても見つけられなかったワクワク感を、ようやく台湾で感じているーー。思いきった選択が新しい扉を開いた今、「まだ何かを成し遂げたわけではないけれど、思う方向へ向かっていると思えています」と語る彼女の未来は、真っ直ぐで迷いがありません。


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Profile
中原由貴(なかはらゆうき)
東京都出身。元タカラジェンヌ。宝塚歌劇団に92期生として入団し、10年間在籍。月組の男役スター 煌月爽矢として人気を得る。2016年に退団後は、女優、タレントとして芸能活動を続け、2019年に台湾へ。芸能活動と並行してダンスを教えるなど活躍の場を広げている。
Instagram @Nakahara.yuuki
Twitter @Yuuki_Nakahara


TEXT = Humming編集部

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